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「韓国海軍哨戒艦沈没」の原因は「北朝鮮の魚雷攻撃」との合同調査団の調査結果が5月20日に発表されましたが、鳩山首相はすぐに支持を表明し大手メディアも「北朝鮮バッシング」を一斉に開始ました。
中朝国境地帯に住む北朝鮮住民の間では「6月4、5日頃に戦争が起きるのでは」といった根拠不明のうわさが数日前から流れている、との報道もあります。世の中に「きな臭い」戦争の匂いが拡大してきています。
合同調査団の調査内容を冷静に検討すればいくもの疑問や疑惑が出てきて「でっち上げの胡散臭さ」を強く感じます。
鳩山首相は合同調査団の調査結果を冷静に検討することもなくいち早く支持を表明して北朝鮮制裁を決定しました。
この「北朝鮮犯行説」は東京地検特捜部が小沢幹事長の「抹殺」を狙って一年に二度も仕掛けた「でっち上げ国策捜査」とそっくりです。でっち上げた主体とスケールの大きさは違いますが本質は同じだと思います。
私は北朝鮮を擁護する立場にはいませんが、あくまでも物事の「真実」がどこにあるのかという視点からこのような情報発信をしていますので誤解のないようにお願いします。
■ 「韓国海軍哨戒艦沈没」は「爆発ではなく座礁と衝突の二重事故」
3月26日夜、韓国が黄海上の軍事境界線と位置付ける北方限界線(NLL)付近のペンニョン島の南西2.5km地点で韓国海軍哨戒艦「天安(チョンアン)1200t」が原因不明の爆発で沈没した事故で、韓国軍と民間調査団は5月20日「北朝鮮による魚雷攻撃」と発表しました。
調査結果では、北朝鮮の小型潜水艦二隻が魚雷発射に加わっておりそのうちの一隻が北方限界線(NLL)を超えて進入し水深50メートルの海底に身を潜め、闇夜に乗じて哨戒艦に3メートルの至近距離から魚雷を発射・爆発させその衝撃波で哨戒艦の船体を真っ二つにした、とのことです。(週刊金曜日5・28日号)
この調査結果に関してはいくもの疑惑があります。
一つ目の疑惑は、北朝鮮潜水艦がどのようにして韓国軍と米軍によって厳しく監視されていた軍事境界線北方限界線(NLL)を突破して攻撃できたのか?です。
「天安」が沈没した当日は3月18日から開始された米韓合同軍事演習「フォールイーグル」がペンニョン島より南の海域で行われており、軍事境界線北方限界線(NLL)は米韓の艦船によってことのほか厳しく監視されていました。
また韓国当局は否定していますが「天安」も米韓合同軍事演習に参加していた可能性が高く対潜水艦探知能力を最高度に上げていた事は確かです。
日本の防衛省関係者は「海上や上空からの監視に加え水中ではソナーを使って潜水艦の探知も行っており簡単には攻撃など出来無いはず」と「北朝鮮による魚雷攻撃」に疑問を投げかけています。(週刊金曜日5・28日号)
北朝鮮潜水艦が軍事境界線北方限界線(NLL)を突破して「天安」を攻撃することは事実上不可能だったと思われます。
二つ目の疑惑は、3月15日に黄海で発見されとされる北朝鮮の「魚雷の残骸証拠品」(下記写真)に関数する疑惑です。
1200tの戦艦を真っ二つに折って沈没させたほど爆発力のある魚雷のスクリュウと回転軸の部分が爆発後ほぼ原形を保って残るいるのは不自然なことです。爆発と同時に粉々になって四散し回収不能になったはずです。展示された北朝鮮製魚雷の残骸は以前に捕獲した北朝鮮潜水艦の魚雷を加工処理して証拠品として捏造したのでしょう。
三つ目の疑惑は、魚雷の推進部内部で見つかった「1番」というハングル表記文字への疑惑です。
「韓国海軍哨戒艦沈没」は「座礁と衝突の二重事故」と発表したシン・サン・チュル(Shin Sang-Chul)さんは5月26日に「天安艦調査の結果は信用できるのか」との題で講演を行い、通し番号を拡大して見ると「文字の部分が滑らかでなくでこぼこしている」ことを理由にすでに錆びていた状態の表面に「韓国側が書いたようだ」と発言して注目を浴びました。
この話題を取り上げたネット記事に4500件以上のコメントが書き込まれ賛否両論の論争になっています。
北朝鮮国防委員会政策局朴林寿局長は記者会見で【「1番」という文字について北朝鮮では「1号」という表現を使用しており製造番号はマジックで書かず機械で書く】と「ねつ造」であると反論しています。青いマジックで手書きされたハングル表記の「一番」を見ると確かに「胡散臭い」感じがします。
四つ目は、事故の第一報が「爆発」ではなく「座礁」だった事です。
2010年3月29日に韓国MBCニュースが流したニュースは次の通りです。
@ 本部への772からの第一報は「座礁!」
A 韓国海岸警備隊への本部からの第一報は「座礁!」
B 政府への第一報は「座礁!
