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戦後初めての民主的な政権交代から八ヶ月。鳩山政権の支持率は下がるところまで、下がり、参議院選挙を間近に控えて、政治的には、退陣を避けられない状況にまで追い込まれた。私は、衆議院選挙前からずっと訴えてきたとおり、この国の政治システムというのが、「三権分立」も「民主主義」も「独立国」であることも、すべて虚構といえるものであり、それゆえに、腐りきった既得権益を破壊して、新しい時代を創っていくためには、何が何でも政権交代が必要であると。
とくに自公政権の末期には、検察を使って、国策逮捕を乱発したり、露骨なマスコミコントロールをするという状況から、野党第一党の党首である民主党の小沢代表にまで、衆議院選挙を前に、国策逮捕の危機が及ぶにあたって、これはわが国の民主主義の、深刻な危機であるから、とにかく自公政権を権力の座から、ひきずり降ろさなければいけないと考えた。
そして、圧倒的な議席数をもって、鳩山政権が樹立されたにも関わらず、わずか八ヶ月ほどで、ここまで追い込まれてしまうとは。もちろん、鳩山政権がここまで支持率を失う過程の中には、検察の相変わらずの不可解な動きや、マスコミの露骨なまでの世論操作があったことは間違いない。だが、これまで、戦後、自民党の長期政治の中で、既得権益として、暴利をむさぼってきたこの国を巣食う、マスコミや、キャリア官僚、アメリカの傀儡政治家、傀儡官僚、それから、検察や、裁判所などの司法権力、守旧派の財界もそうだ。
彼らだって、これまで自分たちが得てきた利権が奪われるわけだから、それが正しかろうが、正しくなかろうが、既得権維持のための「権力闘争」をあの手この手で、鳩山政権に対して、仕掛けてくるというのは、当然予想されたことである。そして、鳩山政権は昨年夏の衆議院選挙には勝利したが、その後の、この国の既得権勢力との「権力闘争」には敗れ去ったのだ。いかにマスコミが腐ってるだの、アメリカ傀儡の売国奴がいるだの、検察がおかしいだの言ったところで、世界を見渡しても、歴史を振り返っても、権力闘争とはこのようなものである。
鳩山政権、いや私たち国の刷新を望む国民もこの国の既得権の恐ろしさを、甘く見ていたのかもしれない。戦後60年以上の長きにわたって、この国を裏から支配してきた既得権勢力である。つまりは、ソ連崩壊後のロシアや、革命後の東欧諸国。もっというと、毛沢東が死んだ後の、中国のように。単に、選挙で与党が代わったからといって、この国を支配する既得権勢力が代わったわけではなく、よほどの覚悟をもって、彼らにとどめを刺すことを考えなければ、やはりこのように、「権力闘争」には敗北をしてしまうということだ。
では、鳩山政権はいったい何に敗北をしたのか。要するに、「変えなければいけない」という強い意思はあったにもかかわらず、何も変えることができなかったということである。それは守旧派の官僚のサボタージュもあったろうし、激しい圧力もあったからであろう。
私たち国民が目にするのは、露骨なまでの、マスコミの世論操作報道の激しさであるが、おそらくあのような調子、いやそれ以上に、実際は、官僚の抵抗や、アメリカの圧力、検察の圧力なども、裏側では、ものすごいものがあったのではないかと思う。鳩山政権は実際は、何ができたのか。
埋蔵金があるとか言っていたが、それも隠蔽されて有耶無耶になった。消費税増税の前に、官僚システムの無駄なコストを削減する、というこを言っていたが、それもできないまま、消費税増税論に突き進む。消えた年金の問題も、結局、迷宮入りしたままではないか。
司法の健全化も何もできていない。取調べの可視化も実現できておらず、もっと最悪なのは、過去の国策捜査や、冤罪被害者の救済もできていない。かんぽの宿問題の真相は、解明する姿勢すらみせていない。普天間の基地移設問題も、もともとは民主党の主要議員は、一致して、グアム移設を主張していたではないか。
