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2010/04/21(水) 08:36:30
〔転載はじめ〕
[政治（民主党政権）] 危険水域に突入したのは有権者の政治意識である
自分たちが選んだ民主党政権をわずか半年で不支持に回ってどうする
「最後の総仕上げ、最後のご奉公のつもりで、日本の民主主義を定着させたい」―。１８日、両親の法要の場で、小沢一郎がこう訴えかけた。窮地に追い込まれた民主党政権を、何としても守り抜くという決意が見てとれる。
初当選から４０年。４０代で自民党の幹事長を経験しながら、その自民を飛び出し、政権交代、２大政党制実現に懸けてきた男にとって、最近の民主党政権を取り巻く状況、とりわけ有権者の気まぐれには、はらわたが煮えくり返っているのではないか。
民主党政権発足からまだ半年余りだというのに、有権者は早くもこの政権を見限ろうとしているからだ。朝日の内閣支持率２５％はじめ、大マスコミの調査で内閣支持率が軒並み３割を切っている。不支持は６割を超した。
「態度を一変させたのはほとんどが無党派層です。期待したのに幻滅したというわけです。彼らはちょっとしたことで、すぐに流されてしまう。民主党政権ができてからは、鳩山、小沢のカネ問題をめぐる検察の暴走や、大マスコミの執拗なネガティブキャンペーンがあった。そこに普天間問題をめぐる迷走が重なり、不支持に回ったのでしょう。支持率低下報道が続くなかで、回答者にとっては“支持”とはいえない雰囲気も出てきています」（政治ジャーナリスト）
大マスコミの恣意的な報道に惑わされた揚げ句、「支持率低下」オンパレードの奔流に、無党派層は完全にのみ込まれているのだ。
しかし、鳩山政権はこの半年間に、事業仕分けをやり、予算を通し、子ども手当、高校無償化を実現させた。闇の中に埋もれていた日米密約の開示、記者クラブ開放もやった。自民党政権下では期待できなかったことばかりだ。なぜ、有権者はこれらの実績を評価しないのか。
「マイナス評価だけでなく、ポジティブな実績もきちんと評価すれば、ここまで支持率が下がることはあり得ない。有権者には、自分たちが政権交代を実現させた当事者だという自覚がないのでしょうか。あまりにも無責任です」（筑波大名誉教授・小林弥六氏）
大マスコミは「鳩山政権が危険水域に突入」と書き立てるが、危険水域に突入したのは有権者の政治意識である。
（中略）
九大名誉教授の斎藤文男氏（憲法）もこう言う。
「普天間問題がいい例です。沖縄の基地負担を軽減し、国外・県外移設を目指す鳩山首相の方向性は間違っていません。日本のメディアも、自主外交の一歩を踏み出した首相の姿勢を評価していいのに、事態は逆です。ことさら、首相の指導力不足を煽り立て、『５月末に決着できなければ進退問題だ』と書き立てています。ならば、鳩山内閣が倒れて、自民党政権が復活すれば、基地問題は解決するのか。結局は米国の軍事戦略に取り込まれ、沖縄県民の痛みは続き、基地利権がはびこるだけです」
事業仕分けに代表されるようなムダの排除も、どこかへ吹き飛んでしまう。その結果、消費税引き上げ、法人税引き下げで、庶民生活はメチャメチャ。ホンの一握りの大企業と役人だけがウハウハの旧体制天国が復活するのだ。
（中略）
「ヨチヨチ歩きで頼りないが、新たな道を歩み始めた政権と、足腰が立たなくとも、権力の甘い汁にすがりつく旧体制勢力。どちらが、ベストな選択かは自明の理です。軽佻浮薄（けいちょうふはく）な報道に惑わされたら、いけません」（斎藤文男＝前出）
悪魔たちに魂を売り渡せば、結果はどうなるのか。有権者は今こそ、冷静に政治の在り方、この国の民主主義の行く末を真剣に考えるべきだ。
（日刊ゲンダイ 2010/04/20 掲載）
〔転載おわり〕
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