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「普天間」で日米両政府が「合意文書」=対米追従に逃げ込む鳩山政権 (小鷲順造/ジャーナリスト会議会員) http://www.asyura2.com/10/senkyo86/msg/889.html
http://jcj-daily.seesaa.net/article/150782056.html#more 20日、鳩山首相は、韓国の哨戒艦の沈没の原因が発表されたことを受け、「いま、朝鮮半島は緊迫しています。アジアの情勢、 あるいは日本の平和のためにも、5月末の決着にむけて最終的な努力をしているところです」(AFP)と語ってみせた。 普天間飛行場の移設問題で日米両政府が「合意文書」を固め、今月末までに決着させる方向で動いている。鳩山氏は翌21日、 クリントン米国務長官と会談した。クリントン長官は、訪中(米中戦略経済対話)の前に急遽来日を決めた。滞在約4時間の強行日程だった。 (JCJふらっしゅ:Y記者のニュースの検証=小鷲順造) 同じ日の夕刻が首相官邸での鳩山首相との会談だった。<普天間移設で厳しさを増す県民感情は話題に上らず、 友好ムードの演出ばかりが際だった>と沖縄タイムスは報じている。毎日新聞は、<首相は長官との会談で、 北朝鮮魚雷事件やイラン核問題を挙げながら、日米の信頼関係強化の重要性を強調し、長官は 「オバマ米政権は日米関係に大変強い関心を持っている」と応じた>ことに22日の社説でふれている。また、毎日新聞は<日米外相会談: 「北朝鮮に圧力」連携 普天間決着へ協力>の記事で、<政府は北朝鮮問題などで日米同盟の重要性を強調し、 抑止力としての米軍の役割をアピールすることで、普天間問題の早期決着に理解を求める狙いがある>と指摘している。移設先は、 首相が当初主張していた沖縄県外ではなく、自公政権当時の当初案に近い形で沖縄県内に収束させようとする動きだ。鳩山氏は 「北東アジアが緊張している現在こそ、日米同盟が重要だ」と月内合意の重要性を繰り返し始めた。 同じ記事で毎日新聞は、鳩山首相の「決着」への意向と日米両政府の思惑について、<地元や連立与党の合意がなければ 「政治的に実現可能」な条件を満たすことは困難。普天間決着は肝心の足元が定まっていない>と指摘する。沖縄県民置き去り・無視の、 なんとも荒っぽく性急な動きだが、首相の大きくぶれる、揺れる姿勢、つまり定見のなさ、浅さをそのまま露呈していないか。 米国のかかえる戦争と戦争体質に、そのまま擦り寄り、からめとられていく首相はじめ政府閣僚の姿には、 唯一の核被爆国の代表としての責任感も矜持も感じ取ることはできない。夏の参院選を目前に、 政権維持に汲々とする浅ましさだけが濃厚に充満し始めている。 日米両政府は実務者協議を開き、日本側は辺野古周辺に移設することなどを柱とする案を提示し、28日に「大きな方向性」 を示す合意文書を発表する方向で調整を続けている。 普天間代替施設の詳細な移設計画については、外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で行い、 詳細計画の策定時期は、国連総会が開かれる9月までをめどとする内容のようだ。 鳩山首相はきょう(23日)の沖縄再訪問で、仲井真知事に、この合意文書の概要を説明するものとみられている。だが共同通信は、 <沖縄側は県内移設に反発。9月までに移設計画を策定しても順調に進む見通しは立っていない>と報じている。 政府の動きに対して、連立与党の社民党、国民新党は21日午後、重野・社民幹事長と自見・ 国民新幹事長が平野官房長官に対して要請書を手渡した。