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鳩山首相は「常時駐留なき安保」論を解禁せよ! ── 何事も正面突破で行かないと (THE JOURNAL:高野論説) http://www.asyura2.com/10/senkyo86/msg/344.html
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2010/05/post_567.html 2010年5月13日 13:14 各紙の報道によると、小沢一郎=民主党幹事長は、検察審査会の「起訴相当」議決を受けた東京地検特捜部の3度目の事情聴取要請に応じると同時に、衆議院政治倫理審査会の場で嫌疑について説明せよとの野党などの要求にも応じる意向であるという。 検察による再々聴取は大したことはない。検察としても、何もしないで「やっぱり不起訴です」と言うわけにもいかないので形を作っているだけのことで、新しい証拠や材料があるはずもない。すでに2度目の再聴取の際に、小沢は「だから、それについて何か新しい証拠があるんなら言いなさいよ」という調子で対応して検察側を困らせたが、今回も同じことが繰り返されるだけだろう。
政倫審のほうは、朝日新聞によると「ここまできたら本人が説明するしかない」(小沢側近)、「参院選まで2カ月となり世論対策が必要だ」(周辺)といった判断からのようだが、これは上策とは言えない。本論説は3月19日付で、検察=マスコミ連合の「小沢は怪しい、早く辞めろ」の煽動に対して受け身に立っていては、結局は1年前の代表辞任劇の再現で、暴走する(させられた)大衆感情に迎合的に屈服する恰好で幹事長辞任に追い込まれることになりかねないから、自ら積極的に両事件の真相について国民に向かって説明して納得させる「正面突破作戦」を採るべきだと提言した。その際、私は、国会証人喚問や政倫審などのような「半ば罪人扱いの屈辱に甘んじる」のでなく、「完全オープンの記者会見を開く」ほうがいいとも述べていた。要点を再録する。
▼第1は正面突破作戦で、 ▼これには何よりもまず、(1)小沢が説明責任を果たすことが前提となる。「説明責任」などという言葉を使うと小沢熱烈信者からは怒られそうだが、私が言うのは、自民党が言う国会証人喚問、あるいは渡部恒三=元衆院副議長や又市征治=社民党副党首が言う「せめて政治倫理審査会に出て事態収拾を図るべきだ」といった半ば罪人扱いの屈辱に甘んじよということではない。 ▼ところが小沢は2月14日、検察の不起訴処分を受けての会見で、「検察の捜査に勝るものはない。捜査で全て調べて頂いて不正をしていないことが明らかになった」と言い放って、それっきりダンマリを決め込んだ。もちろんその言い方は、この1年来の検察=マスコミ連合軍のバカ騒ぎへの痛烈な皮肉であり、そう言いたい気持も分からないではないが、郷原信郎弁護士が指摘するとおり、「ならば大久保、石川らの起訴は公正だったと言うのか」という問い返しに答えることができず、従って民主党全体を検察の暴虐に立ち向かわせるよう導くことはできなくなる。つまり、問題を「検察vs小沢個人」の図式に封じ込めてしまった。これでは、選挙を控えて切羽詰まっている候補者たちに不安と動揺が広がるのは避けられない......。 今頃になって政倫審に出るくらいなら、2カ月前に自らの主導で記者会見を開いて、何時間でも記者の質問を受けて、説明し抜いてしまえば余程よかっただろうに。記者会見を上策とすれば、黙っているのは下策で、政倫審は中策というところだが、まあ下策より手遅れ気味の中策のほうがまだマシということである。 ●「抑止力論争」を仕掛ければよかったのに さて本論説は昨秋以来繰り返し、鳩山政権が米国に対して「在沖縄海兵隊の抑止力とは何なのか」という論争を真正面から仕掛けつつ「なぜ一部でなく全部がグアムに撤退できないのか」を一貫して執拗に問いかけるべきだと主張してきた。 それを国民の眼前で展開してきていれば、たとえ「5月末」でそれに結着がつかなかった場合でも、鳩山は「今後も引き続きグアム全面移転を目標として粘り強く交渉を続けていく」ことを宣言して、米国にも渋々ながらもその交渉には応じることで同意させ、それを前提に、「しかし"世界で一番危険な基地"である普天間は一刻も早く撤去しなければならないので、あくまで暫定措置ということで移転先を県内外に引き受けて頂く」という説得の仕方もあったかもしれない。 ところが鳩山も岡田も、岡本行夫あたりにすっかり騙されて、早々と「海兵隊の抑止力は必要」などと口走ってしまったために、自らの首を絞める結果となった。 とはいえ、本論説が「抑止力とは何か?」