★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK85 > 394.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
誰がこの国の支配者かを巡る権力闘争(エレクトリックジャーナル第2803号,2804号)-官僚組織を守る切り札「検察」
http://www.asyura2.com/10/senkyo85/msg/394.html
投稿者 JAXVN 日時 2010 年 4 月 29 日 09:23:25: fSuEJ1ZfVg3Og
 

「リクルート事件の発端は川崎市(EJ第2803号)

 「リクルート事件」という言葉を聞いて、それがとのような事
件であったか説明できるでしょうか。
 リクルート社の創業者である江副浩正氏が、系列のリクルート
・コスモス社の未公開株を政財界の要人多数に賄賂目的で幅広く
譲渡し、それが発覚して多くの関係者が事情聴取されたり、逮捕
・起訴され、竹下首相退陣の原因のひとつにもなった戦後最大級
の構造汚職疑惑である──詳しい人でもせいぜいこの程度の記憶
ではないかと思われます。
 ところで、公開前の株式譲渡というのは違法なのでしょうか。
 はっきりしていることは、公開前の株式譲渡自体は違法ではな
いということです。これは業界の慣行であり、多くの企業が行っ
ていることであったからです。
 ただし、江副氏の場合、その譲渡先が政治家や官僚、財界人な
どの多岐・多数にわたっており、賄賂性があるのではないかと疑
われたのです。しかし、未公開株の賄賂性を問うのは、極めて困
難であり、普通なら検察は動かないものなのです。
 1988年6月18日付の朝日新聞の朝刊、社会面のトップに
次の見出しの記事が報道されたのです。のちに、「リクルート事
件」として大騒ぎになる最初のニュースであったのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
   『リクルート』川崎市誘致時 助役が関連株取得
       ──1988年6月18日付の朝日新聞
―――――――――――――――――――――――――――――
 JR川崎駅西口前にかわさきテクノピア地区と呼ばれる再開発
地域があります。リクルートは、川崎市から誘致を受けてその地
区にインテリジェントビルを建てたのです。記事の内容は、その
誘致をした川崎市の小松秀煕助役に対し、リクルートの関連会社
リクルートコスモスの未公開株が店頭登録前の1984年12月
に譲渡されていたというものであったのです。
 朝日新聞の記事には間違いはなく、確かにリクルート側は、小
松助役に対してリクルートコスモスの未公開株3000株が譲渡
されていたのです。このコスモス株はその後株式分割され、同助
役の保有株は3万株になったのです。小松助役は、この株を19
86年10月にリクルートコスモスの株が店頭公開されたときに
売却し、約1億2000万円の利益を得ているのです。
 本来未公開株は公開時には値上がりするものであり、まして業
績好調のリクルートの関連会社であるリクルートコスモスの未公
開株であれば、値上がりは確実なのです。しかし、前述したよう
に、未公開株の譲渡は慣行として行われており、それ自体には違
法性はなく、まして賄賂性は考えられなかったのです。
 問題はリクルート側が川崎への進出に当たって、川崎市に対し
何かを依頼することがあったかどうかです。これに対して江副氏
は、はっきりと「ない」といっているのです。
 ただひとつ疑点があります。リクルートがかわさきテクノピア
地区への進出を決めたのは1985年4月のことなのですが、そ
のときは建物の容積率が300%しかなく、ビルを建てても採算
に合わなかったということです。
 しかし、リクルートが契約を結んだ1ヶ月後に、川崎市はこの
地区を「特定街区」に決めているのです。特定街区になると、容
積率は700%になり、リクルートは20階建てのビルを建てる
ことができたのです。それに小松助役は、企画調整局長としてテ
クノピア地区の開発を担当していたのです。
 朝日新聞の記事には、リクルート側が小松助役に特定街区の指
定を依頼し、その見返りとして値上がり確実な未公開株を割り当
てたのではないかと書かれていたのです。これなら賄賂の可能性
が出てくるのです。しかし、川崎市としては、企業をテクノピア
地区へ誘致するさい、それを特定街区にすることは企業側に話し
それを前提として営業しているはずです。それにその便宜を受け
るのはリクルートだけではないのです。
 さらにリクルート側は、小松助役に対し、コスモスの未公開株
をファーストファイナンスというリクルートグループの金融会社
の融資まで付けて譲渡しているのです。これなら、手持ち資金が
なくても未公開株の譲渡を受けられるのです。
 しかし、世の中というものは、濡れ手で粟を掴むような大儲け
をした人には厳しいものです。「うまくやりやがったな」と思わ
れてしまうからです。結局、小松助役は解職になったのですが、
検察は動かなかったのです。どうしてかというと、譲渡されたの
が未公開株で、賄賂性の立証が困難であったからです。
 この件について、田原総一朗氏は、自著『正義の罠』(小学館
刊)で次のように書いています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 朝日新聞の横浜支局が川崎市助役とリクルートとの関係につい
 てのスクープを得た舞台裏について、こう説明している。「朝
 日新聞の横浜支局が、神奈川県警の捜査二課が川崎市役所の小
 松助役のサンズイ(汚職)を追及していて、捜査の進展が早そ
 うだ、という確かな情報を掴んだのは、88年4月上旬であっ
 た。ただし、二課の動きを察知したのは、朝日新聞だけではな
 かった。捜査二課に張り付いていれば、掴める動きであった。
 贈賄側がリクルートコスモスだという事実も掴んだ。小松助役
 の逮捕近し、との感触も県警筋から得ていた。ところが、5月
 中旬に神奈川県警は捜査を断念した。贈賄側(リクルート)の
 時効である三年を超えていたことと、譲渡されたのが未公開株
 で、賄賂性の立証が困難だと判断したのであった。各社は県警
 の断念で取材を打ち切った。事件にならない素材を追及しても
 意味がないと考えたのである。だが、朝日新聞の横浜支局だけ
 は、逆に取材体制を強化した。実をいえば、横浜支局でも取材
 を打ち切ろうという意見が強かったのであるが、デスクの山本
 博が「取材を続行すべき」だと強硬に主張したのである。
        ──田原総一朗著、『正義の罠』(小学館刊)
―――――――――   ――──[ジャーナリズム論/07]


