http://archive.mag2.com/0000017208/index.html

検審「小沢氏起訴相当」の危険性
（転載・同前）

司法は、社会正義を実現するためのシステムである。運営には正義感が必要要
件となる。

しかし司法という社会システムが一定の約束事＝秩序で成り立っている以上、
そこに生半可な「正義感」─感情的正義感と言い換えてもいい─が持ち込まれ
ると、システムそのものを破壊しかねない事態が生まれる。現在この国の司法
に発生している現象は、それに近い。

東京地検特捜部が民主党の小沢一郎幹事長に対し、３回目の任意聴取を実施し
た。

資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる政治資金規正法違反（虚偽記載）
をめぐり、小沢氏を不起訴とした検察の処分に対し、

東京第５検察審査会（検審）が起訴相当を議決し、再捜査を検察に迫ったこと
を受けての再聴取である。

裁判員裁判導入と並び、司法制度改革のもう一方の柱である検察審査会法の改
正に伴い、検審の議決には強力な権限が与えられ、起訴相当の議決を二度続け
れば検察の判断がどうであれ、強制的に起訴がなされることになった。

小沢氏の事件も、検察が不起訴を見直す可能性はなく、そうなると検審が再び
起訴相当を議決して強制起訴となる公算が強い。

先の起訴相当の議決を受けてのマスコミ報道は、鬼の首でもとったかのような
大見出しであった。

「選挙の神様　民意は『起訴相当』」「市民感覚　検察判断を覆す」……。

ところが、その議決文をつぶさに読むと、驚かされるのだ。

検審が起訴相当とした被疑事実は、「陸山会は平成１６年１０月に３億４２６
０万円を土地代金として支払ったのに同年分の政治資金収支報告書に記載せず、
実際は支出・購入していない翌年の収支報告書に記載した」という虚偽記載。

要するに土地代金の支出、取得の時期が２カ月ずれ、それが年をまたいで記載
されたことを、「起訴相当」と言っているに過ぎない。

あれだけ検察捜査で問題視された、「小沢氏からの４億円借り入れ不記載」
「４億円の原資」は、一顧だにされていない。

記載期ずれが現職国会議員の起訴の罪状となるか、普通の神経なら明白であろ
うに、検審は問題の核心を理解しているのか、見識を疑う。

さらに目を疑うのが、議決文の激烈な感情的表現。「不合理で不自然で信用で
きない」「執拗な偽装工作」「絶対権力者である被疑者」「市民目線から許し
がたい」……。

小沢氏が「絶対権力者」であることを、検審はいかなる形で確認したのか。
「信用できない」で起訴が可能であれば、検察は必要ない。

マスコミ報道の受け売りで思い込み、感情的な「許せない」を「市民目線」と
振りかざす検審とは何なのか。

議決文の結びを「これ（起訴）こそが善良な市民の感覚である」としているの
は笑止を通り越し、傲慢そのものであろう。

この調子で二度目の起訴相当議決がなされ強制起訴となった場合、その国家的
コストは誰が負担するのか。

弊誌は裁判員裁判導入と検審の権限強化を、一貫して「精密司法から感情司法
への変質」をもたらすものとして危惧してきた。

これまで強制起訴は明石歩道橋事故、ＪＲ西脱線事故の２件なされているが、
もし陸山会事件で小沢氏が強制起訴されたとすれば、質が決定的に異なる。

特捜部の政治事件に、「感情」がもちこまれるという特異性である。

政治事件は、通常の事件・事故のように構図が明確でない。被害者が不明瞭な
のに比べ、事件摘発による政治的受益者は明確である。

その意味で、政治的に利用されやすい舞台なのだ。素人が口を出すべきではな
い。

マスコミ報道が、検審に「起訴すべき」という空気を充満させたことは想像に
難くない。

検審にも問題がある。なぜ起訴できないのか、核心を分かりやすく説明してい
ないことが、こういった事態をもたらしている。

「起訴すべきか微妙な判断だったが不起訴にした」ようなミスリードが、検審
をその気にさせていることを、自覚すべきであろう。

今回の検審の議決への疑念は、もはや「違和感」にとどまるレベルではない。

日本の司法を破壊しかねない「危険性」を放っていると見るべきだ。>>

（私のコメント）
カルトや外国勢力によって日本の司法、マスコミがここまで来てしまっていると
いうことだ。
これを改善させるには党や派閥にとらわれず、現国会議員が勇気を出して動く
しかない。何を待っているのか。間違った法律を正すのが仕事だろう。
　

