5月31日、ガザ地区外の公海上で援助船団に対するイスラエルの軍事行動で死者が出た事件に関して、国連人権理事会は6月2日、「人道的船団に対するイスラエル軍のゆゆしき攻撃」に関する決議 A/HRC/14/L.1 を賛成多数で可決した。日本は、人権理事会の理事国となっている。この決議は、「イスラエルに対し、拘禁されたり負傷したりした船団員の所在や状態、状況について情報を入手・提供するために、国際赤十字委員会（ICRC）と十分に協力するよう要請するとともに、イスラエルに対し、占領権力として、「ガザや他の被占領地域における包囲」を直ちに解除し、「被占領ガザ地区への食料、燃料、医療など人道援助が支障なく提供されることを確保する」よう要請する内容の決議である。

この事件は日本でも報道され、多くの日本人の知るところとなっている。公海上を航行していたガザ援助船団を急襲したイスラエル特殊部隊は、乗船していた民間人の10名を殺害し、多数の重軽傷者を出した。死者の多くは、頭部や上半身に10発以上の銃弾を浴びていた。今回のイスラエル特殊部隊の行為は、明らかに過剰な武力行使であり、国際的に非難されてしかるべきものである。それとともに、イスラエルがガザ地区への人道援助物資の搬入を阻止している現状についても、非難されて当然の蛮行であると言わなければならない。

人権理事国は6月2日の決議において、全理事国47カ国のうち、32カ国が賛成し、3カ国が反対した。9カ国が棄権し、3カ国が欠席した。反対した3カ国に米国が含まれているのは当然である。では日本はどうだったのか。そう、棄権したのである。かつての自民党政権がそうであったように、今また民主党政権は非難決議に賛成するどころか「棄権」したのである。これまでも何十回となくイスラエル非難決議が可決されてきたが、歴代の自民党政府は、大多数の理事国が非難決議に賛成する中で、米国が「反対」のとき、日本は「棄権」するという選択を幾度となく繰り返してきた。みずから主体的に判断することなく、米国の機嫌を損ねることのないように汲々としてきたのが自民党政府の姿だったのだ。

しかるに今回のイスラエル非難決議において、大多数の国々が賛成する中で、日本の民主党政府は「棄権」にまわるという姑息な態度を選択した。これは従来の自民党政権と何ら変わることのない態度である。民主党政権の「対米従属」ぶりは、普天間問題での辺野古移設を明記した
日米共同声明に如実に表れているが、今回のイスラエル非難決議にも、その「対米従属」ぶりは遺憾なく発揮されている。まさに「アメリカの犬」という言葉がふさわしい民主党政権である。

もう「対米従属」の政権にはウンザリである。6月2日水曜日 は「日本国民 屈辱の日」として記銘されなければならない。
　

コメント
01. 2010年6月08日 21:38:03: 6gbbX6yxXQ 犬に自由はない。ご主人様の命令に従うだけ。
02. 2010年6月08日 22:43:20: uHTSBefDks 戦争板にこのイスラエルの悪逆非道の蛮行に抗議して辞めさせられたホワイトハウスの名物ジャーナリスト、ヘレン・トーマスの記事が上げられており、そこでは愚かなイスラエルを擁護しヘレンを貶める米国の態度に憤るコメントが連なっている。 イスラエルの手口が臨検という手続き上法的に許されたものでも人道の名の下にパレスチナ人を助けるため寄航した援助船に乗り込み抗議する乗員のボランティアを抵抗したからという理由で殺したのだが、何も驚くことはない。 イスラエルのパレスチナに対する扱いは日常もこれと変わらないからだ。 イスラエルの特殊部隊からすれば虫けら同然のパレスチナ人のためになどという者たちもまた虫けら同然なわけだ。 だからこそ躊躇もなくこのような蛮行が可能なのだろう。 これに異を唱えないならその連中はイスラエルの愚かさを共有したのと同じことになろう。 まさにわが国はその一群となった。俺は望みたくもないが国がそういう愚かさを選択するのは結局パレスチナ人の悲劇なぞどうでもいいということだろう。
03. 2010年6月08日 22:58:23: BNZdwRc6wQ 犬を代表にしたつもりはないトットト辞めろ。
04. 2010年6月09日 00:31:33: NqASNYeUnY イスラエルがやったということは、人道援助団のフリをしたテロリストが乗船していたからという可能性の方が強かろう。日本と違って、イスラエルは情報機関が昨日しているから、本当の人道支援ならそんな攻撃はしてないはず。 まあ、今の日本の外交力なら棄権が精一杯なんじゃない？
05. ダイナモ 2010年6月09日 02:53:54: mY9T/8MdR98ug: oz3zVsEkfw >>04 「本当の人道支援ならそんな攻撃はしてないはず」　　甘いです。　大甘です。 イスラエルが「人道支援」に対しては銃撃しない、などというのは現実を見ない空理空論です。　日本を基準に考えるからおかしな主張になるのです。 人道支援だろうがテロリストだろうが、ガザの封鎖を破ろうとして抵抗してくる者を「殺す」ことに何の躊躇もしないのが、イスラエル軍であり、大多数のイスラエル市民です。 で、殺したのはテロリストだったのですか？　そんな証拠は何処にも、イスラエルからも出てきていませんよ。 国際的非難は、屁とも思っていないのです。
06. ダイナモ 2010年6月09日 02:58:32: mY9T/8MdR98ug: oz3zVsEkfw >>04 日本を「アメリカの犬」と思いたくないキモチは「痛いほど」分かりますよ。 しかし、現実に日本政府、そして民主党政権（当然、小沢も含む）が行なっていることは「アメリカの犬」そのものです。

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