39. 2010年5月25日 14:41:13: qEN4gy4piw 「参院大敗、与党過半数割れ」の危機に小鳩おろしが起きない民主党の事情 民主40議席前半、自民党40議席後半の予想も 現代ビジネス5月24日 「7月の参院選で、民主党は大敗を喫するのではないでしょうか。現在の情勢分析だと、民主党は40議席台前半程度だ。自民党は40議席台後半となって、改選議席で第1党になる可能性があります」「そうだろうな。民主党は40議席を割るかもしれない」 「そうなると、社民、国民新党を合わせた与党でも、とうてい過半数に及ばない。連立の組み替えが必要になるが、公明党やみんなの党は民主党との連立に否定的だ」 「そうか… 『衆参ねじれ』になるな。悶絶するぐらいの苦しみを味わうようになるだろう」 「そうならないようにするのが、みなさんの役割、仕事ではないでしょうか? 」 「ウーン…」 幹事長・小沢一郎と距離を置く民主党のある大物とこんな会話を交わした。わたしが参院選で民主敗北との見方を伝えると、彼は同調し、かなりの危機感を示す。しかし、これといった対抗策を打ち出さない。 民主党内はいま、湿った火薬のような状態だ。首相・鳩山由紀夫と小沢の「小鳩体制」に対する不満が鬱積し、もし爆発すれば、相当な破壊力を持つだろうに、なかなか火がつかない。なぜなのだろうか? *** 権力闘争にあまりに不慣れ *** 第一に、参院選で大敗を喫したとしても、民主党政権は続くことだ。非小沢系の議員は民主党衆院議員の会合で「これが衆院選前だったら大変だったな」と漏らすと、期せずして一同がうなずいた。衆院選なら政権を失いかねず、自分たちも落選の憂き目に遭いかねないが、参院選だとどこか他人事だ。
本来は、参院の改選組が最も深刻に受けとめなければならないはずである。だが、小沢と距離を置く福山哲郎(京都選挙区)は副大臣なので、政局への発言を慎まざるを得ない。「仕分けの女王」こと蓮舫(東京選挙区)は仕分けと自分の選挙に追われている。 次に、民主党議員は初めて手にした政権を運営するのに四苦八苦していることだ。ある政務官はこう言った。 「土日に地元に戻ると、すさまじい批判におののく。月曜日に役所に行くと仕事が山積みになっている。金曜日までそれを処理するのに追われて、土日に逆風を受ける、そんな繰り返しだ」 政務3役に入っていなくても、政権の座に就く以前と現在とでは、議員の仕事の量は格段に違う。中身も濃く、それなりの達成感も得られて日々過ぎていく。昨年春、西松建設事件にからんで「小沢降ろし」が画策されていたが、極論すれば野党だったからそれ以外やることがなかったからだ。 これが自民党だったら、とっくに降ろす動きが広がり、鳩山も小沢も引きずりおろされていたに違いない。派閥領袖が発言し、中堅・若手は「○○会」などをにわかづくりで結成し、それぞれが呼応してうねりとなっていただろう。 そう考えると、第3の理由が浮かぶ。民主党議員はまじめでよく勉強もするのだが、権力闘争に不慣れなのだ。小沢がかつて「政治は武器を使わない合法的な戦争」と言っていたように、政治は権力闘争と不可分の関係にあるのに、進んでかかわろうとしない。 権力を争う、激烈な戦いをできるのは小沢ぐらいだ。鳩山はもちろんのこと、小沢に対して批判的な言動を繰り返す国土交通相・前原誠司、国家戦略担当相・仙谷由人、行政刷新担当相・枝野幸男らはひ弱だ。 *** 与党過半数確保には民主党は50議席必要だが *** 民主党は現体制のまま参院選(6月24日公示、7月11日投票の予定)に突入する公算が大きい。民主党は参院選で単独過半数を獲得するためには60議席、社民、国民新党を含めた与党過半数のためには53議席が必要だ。社民党は2議席、国民新党は0-1議席なので、民主党が50-51議席を確保しないと与党で過半数すら難しい。
そうなった場合、小沢周辺では公明党などとの協力を模索する腹づもりだ。しかし、公明党も、参院選で躍進するであろうみんなの党も、敗北して勢いを失った民主党と組むだろうか? そもそも、小沢が敗北したら辞めると決まっているわけでもない。 民主党議員の多くは、このままではいけないと思っている。しかし、それを行動で示そうとはしていない。こんなことを繰り返していたら、国民は民主党からますます離反していくのではないか。 (敬称略) (著者:田崎 史郎) ★民主議員は小沢幹事長におんぶに抱っこ状態で批判もできないように恫喝されているのは不幸なことだ。支持率低落で複数区2人擁立も完全に裏目になって共倒れが現実化しつつある。政治とカネの問題では小沢も鳩山もそれぞれの秘書が逮捕されながら知らぬ存ぜぬで逃げ切ろうとしている。鳩山首相は普天間飛行場の移設問題は「最低でも県外」と沖縄県民を煽り続け迷走のあげく辺野古沿岸に先祖返り、これでは民主支持者でも離反するだろう。 以前に小沢が言ったように民主党には政権短と能力がなかったことが明白になった。小沢と福田がいったん合意した大連立で政権担当能力を備えていれば、この3年の不幸はなかったろう。その高い見識を持っていた小沢もカネでミソを付けてしまったのもこれまた不幸なことだ。いずれにしても参院選で民主は惨敗し波乱の政局が待っているのは間違いない。
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