コメント
01. 2010年5月26日 16:19:30: E7ypjUhkpQ 検察審査会が起訴相当の議決をしたならば、鳩山総理大臣は千葉法務大臣に指揮権の発動を命ぜよ！こんな素人集団の検察審査会に政治が翻弄されては、民主主義の破壊になり魔女狩り裁判になる。こんな組織は直ぐ廃止する法律を作れ！
02. 2010年5月26日 16:55:21: u8T2aRIP9Y 検察なんていう官僚の一組織が物事の善悪を決めるよりも、起訴されて裁判で白黒つける方がナンボかましだと思うのは気のせいか？ 起訴された人はまだ罪人でもなんでもない。公正な裁判の結果の後に決まるという認識に立つようにすればいいだけ。推定無罪の原則を徹底させる方がはるかに重要。
03. 2010年5月26日 17:32:58: DX5Ntj9RFs >>02 裁判所が公正であり、かつ推定無罪の原則に基づいてマスコミが報道するという前提ならば、あなたの考え方は正しいのだと思います。
04. 2010年5月26日 17:48:16: AQqyLULhMc ＪＲ西脱線事故だって、あれで起訴は魔女狩りだろう。 質が決定的に異なるというのには賛同しかねる。
05. 2010年5月26日 19:00:05: qwrd6WCRFY マスコミに対して、起訴されたことをもってする有罪視報道を禁止する法律が必要な気がします。 推定無罪の原則は憲法に沿うものであり、有罪視報道を禁止する法律は違憲ではないと思います。 むしろ、憲法の主旨に沿う法律であり、できる限り早期に立法の必要があります。 特に、内閣官房機密費で汚染されきったマスコミから、被疑者とされた人の人権や政治活動の自由を守るためにはなくてはならない重要な法律です。
06. 2010年5月26日 19:12:40: 1gV67Rly8M >>01 法務大臣が指揮権発動できるのは検事総長に対して。 検察審査会や強制起訴する弁護士に対しては発動できない。 検察審査会自体はむしろ検察の怠慢を監視する本来の機能を発揮できるように、 透明性を高める方向で改善すべき。 頭に血が上って何でも廃止せよなどと乱暴な議論をするのは民主主義的でない。
07. 2010年5月26日 19:33:58: E7ypjUhkpQ ０６さま、勉強になりました。ありがとうございます！ 只、今のままの制度で犠牲者が出てからでは遅いのでは？趣旨が違うのであれば廃止して新たな議論をして新制度にした方が犠牲者が出ないで済むと思うが。
08. 2010年5月26日 20:23:53: iWrBgWB9DA 創価警察に創価検察ってそんなに力を持って来ているのだろうか。 誇大被害妄想のような気もするのだが。国会議員だけではなく反創価、 反カルトの警察、検察、弁護士、判事の法曹界のまともな人間にも頑張 ってもらいたいものだ。感情で裁く魔女狩りにしてはならない。
09. 2010年5月26日 21:57:22: xWnfFV1Bz6 松本サリン事件だったか？ 警察が容疑者として逮捕しただけでマスコミは犯人扱いだった。 サリン被害者が容疑者に−＞マスコミは犯人扱い 警察は証拠もなく見込み捜査、マスコミは警察リークを報道 ところがオウム真理教の犯行だった。 あの時と何も改善されていないマスコミ報道
10. 2010年5月26日 23:08:18: VBQol1Jua6 起訴されたらそれで終わり。自分が、１度身に覚えのない罪で公判にかかられてみれば分かること。「裁判所が公正であり、マスコミが推定無罪の原則で報道した」としても、小沢さんは終わってしまうよ。日本はそういう国です。

