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民主党は、肩たたきを廃止すると公約しておきながら公約破りを行っていたのだ。はたしてハローワークで再就職したのか? http://www.asyura2.com/10/senkyo85/msg/481.html
株式日記と経済展望 2010年4月30日 金曜日 ◆「役人はハローワーク行け」消えた 口先だけだった民主党 4月15日 高橋洋一 「国家公務員法改正案」について、2010年4月6日の衆議院本会議で審議スタートした。当初は、「政治主導確立法案」が先に審議されるとみられていたが、セットで審議されるべき「国会審議活性化法案」が出遅れ、「国家公務員法改正案」が先行することになった。審議入りの前日、自民党・みんなの党の共同提案で対案が提出され、今国会初の本格的な論戦となっている。 それにしても目立つのは、「かつての民主党の主張」と「今回の鳩山内閣の法案」との乖離だ。 例えば、官民人材交流センターの扱いだ。それは、各府省が独自で行っていた天下りあっせんを禁止する代わりに、官民人材交流センターで再就職あっせんを行うという仕組みだった。これに対して、かつて民主党は、官民人材交流センターは役人のための天下りバンク、特別の豪華版ハローワークだといい、役人はハローワークへ行けといった。 失業保険と無縁の「優雅」な余生 ところが、今回の民主党の法案を見ると、「官民人材交流センター」は、名称を「民間人材登用・再就職適正化センター」と改称し、解雇に当たる「分限免職」時のみに再就職あっせんするとのことである。では、ほかのケースはどうなるのか。まだ不明な点が多いが、おそらく、従来の天下りといわれていたものでも、天下りでないとか言い訳をしながら、結局、実質的に野放しになったり、逆に「合法化」されて従来より悪くなったりするおそれもある。この点は機会を改めて論じたいが、あの威勢のよかった「役人はハローワークに行け」はどうなったのか。 そもそも、役人にハローワークに行かせることはなかなか難しい。多くの人がハローワークに行くのは、就職情報のためだけでなく、失業保険の給付がもらえるからだ。ところが、公務員は雇用保険に加入していない。国は民間会社のように倒産しないというのが前提なのだ。おまけに、解雇に当たる分限免職はまずないのだから、雇用保険に入る理由がますますない。天下り・渡りで優雅な余生を送る役人はほとんどハローワークに行くことは想定されていない。(後略) ◆民主やっぱり官僚肩たたき 拒否ほぼゼロの理由はこれ 4月29日 高橋洋一 昨2009年、民主党は政策集INDEX2009を出し、その中で「天下りの背景となっている早期退職勧奨を廃止します」と公約した。07年5月15日衆議院本会議において、馬淵澄夫議員は、「天下りに起因する数々の諸問題の抜本的解決を図るには、この肩たたきの禁止が不可欠であります」、「肩たたきがなくなると組織の活性化が維持できないなどとするのは、組織みずからが自己変革のマネジメントを放棄しているのに等しいものではありませんか。国民の理解を到底得るものではありません」と主張していた。 退職勧奨というのは、いわゆる肩たたきである。どんな組織でも同じであるが、ランクの高いポストは少なくなっていく。民間、特に大企業であれば、トップ層まで行かない人は途中で関連会社へ出たり、転職したりする。一部の人は転職先の面倒を見てもらえるが、そうでない人も多い。 1221人中拒否は2人だけという不自然 09年の民主党の公約どおりであれば、肩たたきをやめてみんな役人のままで、窓際ポストを増やさざるをえない。一方で、民主党は「国家公務員総人件費を2割削減」と公約していたので、肩たたきなしで役人が役所に残ると、かなりの給与カットにならざるをえない。給与カットは簡単にはできないので、民主党の公約である肩たたきの禁止はできないだろうといわれていた。 案の定、鳩山政権になってからの09年9月16日から今10年3月12日までの間に、課長・企画官以上で83人、課長補佐以下で1138人、合計1221人に肩たたきを行っていた。これは、今国会での国家公務員法改正案の審議において、山内康一議員(みんなの党)からの質問主意書(3月12日)への政府回答や、4月16日と21日に総務省から衆議院内閣委員会に提出された資料で判明した。なんのことはない、民主党は、肩たたきを廃止すると公約しておきながら、こっそりと公約破りを行っていたのだ。上記資料によれば、なんと、政権交代直後の09年10月6日以降、肩たたきが恒常的に行われていたのだ。 さらに、興味深いことも明らかになった。肩たたきを受けながら拒否した人は、課長・企画官以上で83人中ゼロ人、課長補佐以下で1138人中たった2人、合計で1221人中2人、0.2%というのだ。民主党は、肩叩きがあったことは認めてしまったので、これらは「あっせんのない」肩たたきだったことになる。