と叫び続けてきたことがまったく無駄ではなかったかもしれないと思うのは、朝日や毎日などが時折、この問題を大きく紙面で採り上げたり、NHKの日曜討論でも先頃は岡本行夫や孫崎享らで是非の議論をしたり、遅まきながらこの問題の本質が抑止力論にあることが認められ出していることである。朝日の「声」欄でも最近、「米軍抑止力論再考こそ必要」「米軍の駐留を容認する安保条約を根本から見直し、時代にあった新しい条約を結べ」といった読者の意見が見受けられる。 この状況を考えると、鳩山が首相になって早い段階で、かつての持論であり96年旧民主党の政策的な柱だった「常時駐留なき安保」論を"封印"したことが間違いの始まりだったことが分かる。もちろんこの論は、98年に同党が再結成された時に公式の路線として継承されることはなかったし、また彼個人がその後もそれを胸に抱いていたとしても政府の方針となっているわけではないから、"封印"と言ったのも分からないではないが、少なくとも自分がどういう思いで普天間問題に取り組むのかを示す意味で、今からでも遅くはないので、その封印を解くべきではないのか。
それにしても、引用部分の前半の米軍基地問題の記述は、過去の鳩山による現在の鳩山への批判とも読めて興味深い。まさに「未来からの発想」を欠落させたまま目先の移転先探しに没入したことがこの事態を生んでいる。平野官房長官など、この論文を読んだこともないに違いない。 蛇足ながら、よくある安保についての小学生並みの質問に、「米軍が引き上げてしまったら、そのぶん日本の防衛力を増強しなければならなくなるのでは?」というのがある。この中で鳩山が言うように、米軍基地の削減と撤退は日本自衛隊の増強に応じて実現可能になるのでなく、東アジアの地域的安保対話システムの形成進度に応じて実現可能になるのである。そのことを理解する鍵が、抑止力論である。 もう1つ蛇足。小沢は昨年2月に「在日米軍は第7艦隊だけでいい」と言ったが、これも一種の「常時駐留なき安保」論である。また旧民主党結成後に私が小沢に、この論文末尾の「自衛隊3分割」論を説明した時、彼はすぐに「賛成だ」と言った。そうなら鳩山と小沢はじっくり話し合って、この「常時駐留なき安保」論を民主党の党是としたらどうなのか。 ------------------------------------------------------------ 《沖縄米軍基地問題》 我々は沖縄の米軍基地問題を含めて外交・安全保障政策についても、未来からの発想を採用すべきだという議論を、夏前から始めていた。その頃自民党サイドでは、来年5月に更改期限を迎える米軍用地の地主が、いわゆる反戦地主を含めて約3000人もいるということを思うと、これは国が直接に土地を強制使用できるようにする特別立法を行う以外に手がないという議論が出ていた。来年に差し迫った問題から入っていくと、そういう貧しい発想しか出てこない。ここで再び国が沖縄で強権を発動すれば、沖縄の人々の本土不信は取り返しのつかないほど深まるに違いない。 そうではなくて、沖縄県が打ち出している「2015年までに全ての米軍基地の返還を実現する」という基地返還アクション・プログラムと、その跡地利用を中心として沖縄を再び東アジアの交易・交通拠点として蘇らせようという国際都市形成構想とを、十分に実現可能な沖縄の将来像としてイメージするところから考え始める。そうすると、沖縄の米軍基地が返ってくる(ということは、その3分の1しかない日本本土の基地も当然返ってくる)ことを可能にするようなアジアの紛争防止・信頼醸成の多国間安保対話のシステムをどう作り上げていくか、また本質的に冷戦の遺物である日米安保条約を21世紀のより対等で生き生きとした日米関係にふさわしいものにどう発展させていくか、といったことが、外交・安保政策の長期的な中心課題として浮上する。 そのような方向を設定した上で、現実にまだ朝鮮半島に危機が潜在している今の段階で、日米安保協力の強化という課題にどう対処するかを判断しなければならないし、あるいは又、原稿の日米安保の下でも少しでも沖縄をはじめ米軍基地の被害をどう食い止めるかの具体策を打ち出さなければならない。 こうして、20年後には基地のない沖縄、その前にせめて米軍の常時駐留のない沖縄を実現していきたいとする彼らの夢を、私たち本土の人間もまた共有して、そこから現在の問題への対処を考えていくというように発想すれば、来年の困難な問題にも自ずと解決の道が開けてくるのではないか。 橋本総理、梶山官房長官もさすがに特別立法で県民を押さえつけることの愚に気づいて、フリーゾーンの設定はじめ沖縄の経済自立への構想を積極的に支援する方向を打ち出し、それが大田昌秀知事の態度軟化を引き出すことに成功した。それは結構なことではあるけれども、自民党や外務省は、しょせんは日米安保は永遠なりとでもいうような守旧的な認識を変えようとせず、その延長線上で基地のあり方を部分的に改善することしか考えつかない。県民に「基地との共存」を強要した上で、金で済むことならいくらでも出しましょうということでは、沖縄の人々の夢は決して現実のものとはならない。
