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文藝評論家・山崎行太郎の『毒蛇山荘日記』
2010-06-10 09:35
従米属国派の菅民主党は「選挙」で負ける。都市部中心の「風任せ」の選挙では、長期政権は維持できない。
「小沢排除」を売り物にすることによって支持率が急回復したと伝えられる菅民主党だが、一部には、この支持率なら、「参院選挙」に勝てるだけではなく、同時選挙をやれば、衆議院選挙も民主党圧勝だろうという向きもあるが、僕は必ずしもそうはならないと見る。新聞やテレビの伝える「支持率」なるものは、明らかに都市部の「B層」を対象としたものであり、全国的なレベルの「支持率」とは、ちょつとその実態が異なっているはずだ。そもそも「政権交代」を実現した前回の衆議院選挙は、マスコミの囃し立てる「支持率」によるものではなく、小沢一郎式の「川上作戦」と呼ばれる地道な「どぶ板選挙」の成果として、つまり小沢一郎陣頭指揮のもとでの地方の有権者や農業団体などの支持団体へのきめ細かい「選挙活動」の成果として実現したものてある。都市部を中心に「支持率」なるものがどれだけ回復したところで、むろん回復しないよりは回復した方がマシたが、いずれにしろ支持率頼みの菅民主党は、かつての社会党がそうだったように、マスコミや風頼みの選挙しか出来ない以上、足腰の弱い「万年野党」に転落することは、目に見えている。おそらく、「小沢排除」をキャッチフレーズにした今回の政変によって民主党は、マスコミの影響力の強い東京、埼玉、神奈川等を中心とする都市部の支持率は回復するかもしれないが、しかし再び「切り捨て」になると思われる地方の一般庶民や、農業団体等を中心にした反マスコミ的な、土着情念派的な「自民党的地盤」の復活によって、悲惨な眼にあうだろう。「川上作戦」なる小沢一郎の選挙戦術によって、次々と切り崩されていった「地方の一般庶民や、農業団体等を中心にした反マスコミ的な、土着情念派的な自民党的地盤・・・」は、「小沢一郎なき民主党」に見切りをつけて、ふたたび自民党的なものへ回帰していくと思われる。まず沖縄である。沖縄では、菅民主党は全滅するかもしれない。そしておそらく、沖縄県民の選挙行動は、静かに全国的な規模に展開していくことになるかもしれない。いずれにしろ、民主党の役割は終わったと言わなければならない。今回の政変で、民主党は自分で自分の首を絞めたと言うべきである。菅や枝野等は、米国やマスコミ、官僚等に屈服することによって「小沢排除」には成功するかもしれないが、「小沢排除」即「国民排除」であるという現実を知った国民によって手痛いしっぺ返しを、つまり選挙による国民からの逆襲を受けることになるはずである。
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