≪関連情報≫
 ●かわさきテクノピア地区とは何か
  ―――――――――――――――――――――――――――
  テクノピアと言っても実態は先端企業の貸事務所と1.2階
  は店舗の普通のビルで、このアリーナは昼食時のみ、食事を
  する人たちで満杯となるがその他の時間は何もない空間であ
  る。周辺には東芝のオフィス、データーベースを保管する川
  崎テックセンターなどがあるが、事務所ビル街といった感じ
  で潤いが余りない。残念だがまだ工業都市の事務所街であり
  情報化社会のオフィス群になっていないと言うのが正直な感
  想である。とは言えこの地域は、かの有名な”リクルート事
  件”の発端となった場所である。
  http://blog.goo.ne.jp/goo200803/e/f11773e25a30f92d215b47218f5edc65
  ―――――――――――――――――――――――――――」
http://electronic-journal.seesaa.net/article/147923383.html

「誰がこの国の支配者かを巡る権力闘争(EJ第2804号)

 神奈川県警による川崎市の小松助役への立件断念を受けて、報
道各社は1社を除いて取材体制を解いたのです。もし、そのとき
報道各社がすべて取材をやめていたら、政治とカネをめぐる戦後
最大の疑獄事件とされるリクルート事件は、陽の目を見ることは
なく終わっていたはずです。
 このように書くと、悪が表に出ないで終わっていたというよう
に取られるかもしれませんが、そうではないのです。本来企業の
オーナーが関連会社の株式上場に当たって、企業発展に尽力して
いただいた親しい人に未公開株を譲渡し、以後安定株主になって
もらうこと自体は違法でないし、その譲渡を受けたからといって
法に問われることはないのです。
 したがって、江副氏の場合、やりすぎた感は確かにあるものの
あくまで法律の範囲内でやったことであり、それに対して約15
年に及ぶ322回の公判の結果、彼に下された「懲役3年/執行
猶予5年」の罪が相応しいものであったかどうかは疑念の残るこ
とであります。
 さて、県警の立件断念によっても報道を中止するどころか、逆
に取材体制を強化したのは朝日新聞なのです。それは同社の山本
博デスクの判断であったのです。なぜ、山本デスクが取材体制を
継続・強化したかについて田原総一朗氏は、当の山本デスクに取
材して、次のように述べているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 まず、川崎市は伊藤三郎市長が革新系で革新市政だつたのです
 よ。革新の売り物は、何よりも清潔。これだけでしょう。無能
 なんですから。その売り物の清潔さが首席助役によって汚され
 ている。これはおもしろいじゃないか。それに贈賄側が土建屋
 ならば、当たり前すぎておもしろくないが、いまをときめくリ
 クルートで、きわめて特異な成長企業として日本中の注目を集
 めている。そのリクルートの贈賄というのは、意外性があって
 おもしろい。さらに、『株をやらないのは化石人類』だといわ
 れる株ブームの中で、現金ではなく株の操作が賄賂のように使
 われた。バブルを利用した。この手口もおもしろい。
                     ──田原総一朗氏
                 ――平野貞夫著/講談社刊
   『小沢一郎完全無罪/「特高検察」の犯した7つの大罪』
―――――――――――――――――――――――――――――
 「革新市長の売りの清潔さ」、「今をときめく成長企業リクル
ート」、「株操作による新しいタイプの賄賂」──これら3つの
要素は意外性があって面白いし、刑事事件として立件できるかど
うかはわからないが、社会的に批判を浴びる事件であり、ジャー
ナリズムの責任として追及すべきであると山本博デスクは取材を
続けた理由についてこのように話しているのです。
 「小沢一郎論」のときにも述べましたが、佐藤優氏は2009
年の政権交代によって官僚組織と国会議員による「誰が日本国家
を支配するか」の権力闘争がはじまったと述べています。
 官僚組織にとって国民は無知蒙昧な存在であり、国を支配する
のは国家公務員試験や司法試験などの難しい資格試験に合格した
エリートであるべきであり、結果としてそれが国民の幸せにつな
がるのだと考えている──2009年8月までは、そういう官僚
主導の政治が続いたのです。
 これに対して民主党は、国家を支配するのは国民により選挙さ
れた国会議員であるとして、「政治主導」を推進しつつあるので
すが、いろいろな面で官僚組織による妨害工作を受けてかなり不
安定な政権運営を強いられています。
 官僚組織は、あくまで主役は国会議員であるようにして黒子を
演じ、けっして表面に立たないようふるまっていますが、国を動
かすあらゆる決定は、実質上キャリア組トップの事務次官を頂点