C B.I.Lee 沿岸警備隊の局長の証言:「座礁」という第一報を受け取り501巡視艇に現場へ急行するよう命じた
全ての第一報が「爆発」ではなくどれも「座礁」となっています。「座礁」が真実なのでしょう。
▼「北朝鮮による魚雷攻撃」の結論がなぜ事故後2カ月近くたってから発表されたのか?
そもそも沈没した韓国海軍哨戒艦「天安」は小さな哨戒艇ではなく1200tの排水量、104名の乗り組員を収容するれっきとした対潜水艦用のストロイヤー=駆逐艦であり、レーダーやソナーを使って敵の潜水艦や魚雷、航空機、ミサイルなどを感知し攻撃するため戦艦だったのです。
敵の潜水艦が3メートルの至近距離に近づき自艦に向かって魚雷を発射したことが本当ならば「天安」が探知できなかったというのは到底考えられません。
「天安」が敵潜水艦と魚雷発射を探知した時点で韓国海軍司令部と在韓米軍指令部は直ちに戦闘体制に切り替えたはずです。
翌3月27日には「北朝鮮による魚雷攻撃」で韓国海軍哨戒艦「天安」沈没したと韓国と米国は発表したはずです。
しかし、韓国政府は衛生写真とレーダーを分析し沈没当時に北朝鮮軍が周辺にいなかったことや明確な攻撃の兆候がみられなかったことから、北朝鮮の魚雷などによる攻撃の可能性は低いとの見方を示したのです。
米国防総省も3月27日に「現時点で北朝鮮が関与した形跡は見られない」と発表したのです。
韓国海軍哨戒艦「天安」の沈没は合同調査委員会が出した「北朝鮮による魚雷攻撃」が原因ではない可能性が大きかったのです。
おそらく予期せぬ原因で沈没した「天安」に慌てふためいた米韓当局は、@自分たちへの責任追及を回避するため A統一地方選挙で苦戦が予想される李大統領の希望 B「第二次朝鮮戦争」を熱望する米軍産複合体をバックにするオバマ大統領の思惑、これら三つのが一致して「北朝鮮関与」をでっちあげたのだと思われます。
韓国世論と国際世論をだますための証拠集めに2カ月間が必要だったということです。
▼ 予期せぬ原因とは何か? 爆発ではなく座礁と衝突の二重事故
「韓国海軍哨戒艦沈没」は「爆発ではなく座礁と衝突の二重事故」と発表したシン・サン・チュル(Shin Sang-Chul)さんは、船建造、船体構造、船用機械と装備、塗料と航行システムなどの専門家で、沈没した「天安」調査のため韓国国会によって推薦された民間調査員でしたが、韓国軍当局の結論に合意しなかったため名誉毀損で訴えられている方です。
シン・サン・チュルさんが考える沈没原因は以下の通りです。
(1) 最も重要なことは事故は1度ではなく連続して2度あったこと
(2) 最初の事故は各種証拠から「座礁」である
(3) 「砂の上への座礁」はいくらか損傷させ浸水したがそれ自体は船を2つに裂くほどの重大な状況にはならなかった
(4) 2つめの事故が起きて沈んだ
(5) 私は「爆発」があった痕跡を少しも見つけることができなかった
(6) 2度目の事故は私の分析によれば「衝突」だった
シン・サン・チュル氏の「爆発ではなく座礁と衝突の二重事故」の詳しい説明は5月26日に米国クリントン国務長官宛てに書いた手紙「爆発はなかった。魚雷もなかった」に詳しく書かれていますので下記のURLでお読みください。
