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国民投票法―拙速が生んだ「違法状態」(朝日新聞) http://www.asyura2.com/10/senkyo86/msg/490.html
http://www.asahi.com/paper/editorial20100516.html?ref=any#Edit1 国民投票法―拙速が生んだ「違法状態」 異常な事態である。新しい法律が、「違法状態」のなかで施行されようとしている。 憲法改正の手続きを定めた国民投票法が18日施行される。公布から3年とされた準備期間が終わるからだが、法で義務づけられていた準備が一向に進んでいない。いまのままでは国民投票はできない。「国民投票のできない国民投票法」という、わけのわからないものが世に出ることになる。 片付けておかなければならなかった宿題は数多い。憲法改正原案を審議する場として憲法審査会が設けられたが、参院ではその規程ができていない。規程のある衆院でも委員は選ばれていない。原案が出てきても審議する場はないのが現状である。 国民投票法が18歳以上に投票権を与えたのに合わせ、20歳以上に選挙権を与える公職選挙法や20歳を成年とする民法を改める。これは、準備期間のうちに終えるよう国民投票法の付則に明記された大きな宿題だったが、実現のめどは立っていない。 投票率が低すぎる場合に無効とする最低投票率を導入するかどうかも、放置されたままの課題だ。 多くを積み残しての施行は、無責任な見切り発車と言わざるを得ない。 この背景には、法成立のいきさつが影を落としている。 審議の過程で、自民、民主をはじめ与野党の実務者は互いに納得できる内容にしようと歩み寄りを重ねていた。だが、当時の安倍晋三首相は改憲を参院選の争点にしようと成立を急いだ。与野党協調は崩れ、民主党は最終的に採決で反対に回った。同法は2007年の参院選を前に成立したが、憲法をめぐる議論の機運は冷え込み、いまも空気は変わっていない。 民主党政権の対応にも疑問はある。 国民投票法は議員立法でできたが、公選法や民法の改正には内閣が責任を負う。定められた通り法改正を進めるか、間に合いそうにないというなら、投票法そのものの施行を延期するか。なんらかの形で違法状態を避けるのが筋ではなかったか。 憲法改正のハードルはとても高い。国会の中でも国民との間でも、時間をかけて対話を重ね、幅広い合意を探っていく丁寧なプロセスが欠かせない。 夏の参院選を前に、自民党は憲法改正原案を国会に出すことを検討している。選挙の争点にする狙いなのだろうが、改正論議を本気で進めようとするならむしろ逆効果だろう。 議論を動かしたいのなら、まずは話し合える環境を整えることである。 例えば、国民投票の制度設計だけを協議するため憲法審査会を始動させる。必要なら与野党合意で投票法を改正する。そこから始めるのも一案かもしれない。
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