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政治の大局を見据えよう (山口二郎) http://www.asyura2.com/10/senkyo85/msg/783.html
私がこの欄に執筆を始めたのは2000年の4月のことだから、今回でちょうど10年を迎えたことになる。言うまでもないが、この十年の政治の変化は巨大なものであった。小泉、安倍政権の頃は、変化の可能性がさっぱり見えない中で日本の政治を論じること自体が無意味に思えた。しかし、批判的言論の灯を絶やしてはならないという一心で書き続けてきた。そして、予想外に早く政権交代を実現することができ、曲がりなりにも、首相が命を大事にする政治を叫ぶ時代になった。民主党を軸とした政権をどう立て直すかという議論は、一昔前から見れば贅沢な悩みということもできる。目の前の問題をどうするかも大事だが、まさに十年くらいの時間の幅で政治を論じることも必要である。 私自身も今年に入ってから、民主党及び鳩山政権にはずいぶん厳しい批判を書いてきた。本人は政権の建て直しのために提言しているつもりだが、民主党攻撃に勢いをつける結果になったのかもしれない。政権交代の意義そのものを否定する動きがこれだけ大きくなれば、単に民主党の悪口を言うのではなく、政権交代の経験を踏まえ、日本の民主政治を前に進めるための議論が必要となる。 なぜこんなことを考えるかというと、民主党を倒すと威勢のいいことを言っている連中を見て、これでは危ないと思うからである。立ち上がれ日本は、石原慎太郎都知事が名付け親であることが物語るとおり、時代錯誤的な右翼政党である。この経済危機の折に、自主憲法制定などという趣味を追求されては、国民は迷惑するだけである。山田宏杉並区長が代表となった日本創新党にしても、いかがわしいと言うほかない顔ぶれである。要するにこの党は、松下政経塾右派の政党である。このように、参議院選挙をにらんで倒閣運動を進めようとしているのは、右派勢力である。彼らはこのまま民主党が政権を持続し、政策を進められるのが困るから、民主党攻撃に躍起となる。 本誌の読者から見れば、普天間問題、社会保障の再建などのテーマについて、鳩山政権の取り組みは生ぬるく、不満がたまる一方である。しかし、右派にとっては政権がこのようなアジェンダを掲げただけで、大きな危機に見えるのである。同じく鳩山政権を批判するにしても、正しい政策を掲げているが実行力がないというのと、そもそも間違った方向を目指しているというのでは、まったく意味が異なる。民主党の現状にはいろいろ不満もあるが、ともかくこの苦境を乗り越えて、本来の政策を実現せよというのが我々のとるべき態度である。 しばらくは政治の混迷が続くであろう。こういう時は、政策の大義を明らかにし、敵味方を識別する基準を持つことが、何より大切である。(週刊金曜日4月23日号)
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