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「冷戦後」の安全保障を我々は今、はじめて議論している(Aobadai Life) http://www.asyura2.com/10/senkyo85/msg/253.html
http://ameblo.jp/aobadai0301/entry-10518962179.html 【転載開始】
普天間基地の国外・県外移設を求める集会が行われた。 そのこともあり、私もツイッターで普天間問題に対する 私なりの意見を集中的に「つぶやいた」のであるが、 すると、いわゆるネトウヨと言われる人たちに、 集中的な嫌がらせのようなツィートを食らうことになった。 ただ、ツィッターの場合は、ブロック機能や、スパム報告機能が充実しているので、 どうってことはないのだが、 一番、腹が立つというか、ひっかかったのは、 彼らの多くが、アイコンに小さな日の丸を貼っていることである。 これは国家、日の丸に対する冒涜だと思った。 日の丸を掲げる以上は、まず、自らの思想・信条、勉強・知性というものを、 徹底的に磨いたうえで、そのうえで、発言をしていほしいものだ。 いたずらに、匿名で、集団リンチを誰かにかけるために、 日の丸をたやすく使ってほしくないものだ。 そう、一人の日本人として感じた。 さて、もうひとつ気づいたのは、勝手に私が、 まるで中国や、北朝鮮の手先であるかのように決め付けられていることである。 この思考回路の幼稚さにも驚いた。 それと同時に、一方で彼らはいったい何を求めていて、 日本はどこに向かうべきだと思っているのだろうかと、 そういうことが、本当にわからくなっていた。 そして、次に考えたのが、日本の言論は、 インターネットの登場や、冷戦後という状況を含めて、 けっこう多様になってきているのかもしれないな、ということである。 「ポチ右翼」と「ファンタジー左翼」。 といってしまえば、乱暴になってしまうが、実態をよくあらわしている。 おそらく戦後のイデオロギーの潮流は大きく分けてこの二つの流れだ。 右翼といっても、戦前にあったような国家主義者ではなくて、 あくまでアメリカに追従して、その影響下(属国下)で、強権的傾向を強めるものと、 もうひとつは左翼といっても、「憲法9条堅持」といいながら、 実際は、アメリカの核の傘に守られ、沖縄に外国の基地負担を押し付ける という現状に、目を背けてしまっているもの。 中には、共産主義運動家で、意図的に日本の防衛力を弱めるために、 軍隊放棄を主張していたような人もいるかもしれない(ソ連による占領を見据えて) どちらも、なにやらすっきりしない。自己矛盾にあるイデオロギーだと思うが、 それでも、アメリカとソ連の激しい冷戦下においては、 「ポチ右翼」と「ファンタジー左翼」の方向性が、それはそれで現実的な議論であったということ。 そして、こうしたイデオロギーをふりかえってみて、 ふと気がついたのだが、どちらも、日本を間接統治をしたいアメリカからすると、 都合がいい、少なくとも、危険ではない思想であるということである。 ポチ右翼は、もともとアメリカがCIAによる工作活動(政界、官界、マスコミ) を通じてつくりあげたイデオロギーだと思うので当然だが、 ファンタジー左翼だって、「軍隊を持つな」といっている以上、 その政党が、軍事的な緊張が高い東アジアにおいて、 まして、一億人の人口を持ち、先進国とされる日本で政権党になるとは考えにくい。 よって、あえてアメリカは確信犯的に、冷戦下の「属国・日本」を、 このような二つのイデオロギーの流れにおいてきたのではないか、ということを考えるのだ。 さて、普天間問題を契機に、今湧き上がっている議論というのは、 当然といえば、当然の議論であるともいえる。 そもそも、冷戦が終了して20年が経ち、 アメリカ軍が大規模に東アジアに展開する理由というのもなくなったわけだ。 ヨーロッパに展開するアメリカ軍が1/3まで規模を縮小し、 ドイツに駐留していた22万人の軍隊を7万人まで減らしたのだから、 同じく、ロシアが極東の兵力を劇的なまでに削減した以上は、 冷戦の時と同様に、アメリカ軍が日本に駐留する必要がそもそもなくなったわけだ。 そこをおそらくは、アメリカはCIAのルートを使って、 ことさら、「中国脅威論」や「北朝鮮脅威論」の世論を、マスコミに流させることによって、 アメリカ軍が引き続き、駐留するための理由というのをつくってきたこともある。 アメリカは合理的な国であるし、いや、アメリカに限らず、世界のどんな国も、 自分たちの国民を危険にさらしてまで、他国の国民を守ろうなんて、 そんな甘っちょろいことはまず考えない。 