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デヴィッド・ハーヴェイ著「新自由主義―その歴史的展開と現在」作品社(良人の部屋のブログ)
http://www.asyura2.com/10/senkyo84/msg/667.html
投稿者 kanon 日時 2010 年 4 月 19 日 19:10:37: FUgy0.1v81/ao
 

デヴィッド・ハーヴェイ著「新自由主義―その歴史的展開と現在」作品社(良人の部屋のブログ)

http://d.hatena.ne.jp/asuka200/20100418


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久方ぶりに読み応えのありそうな学術書を手にしましたが、私のゴリゴリの固い頭がこの内容についていくことが出来るのかどうかが、とても不安でもありますが。

デヴィッド・ハーヴェイ著「新自由主義―その歴史的展開と現在」作品社を読んでいます。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4861821061/hatena-hamazou-22/


新自由主義(ネオリベラリズム)は新保守主義とセットで捉えられていたりしますが、これを簡単に説明しますと、規制緩和を掲げる市場原理主義、あるいは公共事業の縮小、ケインズ的な大きな政府と一線を画した小さな政府(シビルミニマム)を標榜するなど、自由競争を原理原則とする政策であり、日本での尤も分りやすい事例で新自由主義を紹介すれば、小泉内閣の構造改革の影響下で遂行された「郵政民営化」が典型的な施策だといえましょう。

筆者のハーヴェイによれば、この思想的潮流が世界を席巻するまでに押し寄せてきた背景には、「階級権力の回復」というキーワードが隠されていると指摘しています。


もっと踏み込んで本書の詳細を紹介できればいいのですが、まとめる余裕がなく、この辺りでご容赦していただくとしまして、世界ならぬ日本の置かれた情況を紐解く上でも、この本はとても参考になると思いました。


最後にそれを如実に示すものとして、以下の文章を引用しておきます。

『 こうした企業規模の拡張が金融の世界と結びついているのは明らかだが、それと同時に、膨大な個人資産を蓄積するだけではなく、経済の大きな部分に支配権を行使するこの途方もない力は、これら一握りの人々に、政治プロセスに影響力を行使する巨大な経済権力を授けた。一九九六年における世界の金持ち上位三五八人の純資産が「世界人口の貧困層下位45%(二三億人)の総収入と同じ」なのは、何ら不思議ではない。なお悪いことに「世界の金持ち上位二〇〇人の純資産は、一九九八年までの4年間で倍以上に膨れ上がり、一兆ドル以上になった。上位三名の億万長者の資産はそれまでに、最も発展の遅れた国々とそこに住む六億人の人々の国民総生産(GNP)の合計額を上回った」。 』(P50)

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