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2010/06/01(火) 22:00:32
日刊ゲンダイ 2010/06/01 掲載
鳩山は辞めない、だから小沢動かず政変は不発
もし追い詰められれば退陣より解散総選挙を選ぶだろう
鳩山首相は退陣するのか。その決断を下すのは小沢幹事長なのか。
永田町が騒々しくなってきた。普天間問題がひとまず終わり、報じることがなくなったテレビ・大新聞は、社民党の連立離脱や支持率続落を口実に「鳩山退陣」の大合唱だ。民主党の参院選候補から「このままじゃ選挙にならない」と悲鳴が上がっててるのが最大の材料にされている。31日、予定外の鳩山―小沢会談が開かれたこともあって、「今週がヤマ場」という声もある。
ただ、ひとつハッキリしているのは、現時点で、鳩山首相本人に退陣の気持ちはサラサラないことだ。「柳に風」というか、大逆境も苦にしない。普天間問題がいい例だ。いくら怒られようが、赤っ恥をかこうが、沖縄県に乗り込んでペコペコ頭を下げる。それを2回もやった。普通の総理なら、格好悪くて、あの時点で放り投げてしまうが、鳩山首相に凡人の感覚は通用しないのだ。
「民主党の研究」などの著作が多い評論家の塩田潮氏が言う。
「鳩山首相は、世間でいわれるほど普天間の移転問題を失敗と思っていないでしょう。あの人は理系のせいか、そのとき、そのときの条件の中で最適の答えを出せばいいという考え方。政権交代前とは、普天間を取り巻く条件が変わったから、答えが変わってもおかしくないと思っている。社民党の離脱も同じです。社民党の要求を聞いて、自民党時代の日米合意を壊して取り組んだ。それでも離脱というなら、そちらの責任でしょうと考えている。だから今、自分が瀬戸際に追い詰められている危機感はないでしょう」
こんな感覚の人だから、参院選前に追い詰められて詰腹(つめばら)を切らされる事態になったら、とんでもない行動に出ておかしくない。「自民党のように総理がコロコロ変わるのはおかしい。国民に信を問う」と解散・総選挙に打って出る可能性が指摘されているのだ。悪あがきでなく、それが王道だと平気で考えるのが鳩山首相なのである。
退陣は、政権が崩れると判断したときだけ
では、参院選前の退陣は100%ないのかというと、そうではない。これも条件次第なのだ。
塩田潮氏がこう続ける。
「鳩山首相は、歴史的な政権交代の初代の首相。自分の歴史的役割は分かっている。8カ月で終わった細川政権の二の舞は避ける。政権をグチャグチャにして、もう一度自民党政権に戻るようなことは絶対にしてはならないと心に決めている。ここが判断基準です。つまり、今度の参院選がそれにあたるのかどうか。民主党政権の分解につながるかどうかです。自分のせいで民主党の壊滅的惨敗となり、政権まで壊れそうだとなれば、政権を守るために鳩山首相は身を引くでしょう。逆に、そこまで負けることはないと分かれば、続投です」
きのう国会内で鳩山首相と会った小沢幹事長は、改選組の輿石参院議員会長とともに、厳しい選挙情勢も伝えたという。果たして、鳩山首相はどう受け止めたか。
参院選で少々負けても政権はガタつかない
となると、参院選で民主党はどのくらい負けるのか、そこが焦点になってくる。ある新聞は民主党の独自調査をもとに、「最高で40議席台後半、最悪29議席の惨敗も」と報じた。改選議席が54、3年前の獲得議席が60だから、29議席といったら、総理と幹事長の辞任だけでは済まず、参院民主党は一大事だ。
しかし、そこまでの惨敗はあるのか。
政界に詳しい作家の大下英治氏が言う。
「民主党は参院選で勝てないが、自民党よりも負けることはない。いくら民主党がダメでも、自民党の支持率は上がらない。おまけに頼みの支持団体もどんどん離れ、民主党以上にプラス材料がないからです。自民党よりも負けなければ、民主党の非改選組が62もあるのだから、参院の第1党は守れる。まして衆院では310議席の絶対的多数を持っているから、党内がカダガタすることはありません。参院選後は小沢幹事長の出番で、過半数に足りない議席は、自民党を切り崩したり、みんなの党と組んで、補充しますよ。同じお坊ちゃん首相でも麻生太郎さんと鳩山由紀夫さんの違いは、鳩山には小沢幹事長の存在があること。この2人が対立しない限り、民主党政権は最低3年は安泰ですよ」
8割方は小鳩体制で参院選突入
そう、小沢幹事長が参院選後も見通して、ドッシリ構えている限り、民主党政権の分解も鳩山首相の退陣もないのだ。参院選で多少負けたところで、余力は十分すぎるほどある。どこからか補充すれば済むことと気楽な気持ちでいれば、何も怖いものはない。マスコミが煽る「政変」も屁のかっぱなのだ。
政治評論家の浅川博忠氏もこう言う。
「とりあえず国会会期末の6月16日まで様子を見て、そこで小沢幹事長が“乗り切れる”と判断すれば、このまま小鳩体制で参院選突入です。6月24日にはカナダ・サミットもある。それまでに、よほどの悪材料が出ない限り、8割方は鳩山首相が辞める事態にはなりませんよ」
一連の鳩山―小沢会談にしても、落選しそうな輿石参院議員会長や候補者の不満を和らげるためのセレモニーという声もある。
結局、鳩山首相に辞任の意思がなく、小沢幹事長も鳩山切りに動かないのだから、「政変」は不発ということだ。
いくら大マスコミや自民党が民主党内を撹乱しようとしても、ムダなのである。
(日刊ゲンダイ 2010/06/01 掲載)
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★鳩山首相は覚悟を決めているのではないか
(⇒2010/06/01 永田町異聞)
<一部転載>
自らが結党した民主党の行く末に人一倍、責任を感じているのは、鳩山首相に違いない。
むろん、できることなら続投したいだろうし、自民党政権末期のように総理の首のすげ替えは好むところではないだろう。
それでも、このままでは党内の権力闘争に火がつきかねない。さまざまな利害得失の感情が渦巻く党内を落ち着かせ、世論の逆風を少しでも和らげるには身を捨てるほかない。鳩山はすでにそういう思いに至っているだろう。
ただし、かりに鳩山首相が退陣することになるとしたら、問題はそのあとだ。メディアはもう一人のターゲット、小沢一郎を血祭りにあげるべく、手ぐすねを引いている。(⇒記事全文)http://ameblo.jp/aratakyo/day-20100601.html
<ここまで>
テレビを見ていると鳩山さんがいまにも辞めそうな報道ぶりでした。よって、この記事の掲載は迷いましたが、やはり、辞めそうにないですね。小沢さんは、鳩山さんに「辞めろ」なんていう人ではないです。焦っているのは、400人以上の民主党議員のうち参院選改選組の54名。政局になって欲しいだけのメディアにはウンザリです。
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