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4日、民主党代表選挙が行われ、菅直人氏が新代表に選出された。
民主党代表は、首相になるから、菅総理が誕生することになる。おめでとう。
ただ、菅氏は鳩山内閣における副総理兼財務相の要職にあり、日米合意の閣議決定に署名しており、社民党との連立が回復することはないだろう。
したがって、菅氏の喫緊の目標は、参議院選挙に勝利することであるし、それは鳩山・小沢ツートップが辞任した背景でもある。
幸い支持率は回復に転じたが、大きなムーブメントにまでは成り得ていない。
それは、民主党政権でもわずか8ケ月で総理が交代するというクビ挿げ替え劇が国民に相応の幻滅感をもたらすからである。しかし、一方で、鳩山首相での参議院選挙は玉砕であったことから、出陣する参議院改選組にとっては大きなプラスとなろう。
おそらく、自民党やみんなの党他野党は早々に参議院選挙の戦略練り直しを余儀なくされる。
もし7月11日であれば、わずか30日後には、参議院選挙となり、野党陣営は不意を襲われたかたちになる。したがって身を捨てた、二名の民主党中枢は、マイナスにはならなかったと評価できよう。
身を捨てることは再び浮かぶことにつながる。
また新代表選出に代表選を行ったこともプラスに働く。
USTREAMの視聴者はピークで3万人を超え、注目の高さが感じられた。成功だ。
今後、首班指名選挙を経て、新首相が誕生することになる。
その後の所信表明演説で、菅新首相の施政方針を聞くことになり、詳細な論評はその後とする。
小沢氏は、当面、検察審査会と秘書の裁判があり、そこの帰趨を待つことになる。
法律は、動かないから、争われるのは事実であり、現時点で小紙は『期ずれすらない』という指摘をしている。その場合、別途、訴因変更申請手続中の大久保秘書事件(西松事件)も、仮に訴因に本件『期ずれ』を追加しても、セットで結論が出ることになる。
即ち、訴因変更(現在の争点は、献金した政治団体がダミーか否か)しても、しなくても検察は滝つぼに落ちる可能性が高い。
追い落しは成功したが、後味はさぞかし悪かろう。正義の片鱗もないからだ。
郵便不正の村木事件は、起訴事実すら認定してもらえるか分からない状況であり、大阪地検は控訴するにせよ重篤な市民社会に対する信用を低下させた責任があろう。
さて、もうひとつの焦点である『辺野古移設』であるが、菅氏は、副総理として日米合意に署名しており、本件をどう政治的に解決するかという大きな問題を抱えて総理になる。
小紙は、ここで米国防総省の大きな戦略が転換されつつあることに言及しておきたい。
以前に述べたが、所謂、パックスアメリカーナという覇権は徐々に途上国の台頭により低下しつつある。
米中間の争議は、先に述べたように、中国が香港で米国債を売却したことで、チキンレースは終わっている。
6月号フォーリン・アフェアーズ・リポートでは、ゲーツ長官の新しい軍事戦略の指針が述べられている。
そこには台頭する中国軍について、米国は同盟国の強化を云い、米国が徐々に中国を押さえ切れなくなって来ていることを示している。
米国の覇権認識は、既に、東シナ海から、東半球の西太平洋の覇権に移っており、鳩山首相には申し訳ないが、既に沖縄を含む第一次列島線を超えて覇権争いが展開されていると認識すべきだ。
即ち、日本は沖ノ鳥島が重要な拠点と主権上認識しなければならない。
米国は、EUを含むNATOとの連携回復にも取り組んでいるが、ドイツはロシアとの関係を重視しており、ユーラシア大陸における米国覇権は押されている。
再び、そこにかつてのリムランドライン論が復活して来ているが、中国は、上手に王道外交を展開し、既に国連でも米国を凌ぐ議席数を確保している。
日本の官僚組織と旧メディアは、依然としてワシントンを向いているが、隣国の韓国でさえ、その経済基盤を中国に置くようになっているほか、台湾も最早独立を言い出す勢力が減少している。
