01. 2010年5月01日 12:32:32: JWLoyoulTs
http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/0090bb2c93cde3ed3ad6b2491dea68dd 政府案と鳩山首相来沖 (海鳴りの島から) 鳩山首相が5月4日に来沖し、仲井真知事と面談するという報道がなされている。28日までに政府案の大筋が決まり、仲井真知事に協力要請に訪れるというもので、政府案の内容は、名護市辺野古の浅瀬に杭打ち桟橋方式で新基地を建設し、普天間基地を「移設」。併せて徳之島にヘリコプター部隊を分散移転するというものだ。 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100428-OYT1T00607.htm 稲嶺進名護市長は、海にも陸にも新しい基地は造らせない、と繰り返し主張しており、4・25県民大会でも「県内移設」反対を明言した。一方、仲井真知事は「県内移設」に含みを持たせる対応をしているが、4・25県民大会に出席しておきながら政府案を受け入れば、県民の猛反発を受けるのは必至であり、11月の県知事選挙を待たずにリコール運動が起こるだろう。 政府内には杭打ち桟橋方式なら自然環境の破壊が軽減されるとする声があるようだが、それは埋め立て方式と比較した相対的なものにすぎない。杭打ち桟橋方式であっても、数千本も打ち込まれる杭による潮流の変化がもたらす影響や、上部構造物によって日照が遮られ、海底の藻場やサンゴが死滅する、という指摘が過去に行われてきた。 普天間基地の「県内移設」=たらい回しをめぐっては、かつて埋め立て方式、杭打ち桟橋方式、浮体構造物方式の三工法が検討され、それぞれの工法を推す業界団体と国会議員、官僚らが沖縄・名護の企業、政治家と結びついて利権争いを行ってきた。 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-90560-storytopic-86.html 結果として埋め立て方式に決まったのだが、そこには砂利採取業者などの利権がからんでおり、県内企業がより多く参入できるという背景があったことも指摘されている。 今回、改めて杭打ち桟橋方式が出てきたのも、環境への配慮は表向きのきれい事であり、裏では同工法を推す業界団体や政治家の働きかけがあるはずだ。また、公有水面の埋め立てには県知事の許可が必要だが、杭打ち桟橋方式の場合はどうなのか。より着工に踏み切りやすい工法に変えようという思惑もありはしないか。 いずれにしても、自公政権が進めた計画から少し場所をずらして工法を変えれば、辺野古で「移設」=新基地建設が可能だと考えること自体が、名護市民・沖縄県民をなめきったものだ。それを政府案として提案することは、鳩山政権の沖縄に対する姿勢もしょせんは自公政権と変わらないことを示し、沖縄への差別政策を継続する、と宣言するに等しい。 鳩山首相が来沖して政府案への理解や協力を求めても、沖縄県民がそれに応じることはあり得ない。逆に「最低でも県外」といった公約の実現を強く迫られるだけのことだ。仲井真知事も県民の意思を無視した対応は許されない。 政府内では「県外移設」にこだわる鳩山首相への包囲網が強まり、今回の政府案になったようだが、「県内移設」で強行突破できる、という考えがあるなら大きな誤りだ。自公政権下で沖縄県知事、名護市長が「移設」容認であったときでさえ、それが不可能だったことを知るべきだ。自公政権以上の強硬姿勢で着工するというなら、沖縄の島ぐるみ闘争が量・質ともに拡大し、むしろ追いつめられるのは政府の方だ。
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