アメリカ軍が日本に駐留しつづけるには、それはそれで理由があるからで、 「思いやり予算」もおそらくは氷山の一角で、 マスコミでは報道のタブーになっている「年次改革報告書」のような 間接統治の仕組みをつかって、日本に露骨な内政干渉をするとか、 または、郵政民営化などのアメリカのウォール街の金融企業に利する政策を、 自民党に飲ませたり、 イラク戦争の戦費調達に60兆円のアメリカ国債を買わせたりと、 世界でも有数の金持ち国である日本を、間接統治下におくメリットは、 アメリカには十二分にあるわけだ。 もちろん、アメリカ軍の軍事戦略上も、中国に対する威嚇として、 沖縄に大規模な軍隊を置くというのは、それはそれで、意味のあることでもある。 また、一方で、アメリカに超大国として凋落の傾向があることもまた事実だ。 おそらくそれが顕著にあらわれたのがブッシュ政権で、 「悪の枢軸」とまで呼んだイラク、イラン、そして北朝鮮を 武力でひざまづかせようとしたが、大失敗に終わった。 それどころかアフガニスタン、イラクの一国でさえも、 十分に治安をコントロールできない有様で、 アメリカが北朝鮮問題でさじを投げて、中国にボールを預けたのは、 ここ5年間の国際情勢の変化を見ていればよくわかる。 それでいて、中国の台頭が著しく、 もはや日本と中国は、貿易相手国としても相互に一位となり、 また自動車の販売台数でも中国は世界で一位となったわけだが、 要するに、ブッシュ政権での失敗や、 リーマンショック以来の世界経済のパワーバランスの変化により、 ますます世界の多極化は進んだわけだ。 つまり、もはや冷戦も終了し、冷戦後のアメリカが超大国だった時代も限界がきて、 そもそも日本がこれまでとってきたアメリカの追随路線、属国路線が 限界にきているというのが今であると思う。 だから、普天間の問題がきっかけといえばきっかけだが、 国民的に冷戦後の安全保障のあり方、沖縄の基地問題の議論が、 いかにマスコミが世論操作をこころみたとしても、おさえきれなくなっているのは当然であるといえる。 さて、冒頭の話に戻るが、 「ポチ右翼」と「ファンタジー左翼」というのも、限界がきていて、 要するに、今後、議論が多様化していくのは、 いわゆる普通の国にあるような議論。 「自分の国は、自分て守らなければいけないのではないか」 ということを前提として、この国の行方をどうするのか、という話だと思う。 いずれにしても、アメリカにこのまましがみついていても、 彼らも財務状況はよくないわけで、日本は金だけむしり取られて、いずれ捨てられるだろうし、 また、だからといって、中国にすり寄っていって、中国の属国になればいいというものでもない。 日本という国の偉大なところは、中国がアジアを支配していた時代頃から、 すでに雄略天皇が冊封体制との決別を決め、 聖徳太子は、「日出づるところの天子」と、対等外交を主張する国書を隋に送り、 大航海時代に、アジアや中南米の国々がヨーロッパの植民地に入りはじめた時には、 鎖国を決めて、外敵の侵入を避けて、 そして、幕末には、「尊皇攘夷」から「明治維新」へと、 外国の植民地になることは絶対に避けようとして、それがいっきに近代化へと進む原動力となった。 つまり、日本は歴史的にみて、外国の植民地になったことは、 戦後の一時期を除いてないという稀にみる珍しい国であり、 日本という国の尊厳を21世紀も守り続けるためには、 やはり、直接統治だろうが、間接統治だろうが、外国の影響下に入るべきではないと考える。 おそらく、こうした議論が政権交代をきっかけに、 あと10年ぐらいはかけて、日本の将来像を国民的に議論することになると思うが、 私の考えでは、すでに日本の自衛隊は世界でもトップクラスの防衛力と、予算をもっているわけなので、 きっちりと憲法で、自衛権を明記したうえで、自衛隊の存在も合憲と位置づけるべきであると思う。 そのうえで、日米同盟は維持しつつも、 ドイツと同様に段階的に、沖縄に駐留するアメリカ軍を、グアムやテニアンに撤収してもらって、 沖縄の基地負担を減らしていくというのが当面の方向性だと思う。 そして、日本が自衛力をしっかりと確保していることを、 軍事大国に囲まれた東アジアでも認められることによって、 アメリカや、中国による日本の間接支配という問題はクリアされるのではないかと思う。 おそらくこれが当面の方向性だ。 そして、政権獲得前には、鳩山首相も小沢幹事長も、 そのようなことを講演会や、書籍等あらゆる機会で、口にしていたはずだ。 だが、普天間基地の問題ひとつとっても、 衆議院選挙で300を超える議席で選ばれた首相が、 これだけの覚悟をもって、国外・県外移設をやろうとしても、 北マリアナの議会が、普天間のテニアン移設誘致を全会一致で議決しても、 現状の状態をかえられないことに、 アメリカによる日本の間接統治がいかに強固で、根深いか、ということを表している。 難しいかもしれないが、ここは日本人がアメリカの間接統治の問題を真剣に考えるいい機会でもある。 気がつけば、われわれは今、戦後日本の大きな転換期に立っているのかもしれない。
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