内容は、 米軍普天間飛行場の移設先の合意や連立与党の合意を得ずに政府方針を決定したり、日米合意を締結したりすることは認めないとするものだ。 国民新党のなかには、下地国対委員長の20日の動きもある。同氏はその日訪米して、米上院のダニエル・イノウエ歳出委員長、ジム・ ウェッブ外交委員会東アジア・太平洋小委員長らと会談している。琉球新報によると同氏は両氏に対して、 日本政府が5月末までに米軍普天間飛行場の県内移設に同意する方向だと伝えている。その上で、「米側でもグアム予算をつけ、 しっかり支援してほしい」と求めている。これに対して、イノウエ氏は「首相の公式な決断を待っている」、ウェッブ氏は 「普天間問題の結論が出なければ、グアムやテニアンでの米軍の在り方や環境影響評価などは進められない。明確な日本の考えが必要だ」 とそれぞれ述べたという。 また会談後、下地氏は「報道されている政府案は国民新党の望む内容ではないが、反対せず、 基地負担軽減策とのパッケージが全部出た段階で亀井静香代表と相談し、対応を決める」と記者に対して語っている。下地氏は 「地元より日米間の合意成立を優先すべきと主張」している人だが、平野官房長官に対して要請書を手渡した自見氏は、 「きょうの要請は亀井静香代表の了解を得ている」と強調して、今回の要請を党方針と位置付ける考えを示している。 22日には、上原・沖縄県副知事が、頭越しの日米合意に対して「とんでもない。ある程度予想はしていたが、難しい」(時事通信) と述べて、受け入れは困難との認識を強調、伊波・宜野湾市長は「『最低でも県外』と言った首相の下で、 前政権と同じように辺野古に戻るのは許せない。この14年間、日米合意が実現しなかったように、普天間の固定化が懸念される」(同)と語り、 稲嶺・名護市長周辺からは、22日の日米合意を受けて月内にも緊急の市民反対集会を開く動きが出ている。 国会宛に「沖縄・米軍普天間基地の即時・無条件撤去を求める」(安保破棄中央実行委員会呼びかけ)請願署名15万人分も提出された (21日、しんぶん赤旗)。すでに提出された署名を含めると19万人にのぼるという。国会内で開かれた提出集会で、あいさつした柴田・ 全労連副議長は、「日米両政府が移設先として沖縄県名護市辺野古周辺と明記した共同文書を作成することは、重大な公約違反であり、 沖縄県民への裏切りです」(同)と語っている。安保破棄中実委は、要請に先立って内閣府を訪れ、普天間基地の即時・ 無条件撤去の立場で対米交渉を行うよう鳩山首相あてに申し入れるとともに、衆参両院議員への要請を行っている。 平野官房長官は、日米合意前に与党党首級の基本政策閣僚委員会を開く意向を示しているものの、 <与党内の了解を得る見通しは立っていない>(沖縄タイムス)という状況だ。 各紙はこの状況をどう論じたか。 北海道新聞は22日の社説に<日米外相会談 沖縄抜きの合意は拙速>を掲げて、「形ばかり決着を装っても真の解決につながらない」 と書き出した。そして「国内調整に全くめどがつかない状況の中で、政府が日米合意を先行させようとするのはなぜか」として、 厳しく以下を指摘している。 琉球新報は22日の社説に<米国務長官来日 明確な民意を受け止めよ>を掲げて、「民意無視は主権在民の否定、 民主主義国家の自殺行為にほかならない」「日米両政府は県民の明確な民意に耳を傾け、普天間の県外、国外移設を真剣に検討すべきだ」と、 政府のやり方を厳しく批判している。 つづいて毎日新聞22日付社説、朝日新聞21日付社説もみておこう。 毎日新聞22日付社説は<日米普天間協議 道理なき「辺野古回帰」>だった。日米外相会談は、政府が描く「5月末決着」 を演出する場となったと指摘しつつ、<日米連携の再確認は評価できる>としながら、「体裁を整えるだけの対応を排し、全体方針を見直して」 移設問題に取り組むよう求めた。 