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2010年6月2日 掲載
「ベーシック・インカム」は東京集中を解消する
年齢・性別、職業・地域に関係なく、生まれたばかりの赤ちゃんから、おじいちゃん、おばあちゃんまで、世帯単位でなく個人単位で、全ての国民一人ひとりに月額5万円、年間60万円の基礎所得を生涯に亘(わた)って支給するベーシック・インカム=B・I。
1.27億人の国民に配当した場合、要する金額は77兆円。他方、個人事業者を除いた日本の雇用者報酬は260兆円。所得税率を一律30%としたなら78兆円。財源的にも十分実現可能な仕組み、と復唱した上で、B・Iは勤労意欲を減退させる、との懐疑的な見解への反駁(はんばく)を行います。
農業、漁業、林業に関心を抱きながらも、3Kな仕事内容には見合わぬ収入に躊躇(ちゅうちょ)して、都市部で手元不如意な日々を送っていた面々も、月額5万円の基礎所得が保証されたなら、Iターン、Jターン、Uターンに踏み切れます。
不安定な身分と収入に不安と不満を抱く一方で、都会に居ないと仕事に恵まれない、との先入観に彼らは陥っていたのです。結果として、東京一極集中を解消し、人口の地域分散化を促します。
株式投資で生計を立てる輩(やから)は怠惰だ、とは誰も言わないように、家族4人なら月額20万円の基礎所得が保証されるからこそ、NPOを始めとする地域活動に勤(いそ)しむ日々も可能となるのです。何れも立派な社会の一員です。更に、個人単位で支給のB・Iは、DV被害に直面する女性にも、“束縛からの逃走”という福音を与えます。
逆富士山型の人口構造が進行する中、国民年金の保険料納付率は昨年度、59.4%と6割を切りました。加えて、男性が稼ぎ手の専業主婦型夫婦や家族が「標準」とは規定し得ぬ社会状況なのに、従来の「家族」「労働」を依然として前提にする日本の社会保障制度は既に崩壊状態なのです。
では、社会福祉の充実を謳う共産、公明、社民等の政党が、福祉先進国の欧州でも導入が真剣に検討されるB・Iに賛同しないのは何故でしょう? それは、彼らの支持基盤である官公労の労働組合、既存の福祉団体、人権団体の存在を脅かす、個人に立脚した仕組みだからです。
う〜む、大きな利権団体や労働組合の都合ではなく、真っ当に暮らす一人ひとりの希望に根差した社会を実現するB・Iこそ、究極のニッポン改革にも拘らず。
【田中康夫】
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