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鳩山首相が、佐藤優氏の言う「官僚クーデター」に屈服する形で始まった普天間問題をめぐる「日米共同声明」、その文書への福島瑞穂社民党党首の「署名拒否」、そして「罷免」、社民党の「連立離脱」という一連の事件を契機に、小沢幹事長が、「鳩山首相退陣論」で動き始めたようだが、この鳩山首相退陣論は、そもそも「鳩山首相は、何故、官僚に全面屈服したのか?」という問題と切り離せない。昨年八月の政権交代、民主党政権確立後の政権運営の中心テーマは、「児童手当て」でも「高速道路無料化」「普天間米軍基地移設」でもなく、実は「官僚と民主党との対立・抗争」、あるいは「官僚と小沢一郎の権力闘争」という問題であったと言っていい。とすれば、自民党案である「辺野古」に固執する外務省や防衛省の官僚たちと、その官僚たちに丸め込まれた岡田外相、北沢防衛相、そして平野官房長官を筆頭とする官邸スタッフ・・・等が、あくまでも「県外か国外」という「腹案」に固執する鳩山首相を、説得・恫喝する形で最終的に「辺野古」案で決着することになった「普天間基地移設問題」は、鳩山内閣の迷走を象徴する事件だった。官僚に屈服する形で政権延命を目指した鳩山首相ではあったが、しかしまさしく官僚に屈服し、福島瑞穂社民党や沖縄県民を切り捨てた時点において、小沢幹事長サイドから見れば、実は鳩山内閣は「終わった」のである。つまり政権交代後の民主党政権の迷走と支持率下落の根本原因は、鳩山や小沢を相手に「政治とカネ」をネタに仕掛けられた一連の「官僚クーデター」、つまり検察やマスコミの暴走と政治謀略であったにもかかわらず、鳩山首相周辺が、意識的にか無意識的にかは分からないが、それを軽視し、見逃し、「指揮権発動」や「法務大臣の更迭」等の対応策を怠ってきたことにある。つまり、ここ数ヶ月、政界を中心に引き起こされた「政治ドラマ」は、すべて「官僚クーデター」によるものだったが、最終的に鳩山首相は、その「官僚クーデター」に屈服し、官僚側に寝返ったということだ。それで政権交代や、政治主導を党是とする民主党政権が成立するはずがない。さて、普天間問題をめぐる「官僚クーデター」の一齣について、かなり早い時期(5月1日)に「琉球新報」が伝えている。
首相側近「県民反対でも強行」 辺野古くい打ち案明言
2010年5月1日 「琉球新報」
【東京】米軍普天間飛行場の返還問題で30日、鳩山由紀夫首相の秘書官の佐野忠克氏が喜納昌吉参院議員(民主)に、辺野古沿岸部へのくい打ち桟橋方式により、1800メートルの滑走路1本の代替施設を建設する案で政府が最終調整していると明かした。同日午前、首相との面会のため官邸を訪ねた喜納氏に、面会前に佐野氏が説明した。
喜納氏が「くい打ち桟橋方式を含む県内移設には多くの県民が反対しているのに強行するのか」とただしたのに対し、佐野氏は「自分の考え方だ」と前置きした上で「(反対しても)強行する。政権を守るためにはやるしかない」と述べた。
一方、首相は喜納氏との面談で、くい打ち桟橋方式や徳之島案などの詳細について尋ねた喜納氏に対し「まだ決まっていない」と従来の姿勢を繰り返した。しかし同時に、くい打ち桟橋方式は実現不可能だと主張した喜納氏に対し首相は「本当に無理なのか」と疑問を示し、同案の実現可能性を探る姿勢を示した。
佐野氏は首相の政務担当秘書官で、普天間飛行場返還問題の実務担当者。4月の鳩山首相の訪米にも同行し、首相帰国後もスタインバーグ米国務副長官ら政府高官と交渉していた。
同日、平野博文官房長官は4日に首相が沖縄を訪問すると正式に発表した。
鳩山首相は同30夕、沖縄訪問について「現時点での政府の考え方を申し上げたい」と述べた。実質上、県内移設案の沖縄県側への打診とみられる。また政府案決定に向けた社民、国民新との調整について「擦り合わせをしながら政府の考え方を一つにまとめたい」と述べた。5月末決着については「米国と、沖縄と他の地域の皆さんに『よしこの方向で行こう』との合意がなされる時が決着だ」と述べた。
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■鳩山首相を北沢防衛相を恫喝した日・・・。
『追い込まれ対米優先・・・日米共同声明の舞台裏』
『閣僚「辺野古」包囲網』
(5月28日、東京新聞)
20日の午後、官邸の首相執務室に防衛相・北沢俊美の怒声が響いた。「総理、なぜ腹を固められないのですか!」外相・
岡田克也、沖縄北方担当相・前原誠司、官房長官・平野博文と
鳩山が政府方針の詰めの協議をしている最中だった。
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業を煮やした北沢が机をたたいて決断を促すと、鳩山は黙って
うなずいた。
これを”号砲”に、22日の岡田と駐日米大使・ルースの会
で大筋合意。28日の共同声明発表へと「とんとん拍子」(政府関係者)で進んだ。
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北沢、岡田は現行案で大筋で認めるしかないとの思いを強めた。(中略) 問題は、3月末になっても「県外で頑張る」と言い張る鳩山だった。
4月23日、関係閣僚がついに動く。平野は前原に「現行案で行くと腹を決めた」と知らせた。岡田はひそかにルースを米大使館に訪ね、現行案を微修正してまとめる考えを伝えた。米国は歓迎し、交渉のテーブルにつく姿勢を示した。
