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普天間問題に見る政治報道の無責任 (永田町異聞) http://www.asyura2.com/10/senkyo86/msg/119.html
http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10530889914.html
小沢一郎が夕刊フジに連載していたコラムをまとめた「剛腕維新」なる本がある。 その2005年10月28日の記事には「普天間飛行場問題、やっと基本合意」というタイトルがついている。その一部。
在日米軍協議の焦点となっていた普天間飛行場の移設問題が26日、やっと基本合意に達した。(中略)しかし、ほんとうに沖縄県民の理解を得て、これを実行できるかどうか、まだ見通しは立っていない状況だ。 いずれにしても、9年前の橋本内閣時代に決まっていた移転話がここまで長引いた最大の責任は日本政府にある。(中略)米国のご機嫌を損なわないように適当にふるまいながら、一方で沖縄県民にもいい顔がしたい日本政府のいい加減さが、問題をずるずると先送りさせて、日本に対する信頼を損ねてきたのである。 長い歳月を経て、辺野古崎に新基地を建設することに合意したとはいえ、沖縄県民が納得しほんとうに着工できるのだろうか、という小沢の疑念がにじむ。 当時、日本の政治状況はというと、郵政解散、総選挙で自民党が大勝し、小泉政権が念願の郵政民営化関連法案を成立させた余韻のなかにあった。 刺客、小泉チルドレン、偉大なるイエスマン・・・世の中、どこか浮ついていた。郵政民営化で、日本がよくなると信じていた人も多かろう。 小沢氏の記事が出た翌日の10月29日、「日米同盟:未来のための変革と再編」がワシントンで正式合意された。 いわゆる日米の外務、防衛閣僚「2+2」がとりまとめた。ライス国務長官、ラムズフェルド国防長官、町村外相、大野防衛長官の4人である。 この再編合意は、米軍世界戦略への自衛隊組み入れという、日米安保の変質を迫る重大な内容を含んでいる。60年安保以来の大騒ぎになってもおかしくないニュースだった。 もちろん、報じられないことはなかった。全国ネットでニュースは流れた。しかし、政治ジャーナリズムがこれを特別に問題視することはなかった。 メディアは小泉劇場の幕を開けたまま、ファンタジーを続けていたかったのだろう。 米国の言うとおりにしておけば大丈夫、小泉首相なら任しておける。ブッシュを小泉が支援したイラク戦争に疑問を持ちながら、まだそんな空気が世の中を覆っていなかっただろうか。 こういうムードに流されることなく、直視すべき現実として、日米同盟再編合意があった。学者、評論家、ジャーナリストの出番であった。 冷静な視点から、この日米合意文を熟読玩味し、正確な情報を国民に知らせるべきだった。 この合意に至る前に、沖縄に新たな基地の負担を押しつけることの是非をメディアはしっかり論じただろうか。 海兵隊のグアム移転を含む米軍再編の本質、日米同盟のあり方などについて、正常に思考を働かしただろうか。 あの時に、必要なところに着眼し、正確な情報を発信していたならば、今になって鳩山首相だけに責任を押しつけるようなことをしなくてもすんだのではないか。 ここに、政策、戦略より、政局取材に明け暮れてきたこの国の政治ジャーナリズムの脆弱さがある。 1955年以来、わずかな期間を除きほぼ一貫して続いた自民党の一党支配。政権交代がない政治に、本物の政策論争は生まれない。 政治記者は、有力政治家に擦り寄り、食い込み、あたかも参謀か秘書か仲介役のように立ち回って、しだいに政局通になる。やがて大物記者、政治評論家と呼ばれる人々がそのなかから誕生する。 政策立案は官僚に丸投げし、党内の派閥抗争に血道を上げる政治家たちの本音や人間関係、密談の内容などにめっぽう詳しいがゆえに、彼らはメディアで重宝され、テレビの企画に合わせた商売用の発言で世の中の空気をつくっていく。 世間の好奇心に迎合するだけの低次元の発言がどのように政治を歪めているか一顧だにしない。彼らの中に官房機密費から拠出された税金を盆暮れに受け取る不心得者がいるのもなんら不思議はない。 政治ジャーナリズムは政権交代とともに刷新されなくてはならなかった。自民党政権と癒着し、適当な批判ポーズを示しつつ、もちつもたれつで甘い汁を吸ってきた有名ジャーナリストや政治評論家はメディアから退場すべきだった。 これまで長年にわたって築いてきた情報ネットワークが自民下野で遮断され、新政権の記者会見開放などで既得権が脅かされつつある今、彼らは「政治とカネ」「普天間」というキーワードに頼って、自らが提案することもなしに無定見な批判を続けるしか活路を見い出せなくなっているようにも思える。 危機なのは政治ではない。メディアが正確に事実を報じ、バランスのとれた判断のできる情報環境をつくりあげれば、誰が政権を握ろうとも、政治は国民に政権交代されないよう、試行錯誤を繰り返しながらも少しずつよい方向に向かうだろう。 危機に直面しているのはむしろマスメディアだ。時代の変化に対応できていないのは政治ジャーナリズムである。「政策記者」を育て、大人の政略を語れる政治評論家を発掘すべき時がきている。
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