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「鳩山首相辞任」の衝撃の余韻も冷めぬまま、二日後の6月4日には新首相として菅直人が選出される。この日、私は忙しくてニュースをあまり確認できなかったが、仕事を終えて、ツイッターのタイムラインを見ると、民主党の強力な支持層たちから、怨嗟ともいうべき、猛烈な菅バッシングが起きているのを見て、いったい何事か起きているのか、ということに驚いた。
要するに、その怒りとは、
・菅政権の人事で小沢派を冷遇している
→仙谷官房長官はともかく、枝野幹事長は絶対に許さない。
・沖縄問題でも、結局、社民党への歩みよりはなく、連立復帰への道を閉ざしてしまった。
・菅直人は消費税増税にそもそも前向きであり、官僚改革にどこまで本気なのか信用できない。ということだった。
昨日のブログにも書いたように、私はそもそも今回の鳩山首相の退陣が、突然のものではなかったと思っているし、もともとは小沢、鳩山、菅のトロイカで十分にシナリオが練られていて、だからこその、鳩山首相の退陣演説(「政治とカネ」の誇張)だと思っているし、もっというと、そもそも5月末までの普天間問題の決着期限というのも、アメリカ議会の予算の問題もあっただろうが、国内政局的には、この問題を利用してでの、参議院選挙での「表紙の入れ替え」を想定していたと思う。
だから、マスコミが報道するように、行き当たりばったりで、小沢と菅が権力闘争を行って、小沢が負けたなんてことは、ありえないと思っているし、そもそも小沢が権力闘争を行うのであれば、樽床などという誰も知らないような候補者を擁立するのではなく、原口総務大臣あたりをかついで、小沢グループと、鳩山グループの連携のもとに、代表戦での勝利をちゃんととりにいっただろう。しかし、小沢は今回あえてそれをしなかった。
ただ、気になっているのは、小沢一郎自身、昨日もカメラの前に出てくる顔というのは、「憮然」としたものだったので、あれが演技なのか、それとも人事をめぐって、菅と衝突したのかはそれは分からない。いずれにしても、7日に党人事を決め、8日に組閣ということで、日程を大きく遅らせたのは、菅と小沢の間で、人事の調整が難航していると見るべきだろう。ここは間違いないようだ。
さて、整理して考えるために、少し角度を変えてみたい。マスコミは「親小沢か、反小沢か」というように、今の政局をグルーピングしたがるわけだが、これは実際は、本質を外していて、大きく分けるとするならば、「対米追従派か、自主独立派か」というのが、イデオロギー的なもので、基本にあるべきで、いえば、幕末の開国派か、攘夷派か、というようなものだ。そのうえで、「規制緩和・財界重視派か、福祉重視・国民生活重視派か」「財政再建派か、積極財政派か」「中央集権派か、地方分権派か」などの要素がそれぞれにあると思う。
自民党でいえば、「対米追従派」がほとんどを占め、もっというと、既得権益重視派ともいえる。民主党もいろんな考えの人間がいるが、たいていの人間は、「自主独立派」ということで、考えは一致している。だからそこが一致した国民新党、社民党と連立を組んだということになる。
そこで考えると、小沢一郎、鳩山由紀夫、菅直人、亀井静香、福島瑞穂といったところは、「自主独立派、国民生活重視」という点では、まず一致している。だから三党連立の政策協定にサインもできた。だが、「財政再建派か、積極財政派か」ということになると、菅直人と、亀井静香の間で、かなり温度差もあったりする。
ちなみに、みんなの党は、「対米追従派、規制緩和・財界重視派、(実態は)都市重視派」ということになる。地方分権や、官僚改革を表向きは掲げるが、実際は、かなりコイズミ一派と似通った考え方になっている。資金源が、自民党の清和会(町村派)と同じではないか、ということが指摘されているが、だからこそ、彼らは、短期間であれほどの候補者を擁立できる潤沢な資金があったとみるべきだろう。
さて、そして、このところよくわからないのが、菅直人自身政権入りしてから、だいぶ考えが、既得権益打破というよりは、官僚よりになってきているのでは、というところ。まして、金曜日にマスコミか報じていたように、小沢グループを外して、仙谷官房長官や、枝野幹事長といった要は、民由合併前の人材を重用することで、「クリーンな民主党」を選挙向けにアピールするというのであれば、それは大きな間違いである。