マスコミが、ナベツネに象徴されているように情報マフィア化している現状に、日本版FCCの創設や、クロスオーナーシップの廃止を、原口総務大臣は当初掲げていたが、これも結局、握りつぶされることになった。そして「対等な日米関係」ということを言っていたが、結局は、やはり「従属的な日米関係」に逆戻ってしまった。
このようにして振り返ってみれば、鳩山政権の支持は急落してしまって当然だと思う。少ない鳩山政権の業績の中で、できたこととしては、まずは、郵政民営化を止めて、郵貯マネーの海外流出を防いだこと、中国、ロシア、韓国など近隣諸国との外交関係を改善できたことと、少子化対策としての子ども手当ての実施、それから後期高齢者問題、母子加算の問題をもとに戻せたことと、アメリカとの核密約の一部を、岡田外相が発表できたくらいか。
あとは、1-3月はGDPが年率換算で4.9%成長をしたが、景気については、自律回復もあってか、一時の不況からは抜け出している。ただ、これらは自民党政権にあっても、森、コイズミ〜麻生といったひどい首相たちは論外としても、橋本、小渕までの政権であれば、やろうと思えば十分にやれたこと。つまり、国民が期待した、政権交代の成果からはずいぶん遠いものとなった。
確かにこれだけできていなければ、国民からの支持も自然と下がる。普天間の問題だけならともかく、同じタイミングで、原口総務大臣まで屈して、放送法を改悪する方向に舵をきったときいて、もはや、かばいようがないなと思った。
私は、この国の政治の不安定は、一年おきに首相がコロコロ代わることであり、それはマスコミが支持率を下げるように、政治をおもちゃにして、世論操作で遊んでいることも原因ではあるし、政治家たちが、自分の選挙のことばかり考えて、たかだか支持率に一喜一憂しすぎることもある。
また日本国民の幼稚化がどんどん進んでいて、支持率の変動を見ていてもわかるが、政治がどういうものかも理解せずに、芸能人のファン投票のように、どの首相がふさわしいかと聞かれても、なんとなく思いついた人物をあげれば、また支持、不支持でさえも、適当な思いつきで判断していることもあるだろう。
しかし、結局それは、政治の弱体化が進み、官僚への権力集中が進み、アメリカの属国統治が進むという構造にある。よって、今のように、アメリカ傀儡の売国派の官僚が、わが国の権力中枢にいると、現在のような最悪な状態になる。かつての清朝末期ではないが、宦官や、売国派の貴族に牛耳られた状態に、今の日本も半ばなっている。
それゆえに、私は、とくに圧倒的な衆議院選挙の勝利で選ばれた鳩山首相は、代わるべきではないと思っていたが、逆にいえば、これ以上、鳩山首相をかばうとしたら、理由はそこだけだ。ただ、次の衆議院選挙まで、残り三年余り。冷戦構造から脱却するために、残された貴重な時間を、このまま鳩山首相に任せるのは、あまりにも希望が持てなくもあり、そういう点では、民主党は、首相を交代するべきだと思う。
だが、実際に、誰ができるのか。やはり、小沢一郎、亀井静香、鈴木宗男といった、最後の最後で、官僚や、アメリカ、マスコミにも取り込まれずに、自分の信念を貫き通すのは、クセはあるだろうが、実力派の政治家であると思う。
もし民主党が、次の首相に、参議院選挙での勝利のことだけを考えて、国民うけをするような首相、たとえば、原口、前原、岡田あたりをもってくるならば、結局は、鳩山首相と同じ末路をたどることになってしまうだろうと思う。
菅直人であれば、まだ、修羅場をくぐっている分だけ期待はできるが、しかし、鳩山首相でさえ、このような落城をしたことで、本当に大丈夫だろうか、という不安が残る。やはり、どう考えても、今の国難を救うことができる政治家は、小沢一郎をおいて、ほかにいないと思う。
賛否両論が分かれる政治家ではあるが、いわゆる「乱世の奸雄」である。中国でいうところのケ小平、ロシアのプーチン、フランスのド・ゴール、イギリスのチャーチル、こうしたドスの利いた、本当の政治家が今、求められている。アメリカと、対等に渡り合える政治家が求められているのである。今は平時ではなく、緊急事態である。
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