とする官僚組織がやってきたのです。そして、問題が生じたとき
は、国会議員である大臣に責任を取らせるという巧妙きわまるシ
ステムを長い年数をかけてつくり上げてきたのです。
 事務次官といえば、キャリア組の出世の最終ゴールです。その
割には「事務次官」とは控えめな名称ではないでしょうか。もと
は「次官」だったのですが、「次官」といえば上があり、一歩引
いたように見えるところがなかなか巧妙です。このようにして自
分の身を安全な場所に置いて事実上国を動かし、失敗すれば大臣
に責任を取らせてきたのです。
 さらに事務次官の経験者を中心に自らが国会議員になる人も多
くいるのです。そういう元官僚の国会議員は、一部の例外はある
ものの、従来の官僚機構の慣行を忠実に守るので、官僚主導によ
る政治が長い間にわたって続いてきたのです。
 それでもたまには力のある国会議員が登場することもあり、彼
らが今までの慣行を変えようとすると、官僚か国会議員のどちら
がエライか国民に示すことが必要になります。
 そういうときに登場するのが官僚エリートの代表ともいうべき
検察なのです。彼らは「世の中をきれいにする」ことを標榜し、
ときには総理大臣でも与党幹事長でも逮捕します。そして、国民
にこの国を支配しているのはどちらかを知らしめるのです。検察
が総理大臣を逮捕すれば、どちらがエライかいうまでもないこと
です。そうして起こった事件が帝人事件であり、ロッキード事件
であり、これから述べるリクルート事件なのです。そして、現在
進行中の小沢事件も同様です。
 まして民主党はあろうことか、キャリアトップの事務次官の職
を廃止し、公務員制度を改革しようとし、天下りの廃止を強行し
ているのです。したがって、官僚組織としては、それこそ死に物
狂いになって抵抗しようとします。
 それが検察による国会議員の摘発にはじまって、さまざまな局
面での妨害やサボタージュなどの足のひっぱりを行っています。
鳩山政権が迷走しているように見えるのはそのためです。それは
彼らの存亡を賭けた戦いであり、これからますます加熱してきて
くるはずです。     ――──[ジャーナリズム論/08]


≪関連情報≫
 ●事務次官とはどういうポストか/オールアバウトより
  ―――――――――――――――――――――――――――
  大臣政務官の下が事務次官で、ここからが公務員つまり官僚
  たちのポスト、専門的にいうと「一般職」になります。事務
  次官は官僚がつく最高のポストで大臣を助ける重要な役職で
  す。事務次官の下はいくつかの「局」で構成されています。
  局のトップである局長もまた、重要なポストです。また、局
  と同等の機関として官房(トップは官房長)があります。官
  房は企業でいうと総務部と人事部をまとめたようなもので、
  実際には局よりも力をもっています。また、事務次官を補佐
  する役職が置かれることがあります。例をあげると外務省の
  外務審議官、財務省の財務官、農林水産省の農林水産審議官
  などです。こういう役職は専門用語で「総括整理職」といわ
  れています。
  http://allabout.co.jp/career/politicsabc/closeup/CU20010807/
  ―――――――――――――――――――――――――――」
http://electronic-journal.seesaa.net/article/148039926.html  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2010年4月29日 10:40:29: NOG40G0Wws
http://www.ustream.tv/recorded/6497385
郷原氏検察審査会及び小沢氏石川氏ついて語る!
岩上氏のインタビュー。49:34



02. 2010年4月29日 20:10:17: G3S5PfJTUk
 
〈国父きどり編〉より
一.そのうちデェジン(大臣)も
何人か出るでしょう
二.中曽根康弘は小僧だ。坊やだ
三.六十八万坪に独立国を作ろう。
創価王国、創価共和国だ
四.全体主義は一番理想の形態だ
五.私は最高権力者になる
 
http://nisshin-houdou.com/products/economy/0013part.php
 

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
 コメントの2重投稿は禁止です。  URL紹介はタイトル必須
ペンネームの新規作成はこちら←
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK85掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK85掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