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政治評論家の鈴木棟一氏が興味深いことをいっています。鳩山・小沢ダブル辞任は「鳩山の無血クーデター」であるというのです。民主党の創立者である鳩山氏と菅氏は、自民党との二大政党の一つという地位を確立しましたが、政権交代には自民党との間に絶望的ともいえる差があったのです。
そこで選挙に勝って政権交代を達成するため、鳩山氏と菅氏は小沢氏率いる自由党と民主党の民由合併を図り、小沢グループに民主党のひさしを貸したのです。おそらくこの時点では、本当に政権交代が実現できるとは思っていなかったはずです。しかし、小沢氏の政治力は抜群であり、メール問題で前原代表(当時)が辞任してガタガタになっていた民主党を、党代表に就任して立て直し、その勢いを止めようとした検察によって代表を辞任したものの、2007年の参院選を勝ち抜き、2009年の衆院選で圧勝して、遂に政権交代が実現したのです。
もし、小沢氏がいなければとても実現しなかったといっても過言ではないと思います。ところがせっかくの鳩山政権は、首相の政権運営があまりにも稚拙であり、加えて首相自身と小沢幹事長の政治とカネの問題があって、支持率が急落したのです。しかし、小沢幹事長の政治とカネの問題については謀略の疑いが濃厚であり、EJではそのことを多くの情報を提示して説明してきたつもりです。
小沢事件に関しては、仙谷国家戦略相に近い郷原信郎弁護士など、限りなく「シロ」であると主張している人が多く、それを示す資料は誰でも容易に入手できるのです。
しかるに、いわゆる反小沢派といわれる人々は、そのほとんどが弁護士であるにもかかわらず、それが実質的には民主党への卑劣な攻撃であるのに何の手助けもせず、繰り返し説明責任と辞任を迫るという権力闘争に終始したのです。
明らかにこの事件の責任をとって小沢氏に辞めて欲しいという意図は明らかです。用事は済んだので、辞めてくれとは実に身勝手な話です。しかし、何といっても民主党の支持率低下に拍車をかけたのは首相の普天間問題の迷走なのです。今ある情報を総合すると、昨年末には代替基地は普天間しかないとわかっていたにもかかわらず、「最低でも県外」と主張して沖縄の人の心を弄んだ挙句、結局普天間で日米共同宣言をしたのです。
これに反発して社民党が政権離脱して支持率がさらにダウンすると、今度は小沢幹事長を道連れにして辞任し、政権を放り出したのです。小沢氏もこれほどひどいとは考えてもいなかったと思います。確証はありませんが、さまざまな情報を分析した結果、鳩山首相(当時)の小沢氏道連れ辞任については、事前に菅副総理と相談していたものと思われます。
時期は小沢幹事長と輿石参院幹事長が鳩山氏を尋ねた前後であると思われます。その前から鳩山氏と小沢氏は電話で次のようなやり取りをしていたのです。
『社民党を切ってはならない。選挙協力をどうするのだ』と小 沢氏は強く言っていた。普天間の決着は、もう少し、選挙後まで延ばせばいいじゃないか、と。
──「鈴木棟一の風雲永田町」4日発行「夕刊フジ」
この時点で鳩山氏は辞任を考えていたと思います。「オバマを取るか小沢をとるか」─結局首相として何かを残したい鳩山氏は、オバマを取り、小沢幹事長を道連れにして自爆テロを行なったのです。オバマに褒めてもらいたかったのです。2回目に鳩山氏が小沢、輿石両氏と会ったとき、鳩山氏は小沢氏に幹事長辞任を迫っているのです。
そのとき、小沢氏が辞任を受け入れたので、鳩山氏は外に出たとき、親指を立てたのです。これは菅副総理への勝利のサインであると考えられます。要するに、これは鳩山──菅両氏の出来レースなのです。両氏としては、小沢氏に「ひさしを貸して母屋を取られた」と考えたので、自分が小沢氏と道連れ辞任をすることで、クリーンな民主党を取り戻したという構図なのです。
さて、4日に菅首相が確定すると、直ちに仙谷官房長官、枝野幹事長という情報が駆け巡り、ちょっとした騒ぎになって首相の記者会見が大幅に遅れたのです。これは菅首相サイドが作成した執行部の主要人事と主要閣僚リストが流れたからです。わざと流したのか、漏れたのかはわかりませんが、そういうものが既にできていたことは確かなのです。
したがって、菅氏は、かなり前から準備していたフシがあります。もし、今回の民主党内の政権交代が、鳩山・菅の連携プレイであったとすると、このさい徹底的に「小沢外し」をやってくると思います。今回は「小沢色を消す」という大義名分があるので、菅首相にとっては絶好のチャンスといえます。ポイントになるのは「枝野幹事長」があるかどうかです。
この原稿を執筆している5日正午の時点では、菅氏のグループ内から反対意見が相次いだということで、ペンディングになっていますが、この人事は変わらないと思います。逆にこれが変わるようであれば、菅氏のリーダーシップに疑問符が付きます。この人事があると、枝野氏は小沢氏がこれまで組み立ててきたシステムをすべて壊してくると思われます。
会期を延長したのは郵政法案を通すためだけでなく、政調会の復活や参院選の戦い方まで干渉してくる可能性があります。もっと露骨にやると、小沢氏に政倫審での説明が証人喚問を求めることもあると思います。国対が変わると、それは十分あり得ることです。しかし、これは危険な賭けであると思います。小沢グループは一斉に反発し、党内は混乱します。現在、国対幹部は小沢グループで占められ、選挙は小沢氏が一手に握っています。
もし、枝野氏がこれに手を突っ込んでくると、小沢グループは選挙から一斉に手を引くでしょう。それで選挙が戦えるのでしょうか。かつて小沢氏が辞めるといったとき、それを思いとどまるよう説得したのは、誰だったでしょうか。鳩山氏と菅氏ではありませ
んか。 ──[ジャーナリズム論/32]
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