朝日新聞は21日付社説<普天間共同声明―米国優先は禍根を残す>で、<今更、日米合意の現行案に限りなく近い形に戻すといっても、 解決にたどりつけるとは思えない><鳩山由紀夫首相としては、共同声明という体裁を整え、「5月末決着」 を果たしたと言いたいのだろう>としつつ、<態勢を立て直し、安保とその負担のあり方を米国と、沖縄と、 そして国会で議論し直すことを>改めて求めた。 上記、毎日新聞の<日米連携の再確認>はどんなふうに評価できるのか、本当にそうなのかをあらためて問う必要があるように思うが、 「日米間だけの大枠合意では事実上の先送り」との指摘、「日米合意を沖縄に迫るのは、 沖縄県民にとって日米両政府が負担を沖縄に押しつけていると映る」との指摘、「政府には体裁を整えるだけの対応を排し、 全体方針を見直して移設問題に取り組むよう求める」姿勢には賛同したい。 かかえる部数の維持やウイングの幅の課題などもあって、 全国紙には全国紙なりの苦悩も事情も都合もあるものと推察されるところではあるが、こと民主主義の問題や、 国際情勢の変化と日米安全保障条約の変質の問題、 そして戦争翼賛に利用されることなく地球社会の平和と未来を展望していく立場からの提言を不断に行っていく社会的責任を果たす課題については、 揺らぐことなくさらに堂々と論を展開してもらいたいと切望するところである。 クリントン米国務長官との会談で、岡田外相は「東アジアの不安定性が顕在しつつあり、日米同盟の重要性が増している」と語り、 鳩山首相は北朝鮮魚雷事件やイラン核問題を挙げながら、日米の信頼関係強化の重要性を強調してみせた。北海道新聞社説が指摘するように、 日本政府が、韓国海軍の哨戒艦沈没に絡めて米国との普天間協議を性急に進めようとする姿勢は、明らかに疑問である。 イランにしても北朝鮮にしても、オバマ政権が掲げ、推進を打ち出している「核廃絶」の願いと無縁ではない。だが、 唯一の被爆国として日本が世界に対して果たすべき役割と米国の方針とは明らかに異なっていてしかるべき部分があることは、 あらためて指摘するまでもないことだろう。 オバマ政権は18日、イランに対する追加制裁決議案を国連安全保障理事会に提出している。決議案には、(1) 武器禁輸措置の拡大や金融制裁、(2)ウラン採掘や弾道ミサイル開発などの海外活動の禁止、などを盛り込んでいる(→AFP)。 イラン政府は先ごろ、低濃縮ウラン国外搬出で合意したが、 米国はこれを核問題解決への努力を行き詰まらせるものだとして認めない考えをとっているからだ。AFPは、米当局者が「決議案は、 港湾や公海上での貨物検査について包括的かつ新たな枠組みを確立するものだ」と語ったことを報じている。 この決議案には、常任理事国のうち中国とロシアも賛成しており、現在、非常任理事国10か国の間で協議が行われているという。 これだけをみて、日本も単純にイラン・バッシングに与すればよいと考えるのであれば、小泉以降に顕著となった自公政権同様、あまりに単純、 情緒に過ぎる対米追従といわねばならないだろう。オバマ政権は、 ブッシュ前政権が始めた戦争政治に反対を唱えて大統領選で勝利をおさめたとはいえ、そのアフガン・ イラク戦争でイスラム世界全体を敵に回した戦争を引き継ぐ大統領でもあることを忘れるわけにはいかないのである(ここではこれ以上、 イランの核問題についての詳細には立ち入らないでおく)。 オバマ大統領は22日にも、ニューヨーク州の陸軍士官学校で、「アフガニスタンで厳しい戦いに直面しているが、 成功することに疑いの余地はない」と演説して、ニューヨークの車爆弾テロ未遂事件などを踏まえ、テロとの戦いの重要性を強調している。 