11. 2010年5月27日 00:33:57: J0o6rialnc ＞02さん ＞むしろ起訴されて裁判で白黒つける方がナンボかましだと思う そんな事トンでもハップン 強制起訴された時点でマスコミは小沢幹事長をもう犯人のように連日連夜辞職しろ辞職しろとわめきたてる。 たとい裁判で無実になっても、もう既に選挙は終わっていると言うすんぽうさ。 そして誰も責任はとらない。 そんな事はナンセンス。 それこそ検察とマスコミの思う壺。 小沢氏が有罪だなんて、初めから検察だって思ってはいない。 参議院選までにぬれぎぬだろうとかまわないから、小沢氏を幹事長の職から引き摺り下ろすのが目的。 全ては自民党に利する事が目的の行動。 漆間氏の「自民党には類は及ばない」が証明。
12. 2010年5月27日 05:02:14: iWrBgWB9DA B層が多いからこの国ではこんなことができるのだろう。考えないB層、騙されやすいB層、可哀想なB層、後でしまったと悔しがるB層。後の祭りにしないために、今騒いで止めなきゃあ。真実を報道したら、都合が悪いことだらけの社会でいいわけがない。そんな既成社会は一度崩してしまうべきだね。
13. 2010年5月27日 05:55:38: BZlVR3WWw6 何が何だか、本当はよくわからないし、関心もないし、どうでもいいんだけど、とにかく早く終わりたいから、テキトーに風向きに合わせた回答をしておこう。どうも小沢さんがどうのという記事が多いのは、何か怪しいという雰囲気があるからではないか。だったら、小沢さんにマイナスの方向に、○つけておくのが、正解なんじゃないか。ま、みんなが動く方向でやっとけば、とりあえず無難だしイー、と、―――そういう無責任な人が、どうも増えている気がする。 世論調査でも、何となく他人に合わせ、その場の雰囲気を読もうとする人。身に降りかかることを、やり過ごそうとする人。悪い人ではないが、検察審査会にいたりすると、とんでもないコトをしでかしそう。 私はわからない、と、そうはっきり言う勇気。人と違って構わない、という自信。そういうことを教わっていないんじゃないか、考えてもいないのではないか、と疑いたくなってしまう。これ、息が詰まるねー。
14. 2010年5月27日 15:51:58: rxkElGrqgk ＪＲ事故の場合は告発者は匿名じゃないのでしょう？ 明石の事故も、告発人の氏名とかは公開されているのじゃ 今回の小沢一郎さんを検察審査会に申請している人は（団体） 匿名で受理する不思議 法の不備なんでしょうね・・・・ 誰かを訴える場合、氏名を明らかにしない人でも認めるって言うのは 告発人が脅迫される恐れが有るとかが理由なんでしょうけど 告発人を被疑者が脅迫した場合は警察が動けるから まてゃ身辺警護を付けるとか、対処方法は幾らでも有りますよ
15. 2010年5月27日 17:06:43: FfPzHna8ww 検察は、始めから検察審査会を利用して起訴に持ち込むことを考えていたのでしょう。 参議院選挙前にどんな微罪でも構わないから起訴にさえ持ち込めば、後はＴＶ・新聞が大騒ぎして、庶民を扇動し小沢退陣、民主大敗、と言う構図なのだろう。 何年か後に一般庶民が今回の検察の横暴を理解するころには、全て後の祭り。 検察は過去の帝人事件のように、政府の転覆を画策しているのだろう。 それも'審査会＝世論’と言う建前を利用することで、検察自体は手を汚さず、起訴に持ち込み、世間の批判もかわせるという・・・検察にとってこれほど美味しい話は無いでしょう。
16. 2010年5月27日 23:33:38: b92pvRw1Ck １３の方 その生き方は現在では勇者しかできない。

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