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2010/6/3 10:00
http://netallica.yahoo.co.jp/news/125257
小沢幹事長の事件でクローズアップされた検察審査会。その事務局に、民主党副幹事長の辻恵議員が問い合わせをしたことが問題にされている。「圧力じゃないか」「政治介入だ」と騒ぐ報道もあるが、検察審査会を悪用しているのは逆にマスコミ側じゃないのか。
● 「圧力」のごとく騒ぐ大マスコミの魂胆
辻議員が検察審査会の事務局に問い合わせたのは、審査補助員の弁護士を選ぶ方法や、審査員の半数が3カ月ごとに入れ替わる際の手続き、標準的な審査期間だという。
1回目の議決で、小沢幹事長を「起訴相当」にした審査会に民主党議員が接触――となると、いろいろ勘繰りたくなるのは分かる。だが、審査会側は「応じかねる」と問い合わせを断っている。ならば、それで終わり。問題にする話でもない。ジャーナリストの魚住昭氏が言う。
「審査会のシステムなどは調べれば分かることです。なぜ辻議員がわざわざ聞いたのか不思議ですが、だからといって騒ぐ問題ではありません。一般的に、政治家がお役所に問い合わせをすると、それは政治圧力になる場合がある。お役所が上意下達の人間関係だからです。でも、審査会は全然違う。審査員は抽選で選ばれる一般人であって、事務局から独立している。政治家が事務局に何か言ったとしても、審査員には届かないのです。それなのに、審査に影響を与えるかのように報じるマスコミは変ですよ」
そもそも、検察審査会がまともな“独立機関”ならば、だれが接触を試みようと関係ない。それをマスコミが騒いで民主党を牽制するのは“まともな機関”でないことを知っているからだ。独立機関どころか、小沢バッシング報道に左右される法律シロウトの集まりであることは、1回目の議決でいやというほど分かった。
小沢事件に関する検察審査会の中身について、日経新聞(5月22日)はギョッとすることを書いていた。
〈1回目の審査で説明に訪れた特捜部の主任検事は『すでに結論が決まっていたようで、聞く耳を持たなかった』と漏らしたという〉
また、日経によれば、一般市民の審査員11人に法律のアドバイスをする補助弁護士は、暴力団組長が銃刀法違反(共同所持)罪の共犯に問われた裁判例などを紹介し、議決に影響を与えたという。暴力団組長と小沢幹事長を一緒にしたり、銃刀法違反と政治資金規正法をごちゃまぜにするなんて、どういう神経の弁護士か。これが神聖にして侵すべからざる組織といえるのか。
本来、ジャーナリズムが問題にするなら、こっちだろう。ところが大マスコミは、小沢事件の審査会が“欠陥”だからこそ、守ろうと必死だ。大嫌いな小沢幹事長を葬るには、もう一度、「起訴相当」の議決を出してもらわないと困るのである。
それで民主党議員の接触を、「圧力」と騒いで排除して、審査会をさらに味方につけたいのだ。
こんな、大マスコミの“代理司法機関”のようなものに存在意味があるのか疑問だ。一から洗い直した方がいい。
(日刊ゲンダイ2010年5月31日掲載)
2010/6/3 10:00 更新
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