投稿者 明るい憂国の士 日時 2010 年 5 月 10 日 15:45:08: qr553ZDJ.dzsc
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-61ba.html
2010年5月 10日 (月)
抑止力論なるプロパガンダに惑わされないこと
普天間飛行場閉鎖に関連して、沖縄県名護市辺野古地区以外の沖縄県内、県外移設先選定に全面的に反対運動を展開してきたマスメディアの真意はどこにあるのか。
県内、および県外移設に絶対反対ということであれば、消去法から解は「海外移設」にならざるを得ない。(http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-0fb7.html )
海外では、北マリアナ諸島がテニアンへの移設受け入れ要望を表明している。
鳩山総理大臣の本当の「腹案」は、県内・県外移設が地元住民から完全拒絶された先にあるグアム・テニアンへの移設決定にあるとの観測が生まれ始めている。
マスメディアが県内、県外移設候補先選定に、全面反対のキャンペーンを展開したのは、鳩山政権攻撃の一環だったのだろう。昨年9月の鳩山政権発足以来のマスメディアによる政権攻撃は常軌を逸している。
本ブログで繰り返し指摘してきたが、第二次大戦後の日本政治支配者は一貫して米・官・業の三者だった。米官業の代理人として利権政治実現に跋扈してきたのが利権政治屋とマスメディアであった。これが既得権益勢力である政官業外電の悪徳ペンタゴンである。
@対米隷属外交からの脱却、A官僚天下りの根絶、B企業団体献金全面禁止、を実現するなら、日本政治構造は根幹から一新される。悪徳ペンタゴンは鳩山政権が日本政治構造の刷新に進むことを極度に警戒している。常軌を逸した鳩山政権攻撃を展開している主因は、危険な鳩山政権の崩壊を狙っていることにあると考えられる。
辺野古海岸に代わる代替地を模索する鳩山政権に対して、マスメディアは各地住民による基地反対運動を全面支援してきた。鳩山政権を窮地に追い込むための行動であった可能性が高い。
ところが、仮に鳩山総理がこうした日本の主権者市民の明確な基地拒絶行動を踏まえて、米国に対して海外移設を日本政府の最終案として提案する場合、マスメディアは鳩山政権を攻撃する口実を失うことになる。
すべての情勢を踏まえれば、日本政府が普天間基地代替施設の海外移転を提案することが合理的であると言えるだろう。
米国は地元住民の反対意思が明確な地域に進出する考えを有さないことを表明している。辺野古海岸破壊滑走路建設にしても、本年1月に基地移設に反対する新市長が誕生したことで、実現性は大幅に後退している。
鳩山政権が誕生していなくとも、辺野古海岸破壊滑走路建設は座礁に乗り上げていたのである。
この状況下で独立国である日本が、代替施設の海外移転を国民総意の決定として示したとき、米国は拒絶する大義名分を失う。
日本の海外移設提案を理由に米国が、日本への軍隊駐留を全廃して、日米軍事同盟を解消すると通告するなら、日本政府は堂々とその申し出を受け入れればよい。
しかし、米国が日米安保解消を提案する可能性は限りなくゼロに近い。日本の軍事拠点が持つ地政学上の価値はフィリピンとは比較にならない。日本の軍事拠点は米国の世界戦略上、不可欠の重要性を保持している。
米国にとっての最大のリスクは、梓澤和幸先生(*)が「普天間返還を実現できる主体を」(**)に記述された通り、「アメリカにとってそれほどの価値もない普天間(海兵隊)を海外に移転させなければ、日本全体の基地を維持すること自体がリスクにさらされる」点にあり、このことについての「利益衡量にアメリカを追い込むことが大切」なのである。(http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-24ff.html)
(*)http://www.azusawa.jp/index.html
(**)http://www.azusawa.jp/break/essay/20100425.html
米国の姿勢は、麻生政権との交渉で勝ち取った果実を、びた一文値切らせないとの、吝嗇な姿勢である。日本国内の米国代理人勢力は、この米国の利益を擁護するために行動している。
米国代理人勢力が米国の利益を擁護するために用いるキーワードが「抑止力」である。第二次大戦で日本軍が用いた「大東亜共栄圏」と同様のプロパガンダキーフレーズである。
「抑止力」論の代表は、岡本行夫氏が月刊誌に寄稿した文章であるが、突き詰めれば、沖縄あるいは徳之島から海兵隊を取り除くと、尖閣諸島が危機に晒されるというものである。
しかし、この主張は論理が逆立ちしている。尖閣諸島の領有権および排他的経済水域の境界設定において、日本が日本の国益を守るために何が必要なのかを論じることが重要なのであって、尖閣諸島での紛争発生回避と海兵隊の沖縄駐留維持を等号で結び付けることは、論理の飛躍と言わざるを得ない。岡本氏がこのような乱暴な論理を展開しているというわけでは必ずしもないが、「抑止力」論をかざす論者には一般的に、粗雑な主張が観察される。
日本の安全保障確保は重大な課題である。しかし、安全保障を米軍に丸投げする発想から抜け出すことが重要なのだ。安全を確保するための要件は軍事力だけではない。論理力、総体としての外交力そのものが問われるのである。
米中が急接近を示すなかで、かつてのソ連封じ込めの発想で中国との外交に臨むことも適切ではない。また、自国の安全は自国の力で守るのが正常な国の姿でもある。
「抑止力」論者はいつも日本の軍事費対GDP比の低さを持ち出すが、国防力は軍事費GDP比だけで決定されるものではない。アイスランドのように、非武装での安全保障を模索する国も存在する。
鳩山総理が沖縄訪問で口にした「抑止力」に、マスメディアがすがりついた。基地全面拒絶運動に対する全面支援活動が、鳩山政権の国外移設提案というウルトラCを側面支援することになることに気がついたからだろう。鳩山政権を追い詰めているつもりが、実は敵の策略にからめとられているのではとの、背筋を寒くする懸念が頭をもたげてきたのだろう。
マスメディアは、鳩山総理の「抑止力」発言を言質として捕まえることに懸命になり始めた。テレビ朝日、日本テレビが早速、鳩山総理の決断を変えた根拠としての「抑止力」論の普及に乗り出している。
しかし、「抑止力」論は相対的なものである。どのようにも言い換えることができるわけで、基地の所在地を特定する根拠にはなり得ない。
鳩山総理は抑止力の観点から許容される選択肢のなかから、政府最終案を決定したと発言すれば、海外移設案を提示することも十分可能なのである。
普天間基地返還問題を最終的に海外移設で決着できるよう、鳩山政権が全力を傾注するべき時期が到来した。
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