http://www.anatakara.com/petition/no-explosion-no-torpedo.html
▼ 北朝鮮との「軍事的緊張」を煽る李韓国大統領と米オバマ・軍産複合体それに追従する鳩山首相
韓国軍と民間の合同調査団が「北朝鮮による魚雷攻撃」の調査結果を発表した5月20日はちょうど韓国統一地方選挙の選挙運動開始日と重なり、李韓国大統領は与党ハンナラ党を勝利させるために「北からの追い風」を利用していると野党民主党から批判されています。
オバマ政権はクリントン国務長官を急遽韓国に派遣し、万一北朝鮮との軍事衝突が勃発すれば韓国を全面支援すること李韓国大統領に約束しました。オバマ大統領の背中を押しているのは、アフガニスタンとイラクへの侵略戦争だけでは満足せず「第二次朝鮮戦争」を夢想する米軍産複合体の黒い野望があるのです。
鳩山首相は合同調査団の「北朝鮮による魚雷攻撃で沈没」との調査結果をいち早く支持して早々に新たな「北朝鮮制裁」を決定しました。
李韓国大統領との首脳会談では「日本は韓国を全力で支持」すると語り日韓軍事同盟の強化までも口にしたのです。
「普天間基地問題」で国民の信頼を完全に失った鳩山首相は、疑惑だらけの合同調査団の結論に何の疑問も抱かずに受け入れてしま「浅はかさ」をまたしても示しました。
米韓にすり寄り「北朝鮮への厳しい態度」を示し「反北朝鮮」世論で失地回復う鳩山首相の手法は既に安部元首相が使って失敗しているのです。
▼ 「北朝鮮犯行説」はでっち上げ
私は「韓国海軍哨戒艦沈没」は「北朝鮮の魚雷攻撃」ではなく「座礁と衝突の二重事故」であり、このことを隠ぺいしたい米韓軍事当局が統一地方選挙で勝利したい李韓国大統領と「第二次朝鮮戦争」を夢想するオバマ大統領のバックにいる米軍産複合体と一緒になって「北朝鮮犯行説」をでっち上げたのだと思います。
今回の「韓国海軍哨戒艦沈没」の「真実」は数十年後に米国公文書館の資料の中で証明されるかもしれませんが、北朝鮮との軍事衝突を煽るような鳩山首相の言動や「北朝鮮バッシング」に誘導される「世論」に今こそ反対していく必要があると思います。
いち早く「韓国海軍哨戒艦沈没」の原因を米潜水艦との相互打ち合いで双方とも沈没した可能性の記事を配信された国際ニュース解説田中宇氏記事をお読みください。
また評論家副島隆彦氏の「韓国の哨戒艦が3月26日に沈没した軍事危機の真実は何だったのか?」の記事もお読みください。副島隆彦氏は米潜水艦が韓国海軍哨戒艦の真下から急浮上して哨戒艦を真っ二つに折って沈没させた事故であり、「アメリカの世界管理能力の減退、アメリカの軍事力の劣化が露見した」と喝破されています。
関連記事1
田中宇氏「韓国軍艦「天安」沈没の深層」
http://tanakanews.com/100507korea.htm
関連記事2
副島隆彦氏「韓国の哨戒艦が3月26日に沈没した軍事危機の真実は何だったのか?」
http://www.asyura2.com/10/warb4/msg/662.html
(終わり)
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