さてそのような方向に進もうとすれば、当然にも外交・安全保障政策全般についても旧来の延長ではない発想の転換が必要になる。 日米関係は今後とも日本の外交の基軸であるけれども、そのことは冷戦時代そのままの過剰な対米依存をそのまま続けて行くこととは別問題である。 まず1つには、我々は、活力にあふれ、ますます緊密に結びつきつつあるアジア・太平洋の全体を、日本が生きていく基本的な生活空間と捉えて、国連、APEC、東アジア、ASEANおよび北東アジアすなわち環日本海という重層的な多国間地域外交をこれまで以上に重視し、その中で日米、日中はじめ2国間関係を発展させ成熟させていく必要がある。そのような観点からすると、ASEAN地域フォーラム(ARF)に積極的に参加するだけでなく、北東アジアでもそれと同様の多国間の信頼醸成と紛争予防、そして非核地帯化のための地域的安保対話システムを作り上げ、並行して北朝鮮やロシア極東部を含む多角的な経済協力を推進していきたい。 そのような努力を通じて、まずいわゆる「極東有事」が発生しない北東アジア情勢を作り出していく。それが、沖縄はじめ本土も含めた米軍基地を縮小し、なくしていくための環境づくりとなる。私はそのような条件は次第に生まれつつあると考えている。すでに米韓両国からは、朝鮮半島の休戦協定を恒久的な和平協定に置き換えるための南北と米中の4者会談が呼びかけられている。かつての戦争当事者同士によるその会談が成功を収めた後に、さらにそれをロシアと日本を含めた「6者協議」の枠組みへと発展させ、米中露日が見守る中で南北が相互理解と経済交流の促進と将来の統一をめざして対話を継続するよう促すのが現実的である。そしてその6者とは実は、日本海を囲む北東アジアの関係国すべてであり、朝鮮半島の問題だけでなくこの地域の紛争問題や資源の共同管理、多角的な経済交流などを話し合っていく場ともなりうるだろう。 そういう国際環境を日本が自ら先頭に立って作り出し、成熟させていくことができれば、その進度に応じて、沖縄・本土の米軍基地の整理・縮小・撤去と「常時駐留なき安保」への転換を図ることができる。私は、2010年を目途として、日米安保条約を抜本的に見直して、日米自由貿易協定と日米安保協定とを締結して、日米関係を新しい次元に引き上げつつ、対等なパートナーシップとして進化させていくことを提唱したい。 それまでの間、現行の日米安保条約はもちろん堅持するが、一部に議論が出ているような「集団的自衛権」のなし崩し的な拡大解釈によって自衛隊を域外での作戦行動に従事させることは、冷戦時代への逆行であり、認めることはできない。仮に上述のような「極東有事」を発生させないような外交努力が実らず、米軍が日本を基地として第三国に対して作戦を行う事態が生じた際には、あくまで現行条約第6条に沿って、まず事前協議の対象とした上で、その基地提供義務とそれに伴う物資役務提供の取り決めに従って協力する。
こうした方向をとる中で、自衛隊のあり方も大いに見直す必要があろう。私は、2010年の段階では、自衛隊は、海空兵力を中心とした精強な国土防衛隊と、それとは区別して主に陸上兵力によって編成され訓練された国際平和協力部隊、および機動力を持った災害救援部隊とに再編されるべきだろうと考えている。国際平和協力部隊は、日本の国益とは無関係な立場で、国連のPKOや将来創設されるかもしれない東アジアの共同警察軍などの活動に積極的に参加する。 いずれにしても、外交・安全保障の中心目標は、「紛争解決の手段として武力を用いない」という日本国憲法および国連憲章の精神がますます広く行き渡るような世界をつくりだすために、先頭に立って行動し、そのことによってアジアはじめ世界から信頼される国になることである。国連に関しては、21世紀の地球的な課題に適合できる"第3の国連"を創設する意気込みで、大国エゴがまかりとおっているとの批判がある安保理のあり方を含めて大胆な改革案を提示することが肝要で、日本が現在のままの安保常任理事国に入ることはメリットもないわけではないがデメリットのほうが大きいのではないか。
投稿者: 《THE JOURNAL》
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