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2010年06月06日
最近、つくづく思うことがある。今回の鳩山・小沢民主党のツートップの辞任による首相交代劇のコラムを書きながら考えるわけだが、「日本の政治リーダー達は政治をしている時間がないな〜、就任時から退陣するまで政局に振り回され、人格まで傷つき、刀折れ矢尽きて権力から距離を置く」。
この事は、今回の民主党政権に限らず、自民党政権においても同様の傾向が観察できる。唯一政局化することなく首相の時間を過ごしたのは、アノ小泉純一郎だが、この政権は米国と竹中+隷米官僚に政策を丸投げした政権だったから、首相の時間を謳歌出来たのだろう。つまり、何にもする気がなければ長期政権が維持可能という事だ。
本気で政治を行う、利害得失が伴う(社会を構成する何処かの層に痛みが出る)政策を実行しようとすると、何らかの圧力で政権維持が不可能になる歴史が繰り返されている。これが戦前であれ戦後であれ、日本政治の特性である。
米国・中国のような人工国家と違い、英国・日本のような自然国家の国家体質はパラダイムシフトが非常に実行しにくい国家体質を持っている。つまり、国家の歴史に断絶が無く、国民が営々と築いた文化に根差すものが多い所為だろう。
この事実が、日本に国民的革命も国民的暴動も起きない状況をつくり出している。
日本の政治史においても、極左、極右が政治の表舞台で活躍出来ない大きな要因は自然国家であること。伝統文化に裏打ちされた人々の生活が継続的につづいていること、そして常に中心に天皇が存在した事だろう。憲法上、象徴であっても天皇制は厳然と存在している。
このような国家体質が江戸幕府と云う官僚機構を作り、老中政治がなされたわけだが、幕府が崩壊した後も明治維新以降も、日本には官僚機構が常に存在した。大戦後において、多くの戦犯を生みながらも、官僚組織は生き残った。そして今に至っている。
官僚機構の善し悪しを今夜論ずるつもりはないが、鳩山・小沢体制が崩壊した原因、言い方を変えれば崩壊させた権力は、この官僚機構である。
法務官僚と検察庁、時に裁判所が鳩山・小沢に襲いかかった事実は鮮明に記憶されている。官僚機構の一部である宮内庁発信の民主党バッシングもあった。外務・防衛官僚による普天間移設問題の対応は鳩山首相の政治生命を奪った。
時に、政治家は利権配分先(税の再配分)を司る存在であり、政策は政策のプロ集団・官僚が実施するものである。このことをもって「官僚主導政治は悪」と言われても合点がいかないと官僚機構は思っている。
たしかに政治家は選挙の洗礼を受けて国会に参加するのだから、国民に選ばれてはいるが、選挙で落ちれば只の人である。ひっきりなしに顔が変わる政治家に政治政策を実施させたら、ヒッチャカメッチャカになるのは必定、国家の屋台骨が壊れるようなものだ。
政策は官僚がするべきものである。 官僚は国民の選択こそ受けていないが、逃げも隠れも出来ない組織に属している。無責任な事は絶対にしない存在なのだ。だから永遠に自然発生的に生まれた国家では、継続的経験が意味を持つのである。
そう思っているのが、官僚たちだけならパラダイムシフトも可能だろうが、肝心の国民も官僚の発言の方が正しいのではないかと、自ら選択した政治家を信じ切っていない傾向が強い。 過去現在の政治家の業績・行状が国民に政治家を信用させなくしてしまった歴史があるわけだから、本来であれば、政治家に多くを期待すること自体無謀な部分がある。
つまり、マスメディアが口汚く罵るほど、国民は政治家に絶大な期待値を持っていないとも言える。にもかかわらず、マスメディアは官僚機構に巣食う存在故に、二人羽織の如く政治家の足を引っ張る。そして、理念に基づいた政策など画策した途端、一斉に牙を剥くのである。
よく、官僚を排除するのではなく、上手く使いこなす技量が政治家に求められる等と言うが、パラダイムシフトの中で官僚を使いこなす事は不可能と思うべきである。パラダイムの変更は官僚機構の利益と相反するからである。それが自然国家体制の政治家のジレンマだと言える。
それでは永遠に日本人は官僚マスメディア連合の思い通りにしか生きられないのか?官僚が米国の意志を忖度する存在と云う事は、結果的に隷米になるという事だ。その方が穏やかで良いんじゃないかと思う人が多いほど、この仕組みが変わる事はない。
しかし、米国の一国覇権状況が世界的に安泰ではなくなってきた現在、その方向性が穏やかだと保証されるものではない。ここのところが悩ましい。
筆者が何故小沢一郎と云う政治家を高く評価するかと云うと、権力の行使が居丈高で強引で激しい事である。
多少の手直しは必要かもしれないが、日本改造計画と云う理念もあり、その理念を正直独裁的政治手法で改造してしまう迅速な腕力の存在を認めるからである。小沢一郎が政治家として口にする、民主主義、議会制民主主義を支持しているというよりも、独裁的パワーで兎に角日本の構造をひっくり返す必要性を感じるからである。そのような政治に命を掛けられる政治家は小沢一郎しか日本には存在しないからである。
上手い事、洗脳脳の国民が菅直人の小沢排除政権に閉塞の打破を期待している。民主党の支持率はうなぎ昇りのようだ。
おそらく、この事態を最も喜んでいるのは小沢一郎だろう。順調に選挙戦が行われれば単独過半数が見えてきている。
そして、9月に捲土重来の民主党代表選が待っている。菅政権の党幹部も閣僚も日々に追われ、代表選の準備など手をつける暇はない。
しかし、小沢一派は政権から遠ざけられ、暇を持て余す。(笑) 代表選布陣強化には絶好の雌伏期間である。
是非、小沢支持でお怒りの諸兄も、怒りを収めて民主党を応援して頂きたい。必ず民主党勝利の暁には、小沢一郎総理総裁が誕生しますから!
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