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マスコミ(政治評論家)は、何故、「官房機密費疑惑」を黙殺するのか?何故、論議の俎上に乗せられないのか? 「毒蛇山荘日記」 http://www.asyura2.com/10/senkyo86/msg/316.html
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20100513/1273703644 マスコミ(政治評論家)は、何故、「官房機密費疑惑」を黙殺するのか? あるいは、何故、「官房機密費疑惑」を論議の俎上に乗せられないのか?
─────────────────── 人は詩人や小説家になることができる。だが、いったい、批評家になるということはなにを意味するであろうか。あるいは、人はなにを代償として批評家になるのであろうか。すくなくとも私にとっては、小林秀雄を論じようとするとき、最初に想起されるのはこの問題である。小林秀雄以前に批評家がいなかったわけではない。しかし、彼以前に自覚的な批評家はいなかった。ここで『自覚的』というのは、批評という行為が彼自身の存在の問題として意識されている、というほどの意味である。彼の出現に先立っていたのは長い、健康な啓蒙期であった。彼の沈黙と同時に出現したのは、小林の語彙を用いることを識った新しい、衰弱した啓蒙家たちである。つまり、彼は批評を創め、芸術的な表現に高めると同時に、これをこわしたのである。 (江藤淳『小林秀雄』) ─────────────────── 「小林秀雄以前に批評家がいなかったわけではない。しかし、彼以前に自覚的な批評家はいなかった。ここで『自覚的』というのは、批評という行為が彼自身の存在の問題として意識されている、というほどの意味である。」という江藤淳の指摘は重要である。特に、「批評という行為が彼自身の存在の問題として意識されている」というくだりは、文藝評論家という存在と政治評論家という存在の差異を浮き上がらせる言葉である。政治評論家が、彼等自身の存在根拠にかかわる「官房機密費疑惑」を無視・黙殺するのは、まさしく彼等の政治評論という表現行為そのものが、「彼自身の存在の問題として意識されて」いないということである。政治評論家にとって政治評論行為とは、「身過ぎ世過ぎ」の生活手段であって、それ自体が目的ではないからである。おそらく、もちろん多くの例外はあるが、文藝評論家にとって文藝評や政治評論という表現行為が、彼等自身の存在の問題として意識されていないはずはないのであって、もし、それが政治評論家と同様に「身過ぎ世過ぎ」の生活手段に過ぎないとすれば、何故、金儲けの手段としてそれほど効率的とも思えない文藝評論家という職業を敢えて選択したのかという説明が不可能になるからである。もし、最近、文藝評論家という存在が、福田恒存や江藤淳の時代を最後に、社会的な、あるいは政治的な存在感をなくしつつあるとすれば、それは文藝評論家という存在が、「身過ぎ世過ぎ」の生活手段としてしか認知・了解されていないということであろう。しかし、少なくとも、小林秀雄から福田恒存、江藤淳までは、文藝評論家という存在は、社会的存在としては微々たるものであったかもしれないが、思想的に、あるいは政治的には無視できない存在であった。たとえば、小林秀雄は、終戦直後に、戦争責任の追及が烈しくなり、多くの知識人や文化人が共産党に入党したり、左翼へ転向したりしていく中で、本多秋五、平野謙、埴谷雄高等「近代文学」の同人たちを相手に、こう言い放つことが出来た。 ─────────────────── 僕は政治的には無智な一国民として事変に処した。黙って処した。それについては今は何の後悔もしていない。大事変が終わった時には、必ず若しかくかくだったら事変は起こらなかったろう、事変はこんな風にはならなかったろうという議論が起こる。必然というものに対する人間の復讐だ。はかない復讐だ。この大戦争は一部の人達の無智と野心とから起ったか、それさえなければ起らなかったか。どうも僕にはそんなお目出度い歴史観は持てないよ。僕は歴史の必然性というものをもっと恐ろしいものと考えている。僕は無智だから反省なぞしない。利巧な奴はたんと反省してみるがいいじゃないか。 (「近代文学」「コメディ・リテレール」昭和21年1月12日)
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