ブッシュ政権時と異なるのは、アフガン戦争については昨年12月に3万人増派を決める一方で、 2011年7月の米軍撤退開始を目指すアフガン新戦略を発表している点だろう。しかし、戦争を出口戦略へ誘おうとの努力があるとはいえ、 戦時大統領であることに変りはない。 パキスタンでは依然、無人機攻撃を継続している。CNNの集計では、 北ワジリスタン地区もしくは南ワジリスタン地区との境界線近くで今年起きた無人機攻撃は先週の分も合わせ少なくとも34件に達しているという。 パキスタンのムシャラフ前大統領は20日、 無差別な無人機攻撃は被害の巻き添えに遭っているパキスタン国民の反感も招いていると指摘している。無人機攻撃は結果的に、 パキスタン人を急進化させかねず、米ニューヨークの繁華街タイムズスクエアで今年5月1日に起きた車爆弾テロ未遂事件の実行犯として逮捕、 起訴されたパキスタン系の被告も無人機攻撃に怒り、犯行に走った可能性もあるとの見方を示している。 また、3月に沈没した韓国の哨戒艦「天安」の事故原因について、5カ国の専門家が参加する調査団が20日、 北朝鮮の潜水艦が魚雷で攻撃したと結論付ける報告を発表した。韓国の李明博大統領は「北朝鮮に対し断固たる対抗措置をとる。 強力な国際協力を通じ、同国に過ちを犯したことを認めさせ、責任ある国家として国際社会に復帰するよう求める」(CNN)と語っている。 一方、北朝鮮側は、韓国船を魚雷攻撃していないとの声明を発表して関与を否定して韓国の李大統領を「裏切り者」と非難、21日に、 韓国が制裁の動きに出れば、韓国との不可侵合意を破棄すると警告した。 オバマ大統領は17日に李大統領との電話会談でこの件について話し合い、 「米国は親しい友人であり同盟国である韓国の防衛と幸福のために、断固として取り組んでいく」と語っているが、クローリー米国務次官補 (広報担当)は20日、挑発行為は容認出来ず北朝鮮は報いを受けなければならないとして、 金融制裁など何らかの対抗措置を打ち出す考えを明らかにしつつ、北朝鮮をテロ支援国家に再指定する可能性については、 沈没事件が再指定の法的根拠となるテロ事件に該当するのかは明瞭でないと指摘。再指定は軽々しく出来るものではないとし、 証拠をどうとらえるかの問題があると説明している。 ブッシュ前政権は2008年、北朝鮮が6者協議を通じた非核化作業で一定の対応を見せたとしてテロ支援国家の指定から外した。 クローリー次官補は、南北朝鮮は厳密には交戦状態にあり、魚雷攻撃はテロ攻撃と解釈されない可能性があるとの見方を示している。また、 米国は今回の魚雷攻撃の標的になっておらず、北朝鮮をテロ支援国に再指定するのは効果的ではないとも語っている。またCNNは、 1950年に起きた朝鮮戦争で米軍を中心とする国連軍と北朝鮮、中国の3者は53年、休戦協定を結んだが、 韓国は休戦に反対し調印しなかったこと、国際法上は現在も戦争状態が継続しており、 北朝鮮は一貫して平和協定への転換を要求していることを同記事で紹介し、この問題の取扱いの難しさを指摘している。 鳩山首相にしろ岡田外相にしろ、普天間基地の撤収・移設問題を、安易に北朝鮮、イラン情勢に結びつけて語るべきではない。 いたずらに危機をあおるような言動は慎むべきであること、対米追従との批判が出るのは当然であること、それどころか各紙が指摘するように、 沖縄の頭越しに米国と手を握って先走って沖縄に問題を押し付けるのは「二重の裏切り」であり、民主主義・ 国民の人権をふみにじる異常な姿であり、外交・安全保障政策などとは到底呼べるものではないことを、速やかに自覚すべきである。 沖縄タイムスが17日付の社説で書いている。
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