しかし、あっせんのない肩たたきで、拒否した人が0.2%というのはあまりに少なすぎて不自然だ。肩たたきされると、多少は退職金が割増になるが、それでも役所に居座るほうが、給料は高い。99.8%の1219人も、再就職のあてがないまま肩たたきを受け入れて退職するとはとうてい考えられない。(後略) (私のコメント) 私のスタンスはアメリカだろうが中国だろうが、自民党だろうが民主党だろうがダメなものは切りまくるスタンスですが、鳩山民主党政権も半年足らずで馬脚を現してきました。結局は歯切れのいいマニフェストを掲げたところで、実際に施行しようとすると現場からの猛烈な反対に出会う。公務員制度改革も自民党政権のものより後退したものになりそうだ。 民主党は「役人はハローワークに行け」というのは分かりやすい政策ですが、自民党の官民人材交流センターを批判してきた。高橋洋一氏の記事でも民主党政権に代わっても肩たたきそのものは行なわれ続けているようだ。それに対して肩たたきを拒否したのは0,2%しかいないと言うのは結局は天下り斡旋をしているのだろう。 組織が大組織になれば民間の大企業でもポストが無いから肩たたきが行われる事が多い。終身雇用はなくなっても年功序列による人事制度が根強く残っている。国会議員ですら当選回数がものを言う世界であり、いくら有能でも若手が幹部に抜擢される事は例外的だ。国会がそうなのだから公務員の世界も年功序列でポストが少なくなるたびに肩たたきで組織を保つようにしている。 銀行などでも中高年社員が増えて副支店長や支店長代理だらけの銀行が多くなりましたが、支店長となると一人しか置けないから支店長になれない代理は肩たたきが行なわれる。しかし50歳過ぎるとどんな張り切りサラリーマンでもくたびれた感じになって会社でもお荷物になってくる人が多い。しかし格下げや減給などは組織を維持する為には実施は難しいだろう。 このような年功序列組織を変えようとすればかなりの抵抗が出るのは当然であり、新卒を一括採用して出世競争に駆り立てて働かせるのが日本の企業文化だった。だから新卒一括採用のレールから外れてしまうと元に戻る事が非常に難しくなる。だから非常に日本企業は閉鎖的に見えてしまう。 国会議員にしても民間企業にしても人材が枯渇してしまうのは年功序列組織が優秀な若手を潰してしまうからだろう。そして無能でも職場にしがみ付いていれば年功序列で自動的に出世が出来るから我慢強い無能な人物が出世する事になる。公務員も同じく新卒一括採用年功序列の世界だから、民間と官庁を行ったり来たり出来るような人物が非常に少ない。 公務員の世界も労働基本権を認めて、肩たたきや解雇が出来るようにして、失業保険も作って民間と同じようにすべきだ。そうしないと公務員給与法だけを変えても改革は難しい。今は国も地方も財政赤字で公務員の給与が非常に重荷になっている。しかしリストラも行なわれず減給も出来ないのでは赤字が大きくなって行くばかりだ。 自民党政権でも公務員改革はなかなか実行する事は抵抗が多くて難しくて難航してきた。そこへ民主党が「公務員はハローワークへ行け」と言うのは歯切れが良くて分かり易い。ハローワークに行けば自分がいかに無能で役立たずであるかが分かるはずだ。職が見つかっても給与は半分以下に落ち込んでしまう。公務員がこのような経験をする事は悪夢だろう。 去年の衆議院選挙では自民党はダメだから民主党にやらせてみようという事でやらせてみたらやっぱしダメだったという事だ。独立行政法人の原則廃止はどうなったのだろうか? 肩たたきも廃止する事は難しいだろう。天下り禁止も公務員の高齢化が進むばかりで新規採用をそれだけ絞る事につながってしまう。 日本の民間企業に活力が失われているのは社員の高齢化が進んで、若い社員は派遣の非正規社員が多くなっているからだ。公務員でも若い非正規公務員が増えている。このように日本の年功序列社会は若い人にしわ寄せが来る社会であり、中高年社員は使い物にならなくなってもクビになる事は少ない。妥協の産物が肩たたきであり再就職先を会社が斡旋してくれる。天下りも同じ構造だ。 民間企業でも新卒一括採用年功序列が止められない様な社会では天下りを無くすというのは、企業組織文化を変えると言う事ですが簡単ではない事がわかる。民主党は政治主導といいながら公務員制度改革ができないと言う事ははっきりしてきた。要するに民主党は旧社会党のような何でも反対政党でしかなかったのだろう。旧社会党はそれが分かっていたから政権を取る事はなかった。 公務員制度改革を行なうにはよほど国民の支持率が高くないと出来ないだろう。役人たちはそれが分かっているから次々とスキャンダルをリークして足を引っ張る。だから政権は発足しても一年も持たずに首相は政権を放り出す。90年代からそれの連続なのですが鳩山首相も世襲の国会議員であり最初から無理だったのかもしれない。
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