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大鶴・佐久間の新体制で検察は再び暴走するのか (永田町異聞) http://www.asyura2.com/10/senkyo85/msg/665.html
http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10525371196.html
定期異動よりなぜか1ヶ月前倒しの人事で、3月1日、最高検刑事部の大鶴基成は東京地検次席検事に就任した。 前任の谷川恒太は交代で最高検に移った。彼について、さまざまな不手際を指摘する声があるのは、このさいおいておこう。 1ヶ月早めたことが憶測を呼ぶ。佐久間達哉特捜部長の前任特捜部長である大鶴を上司として戻し、指揮をとらせるこの人事が何を物語るのか。 大鶴は小沢追及の急先鋒だ。最高検に身をおきながら、昨年来、特捜の小沢捜査に口を出し、実質上の総司令官だったとさえいわれる。小沢不起訴と決まったとき、誰よりも大鶴が悔しがったという。 大鶴が特捜部長、佐久間が副部長として手がけたのが佐藤栄佐久福島県知事の収賄容疑事件だ。 この事件で2009年10月14日に、佐藤は収賄罪で執行猶予付きの有罪判決を受けたが、驚くことに裁判所は賄賂の額を「ゼロ」と認定した。実質無罪判決だった。でっち上げの事件といってもいい。 それでも検察組織の物差しでは、大鶴=辣腕の評価が高い。東京検察審査会が小沢一郎を「起訴相当」と議決するのを前提に、エース、大鶴を東京地検に送り込んだ可能性がないとはいえない。 そう想定したうえで、筆者流に勝手なストーリーを描いてみよう。 小沢不起訴に納得がいかない大鶴は再捜査をめざし、検察にとって諸刃の剣になりかねない検察審査会に望みを託して、検察上層部に異動を働きかけた。 その熱意にほだされたのか、検察の威信回復を大鶴に賭けたのか。検察上層部が定期異動を待たず、先手を打ってこの人事を断行した。谷川と大鶴は同期入庁。役所の常識として、ありえない人事だった。 大鶴は佐久間らと周到な策を練って、審査会のメンバーを「小沢起訴相当」に誘導するよう、意図的に捜査内容の説明をしたかもしれない。 同じ内容でも、提出資料の書き方、不起訴理由説明の言いまわしで、白にも黒にも見せられる。 大鶴は記者たちに受けが悪いという。サービス精神皆無の傲岸不遜なイメージが災いしているようだ。その一直線の性格は、彼をして小沢悪人説の確信犯として突っ走らせはしまいか。 つまり、再捜査で無理にでも小沢起訴へ持ち込む役柄を演じるつもりが大鶴にあるのではないかということだ。 詳しくは4月30日の当ブログをご覧いただきたいが、今回、検察審査会は、陸山会が04年10月に約3億4千万円で土地を購入したのに、登記された05年1月7日に取得したと05年の報告書に記入したことをもって、虚偽記載にあたるとし、小沢を「起訴相当」と議決した。 本来なら、報告書の修正ですむほどの軽微な問題である。むろん、これは単なる捜査の入り口にすぎないものだった。 検察は水谷建設からの裏金があったという筋書きを描いて、元秘書らを逮捕して調べたが、立証する供述は得られず、捜査は完全に行き詰った。本命の裏金で立件できない以上、検察の常識からいって、不起訴しかなかった。 これからの再捜査で、大鶴は水谷建設がらみの新証拠が出てくると思っているだろうか。小沢事務所の秘書たちが「裏金は絶対にない」と断言しているのである。 検察は昨年来、小沢側に金権体質があるかのごときリークを続け、マスコミがこれに悪乗りした。キーワードは「天の声」だった。 岩手県内の工事受注を希望するゼネコンは小沢事務所に「天の声」を出してもらうよう陳情し、その対価として寄付金を小沢事務所に提供していたというのだ。 しかし、西松建設の国沢幹雄らに対する昨年7月17日の判決では、「岩手県選出の衆院議員との良好な関係を築こうとして平成9年頃から行ってきた寄付の一環」であって、「工事受注の見返りではない」と、明確に「天の声」が否定されている。 水谷建設会長の「裏金を渡した」という供述に全く信憑性がないことは再三、このブログでもふれた。 こういう状況のもと、特捜部が再捜査で小沢を起訴するには、なりふりかまわず検察審査会が提示した軽微な容疑内容で、秘書らとの共謀を問うしかないのではないか。 もし、検察がそういう決断をするとすれば、政治家を経済事案で立件するハードルをさらに大きく引き下げる前例をつくることになる。 そもそも、今この時点でも、なぜ検察がすぐに手をつけないのか疑問視されている案件がいくつもある。 たとえば、久間章生元防衛相に東邦グローバルアソシエイツ(旧千年の杜)から約4000万円が渡っていたとされる疑惑。 ソチ冬季オリンピックがらみで同社がぶちあげた「ソチ人工島建設計画」を久間らが支援。20円そこそこだった同社の株価が、501円の高値をつけた直後、久間の軍事関連情報提供サービス会社「アイメック」に4000万円が振り込まれていたという。 昨年6月25日の当ブログに書いたが、与謝野馨の資金管理団体「駿山会」に、先物取引会社「オリエント貿易」のダミー政治団体「政経政策研究会」から多額の献金がおこなわれていたという一件も明らかになっている。 81年から与謝野側に毎月25万円、92年〜05年にわたり計約5530万円が「駿山会」に献金され、それらを合わせると8530万円を受け取っていたことになる。 「政経政策研究会」の献金原資はオリエント貿易グループ5社の幹部社員給与から天引きした寄付金であり、収支報告書にオリエントではなく政経会の名を記載したのは、小沢のケースを適用すれば、明らかに政治資金規正法違反となるはずだ。 世間受けをねらい、メディアにちょうちんを持たせて小沢サイドへの無理筋捜査を続けてきた検察が、壁にぶち当たってのたうちまわっているように見える。異例な人事はその表れか。 大鶴、佐久間コンビが罪の軽重への平衡感覚を失ったまま再び暴走を始めるとしたら、この国は捜査権力の自由裁量でいかようにも変えられる暗黒社会となる。
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