「鳩山を何とかしようと画策しているみたいだな」ーーー。
「包囲網」の動きが民主党幹部に伝わった時には、外堀は埋まっていた。
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http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20100601/1275348212
鳩山首相辞任を受けて日本のマスコミは「政治とカネ」問題と小沢一郎批判に夢中になっているが、そんなことに夢中になるのは、「普天間問題」や「官房機密費」問題から目を逸らしたい日本のマスコミだけで、海外メディアの関心は、あくまでも普天間問題、つまり米軍基地移設問題における鳩山内閣の「約束破り」・・・。当然だろう。これは、言い換えれば、普天間問題を、米国政府の意向に添った「辺野古案」に押し戻したマスコミの責任は重大だということだ。「官房機密費」疑惑に包まれているマスコミ、政治評論家、政治ジャーナリストが、意気揚々として囃し立てる「クリーンな政治」談義は、ブラックジョークとして拝聴するしかない。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-163014-storytopic-3.html
「基地の約束破った」 米紙など海外メディア 鳩山首相退陣
2010年6月3日 琉球新報
【米ワシントン2日=与那嶺路代本紙特派員】
鳩山由紀夫首相の退陣を受け、米紙など海外メディアは「沖縄の米軍基地問題で日本の首相が辞任」と一斉に報じた。各紙とも、首相が米軍普天間飛行場移設問題で「最低でも県外移設」の約束を破ったことが、国民の信頼を失わせたと分析。普天間の名護市辺野古移設を明記した日米共同声明に影響を与えるとの見方も示している。
ウォール・ストリート・ジャーナルやニューヨーク・タイムズは1面で「沖縄問題でたたかれて首相辞任」「沖縄基地の約束を破った」と報道した。
ジャーナル紙は「突然の辞任は、オバマ大統領と発表した海兵隊の沖縄駐留に関する合意に議論を巻き起こすだろう」と、今後の基地問題への影響を指摘。
ワシントン・ポスト紙は共同声明について「海兵隊を沖縄に残すことで米側を喜ばせた。だが沖縄県民をはじめ多くの国民に、首相の無能さを印象づけた」と、米側を優先した合意が国民の不支持を急激に押し上げたと解説した。
ワシントン・タイムズやUSAトゥデイは「首相が普天間問題で、2006年の日米合意に沿うと翻意したことが、支持率を下げた」とのAP配信を掲載した。
ロイター通信も「歴史的な政権交代を果たしたが、公約を変えたことで、政権を追われた」とする記事を、世界に発信した。
英高級紙フィナンシャル・タイムズは「国民が政治的能力に疑問を抱いた」、同ガーディアンは「沖縄の基地移設で失敗した」と報じた。
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Permalink | コメント(2) | トラックバック(0) | 11:03
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匿名 2010/06/03 14:47
山崎先生が言う通り、『「官房機密費」疑惑に包まれているマスコミ、政治評論家、政治ジャーナリストが、意気揚々として囃し立てる「クリーンな政治」談義は、ブラックジョーク』です。
それでもブラックジョークとして眺めることでいろいろ発見があります。官僚や官僚と一体化したメディアの弱点が透けて見える。
境界性パーソナリティ障害という心の病があります。我が子もこの病と闘っていますが、どうもこの病は戸別家庭に限定された問題ではないようです。かつて大谷壮一が『一億総白痴化』と言ってテレビ洗脳による自由思考の疎外を揶揄しましたが、今は「一億総パーソナリティ障害」になっているように見えて来ます。
国民はさまざまな問題を抱えて生きています。一人ひとり違う問題です。しかし、それぞれ区別される問題でも根底では分離されずに繋がっています。
個別な問題から類比させて見ると、驚くほど重なって見えてくる。ブラックジョークに見える「メディア」さんを病んだパーソナリティ障害と捉えると情報の受け止め方、対応の仕方などが見えてくる。不思議なものです。メディアリテラシーに心理療法は敷衍出来ます。
官僚マスコミの問題は病いですから、国民はマスコミに対して認知療法や行動療法などを応用して治療出来ます。薬物療法で言えば「テレビは見ない。良いテキストを読む」ことでしょう。
自分の身近な問題は深刻ですから当事者意識が持てます。自分の問題と社会の問題を類比させることで官僚マスコミの弱点が見えてきます。
玉川陽平 2010/06/03 18:28
>鳩山由紀夫首相の退陣を受け、米紙など海外メディアは「沖縄の米軍基地問題で日本の首相が辞任」と一斉に報じた。
とういうことは、山崎さんのおっしゃる沖縄独立戦争論が完全に有利ということですね。早々に代表選に立候補した菅直人氏に岡田克也氏、前原誠司氏が支持を表明していますが、菅直人氏が代表、首相になって辺野古移設をすすめようとすると沖縄の反対でつぶされ、再度、鳩山前首相が辞任したと同様、辺野古移設は難しいので辞任しますと表明することができる。次期首相は鳩山首相ほどには辞任の際に悩まないので政治と金の問題などと変なことは言わないでしょう。
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