つまり、東アジアにおける中国の政治力は日増しに強まっている。
したがって率直に云えば、安全保障の線路はひとつしかなく、日本強化であり、自立的立場であり、米国の西太平洋の主力はグアムと云うことになる。
米国には、大変恐縮だが、小紙の軍備管理評価では、在沖縄米軍はこと対中国軍において、明確な戦略優位、即ち抑止力を維持出来ていない。
対ロシアとの国境画定も終え、中国は1600年代レベルの海洋進出を着々と準備している。
太平洋に出るルート以外にもミャンマー経由でインド洋に出る補給ルートも開拓している。
是に対し、米国は、リムランドラインの復活を試みるが、上手く行くかは不明である。
理由は、二次大戦終了時には世界の金の過半を占有し、同時に工業生産の世界の過半を占有していた頃の米国の希望あふれる国勢と比べ、今日的米国の姿は、既に見る影も無い。
米国経済は金融経済が破綻し、今後毎年にように大きな財政赤字を抱えるだろうし、頼みの工業生産も世界の20%強まで減じている。
要は縮小の一途にある。
一方、中国は着々と世界に交易を広げ、元の切り上げも介入を拒否し、安定した成長を続けている。
米国経済は、今後、台頭する途上国経済によって相対的に低下して行く一途と予測している。
対し、中国は、おそらく途上国の右代表として、世界に影響力を広げて行くだろう。
日本も、貿易の半分はアジア向けとなり、更にその半分が中国向けになっている。
以前は殊更に喧伝された米市場に進出する企業は少ない。トヨタ問題が響いてもいる。
またフォーリン・アフェアーズは、米国が今後2〜3年後に財政緊縮路線を取らざるを得ないことを示唆している。
米国は、中国の台頭に、かつてのソ連とは異なった戦略上の戸惑いを感じている。
その戸惑いこそが、5月28日に鳩山由紀夫首相を追い込んだ本質である。
2012年、在韓米軍は大きく撤退し、韓国軍が主力で防衛し、米軍は後方支援と抑止力を提供する立場になる。
本来なら、グアム移駐こそが米軍のベストの軍事戦略なのだが、米国は先の金融危機で財政が破綻しそうになっている。
今後も経済復興のヴィジョンがあるわけでもなく、そこに余裕の中国台頭が目先に顕在化し、米国にとっては唯一の西半球のGS兼財布である日本の現状を維持したくなったと言うのが本質だ。
つまり米国は、グアム移駐計画について、国家の自信を失っているから、鳩山由紀夫首相を蹴り倒したのである。
しかし、大変に恐縮だが、今後もアジアの台頭は続き、米国の二次大戦後の一極覇権は更に低下して行くだろう。
つまり経済市場のプレゼンスと云う意味での北米の魅力は今後も低下する。
中でも、ロシアは云うに及ばず、中国もインドも核保有国だから、今後経済が発展して行けば米国の軍事プレゼンスも合わせて低下する。
オバマは、先の訪中でG2構想を持ちかけたが断られた。
中国は、覇権を追求せず、世界と多国間外交をすると宣言したのだ。
なら日本も、日中韓の連携を強め、両国が普通の国になればいいだけである。
米国は、グアムに下がれば良い。
よく、物事を、日中なのか、日米なのかと矮小化して論じる向きがあるが、日中も、日米も、日露も外交的には重要である。
日本が500基のミサイルを配備するシナリオに賛同する国は無いのだから、堂々とモノを申せば良いのではないかと小紙は考える。
まぁ民主党も次期総理となり、どのような外交安全保障政策となるかは不明であるが、ここは、小沢一郎同様に暫く『静かに独自のスタンスという立場』で参る。
ひとつだけ云えることは、ツートップの辞任は政治的には正しい判断だったと評価している。
皆さんのご意見もお待ちする。
オリーブ 拝 ( 2010/06/04 18:55 )
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