つまり、自由党と合併する前の民主党というのは、理想論はいろいろというが、実際は、選挙のたびにぶれているし、国民からすると、自民党への批判勢力というだけであって、昔の社会党や、今のみんなの党と、同じ程度にしか、みなしていなかったわけだ。
それが、京セラの稲盛会長の働きかけもあって、小沢・自由党と合併したこともあって、これは本格的な政党に脱皮できるのではないかとして、旧来の自民党の支持者も大きく惹きつけることになった。俗に、小沢一郎票だけでも、500万〜1000万票あるといわれるが、それ以上に、旧・田中派出身者の自由党が民主党に合流したことは、有権者全体に対して、民主党は「政権担当能力があるな」という安心感を与えたはずだ。
小沢一郎の存在がなければ、結局、民主党については、菅がお遍路に出かけたことも、前原が偽メールで自爆したことも、岡田克也が地味な選挙戦略で失敗し続けることも、有権者は冷ややかに見ていたのではなかったか。
また、そもそも「枝野幹事長」という名前が出てきたが、これは現実的にはありえないだろう。まず、小沢一郎から枝野への引継ぎが成り立つのか、という疑問がある。参議院選挙を直前に控えて、小沢一郎のこと、あちこちにブラックボックスともいえる、いろんな「握り」を行っているに違いない。当然、幹事長ともなれば、業界団体とのつきあいもある。
そういう裏も表も、酸いも甘いも含めて、キレ者だが、書生論を振りかざす枝野が幹事長の要職を、果たしてつとまるのか、ということにおおいに疑問がある。また、もっというと、私は、枝野や、仙谷、前原といった人たちは、昨年来の一連の国策捜査にあたって、本来であれば、これは民主主義の危機であるし、まして石川議員という同士も、その犠牲にあった。
だからこそ、権力闘争の利害関係を超えて、検察の横暴に対して結束し、戦っていかなければいけないはずが、マスコミの誘いに乗って、「政治とカネ」というように、問題を歪曲化させて、自らの党内の権力闘争に利用をしてきた。こういうところが、いまいち「人間として」信用がおけないところでもある。
さて、いずれにしても、週明けに、菅政権の顔ぶれが決まる。民主党支持者の反発や、党内の反発を踏まえて、菅直人は、軌道修正を行うことができるのか。それができないようであれば、菅直人もそれまでの人間ということになろうが。いずれにせよ、小沢グループや、鳩山グループの離反を招き、民主党は分裂という、最悪の危機を迎えることになる。よもや、そんなバカなことはしないと思うが。
私自身、今後も民主党を支持するかどうかは、菅政権がどのような政権運営を行うかを、じっくり見極めたいと思うが、たとえば、早くも白旗をあげたようだが、沖縄問題にあたっても、社民党の言い分を聞き入れず、連立復帰の道を閉ざすようであれば、先が思いやられる。
アメリカ国内でも、同盟国の日本の首相を退陣に追いつめたことは、報道でもみられるとおり、批判が強いわけで、だからこそ、もう一度、鳩山辞任と言うカードを使って、アメリカに強く再交渉をすることは、できるはずだと思う。また菅直人は消費税増税論者といわれるが、そもそも民主党は、昨年の公約どおり、行政の無駄の見直しに、きちんと着手はしたのか。パフォーマンスの事業仕分けだけではまったく意味がない。公約通り、公務員の人件費を2割カットするなど、国民に対して、約束したことはきちんと守った上で、消費税増税は、選挙で信を問えばいい話である。皮肉なことだが、菅政権は、政策的には、昔本人が大いに批判したコイズミ政権と似通ってくる危険性がある。そうならないことを望みたいが、少なくとも私は、あまり菅政権の暴走が過ぎるようであれば、亀井静香の連立内での影響力を強めるためにも、国民新党への投票を呼びかけていきたいと思う。
もちろん私は民主党を支持する立場なのものであるが、民主党支持者である以前に、既得権益の打破を求め、そしてアメリカの間接支配からの独立を強く求める一人の有権者である。民主党が既得権益に取り込まれ、自民党とたいして変わらなく、劣化してしまうようであれば、私は躊躇なく、民主党の支持をやめ、「反民主党」の急先鋒として、菅政権を厳しく批判していくつもりだ。
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