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「現代の天動説」政策関連記事 「温暖化防止取り組み“純化”の契機に クライメートゲートが示唆したこと」 http://www.asyura2.com/10/senkyo84/msg/663.html
日経BP ECOマネジメント http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/itou/69/index.shtml 暴かれたデータの“ねつ造” 日本ではそれほど騒がれないが、昨年の末からずっと欧米ではいわゆる“クライメートゲート”に関する記事が多く掲載されている。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が採用した地球温暖化の有力な証拠とされるデータに、ねつ造の疑いがあることが分かった問題だ。当時のニクソン大統領の辞任にまで発展したウォーターゲート事件をもじって、「クライメートゲート(Climategate)」と表現される。このコラムを書いている人間として、この問題には無関心でいられないので、今回はこの問題を取り上げる。 “クライメートゲート”疑惑の舞台となったのは、国際的な温暖化研究の拠点の1つとして名前を知られる英国のイーストアングリア大学である。何者かが同大学の気候研究ユニット(CRU)のコンピューターに侵入して、1996年からCRUが外部とやり取りした1000通以上の電子メールをハッキングした。それがいくつかのルートを通じて温暖化懐疑派のブログなどに流出し、その結果これらのメールの内容が外の世界に明らかになったのだ。 一番注目されたのは、地球の温暖化を端的に示すものとして世界中で引用されることが多かった「ホッケースティック曲線」を巡るものだ。この曲線は、過去1000年間にほぼ横ばいだった地球の気温が、CO2など温室効果ガスの排出が増えた20世紀後半になって急上昇したことを示す。その温度推移のチャートが形状としてホッケーのスティックのようになっていることからそう呼ばれる。この曲線はIPCC報告書でもたびたび引用された。説得力がある図故に頻繁に世界中で引用されたが、その反面であいまいなデータ処理が以前から問題視されていた。 流出した多数のメールの中には、CRUのフィル・ジョーンズ所長が20世紀半ば過ぎからの気温下降を意図的に隠すことで、80年代からの世界的な気温の上昇を誇張するデータにごまかし(trick)があったことを示唆したものがあった。同所長らは、同研究所から流出した電子メールが“本物”であることを認めたうえで、疑惑について声明を発表して、使われた単語としての「trick」は「新データの追加を意味する言葉」で、データ全体をごまかしてはいないなどと釈明した。しかし、流出メールでは2001年にまとめられたIPCC第3次報告書の代表執筆者のひとりだったジョーンズ所長が、地球温暖化に対する懐疑派の学者に対して、「報告書に論文を掲載しない」「研究所のデータを利用させない」「論文誌の編集からはずす」といった様々な圧力を加えたことが書かれていた。 温暖化対策への投資にも疑念の目 日本でも、地球の気候変動は人類が活発な経済活動を開始する前から存在したものであり、すべてを人類の経済活動に帰結させるのは無理だとの意見は根強くある。確かに47億年と言われる地球の歴史の中では、人類が誕生する前から地球には氷河期があり、今よりも温暖な気候の期間もあった。そういう意味では、地球は人類の活動とは全く関係なく温暖化と冷却化を繰り返してきた。全球凍結などという厳しい寒冷期もあった。日本よりはるかに多く、米国や欧州には「人類の経済活動による地球温暖化」を疑問視するウェブサイトやブログが多数あり、クライメートゲートを含む気候変動関連の事柄が盛んに議論されている。たまたま昨年の秋からは地球各地で寒冷な気候になったこともあって、“クライメートゲート”事件は、「(温室効果ガスによる地球温暖化は)今までが騒ぎすぎだったのではないか」との見方を生んでいるのだ。 必ずしも“クライメートゲート事件”の結果とは言えないが、昨年12月、デンマークのコペンハーゲンで開かれた国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)は、京都議定書に替わる温室効果ガス削減の国際合意の形成を目指したが、先進国と途上国、先進国内部の対立は根強く、ようやく決裂を免れただけという状況になった。「IPCCが科学的な知見をゆがめた」という不信感も広がる中で、COP15以降の気候変動を巡る国際会議にも「前途多難」との見方が強まっている。 全世界で見ても、「Stop 地球温暖化」の世界的な潮流は、各国の国家資金の流れも大きく変えてきた。国家資金、公的資金、それに多額の寄付金などが、“温暖化防止”のために使われ、そうした流れの中で多くの組織が作られ、市場が開設され、同時に多くの人がそれで職を得る状況になっている。そうした中で出てきた“クライメートゲート”は、その大きな流れ全体についての疑念を生んでいる。これはゆゆしき事態だし、はっきりと究明しなければならない問題だろう。因果関係が怪しくなったことで、“温暖化防止運動”に、巨額な公的、私的な資金が使われることへの疑念が大きく持ち上がったわけだ。 修復への動きは始まっている。自国の研究所で起きた問題だけにこの問題を調査してきた英国議会の委員会は3月末、疑惑渦中の学者の電子メールなどを調べた結果、「研究を裏付けるためにデータを隠したり改ざんしたりした証拠はない」と結論付ける調査報告書を発表した。今回の報告書では問題のいくつかのメールについて、「ジョーンズ所長が未加工データの開示を拒んでいたことがうかがえる」と指摘する一方で、データ隠匿や改ざんの証拠はないと分析。「ジョーンズ氏とCRUが浴びせられた非難は大部分が誤り」だと報告した。報告者はさらに、今後への示唆として、「ジョーンズ氏がデータ開示を拒んだのは気候変動研究者に共通する姿勢だが、こうした姿勢は変えなければならない」と提言。温暖化問題に携わる研究者は研究報告の信憑(しんぴょう)性を保証するため、未加工データと調査手法を公表する必要があると指摘している。 議論と政策を純化する糧にせよ はっきり言えるのは、恐らく「温室効果ガスによる地球温暖化」論があまりにも勢いを得たが故に、それがシステム化され、予算化されて、それに反するデータなどに対して謙虚に向き合う姿勢が世界のあちこちで失われていたということだろう。もう今さら後戻りできない、という気分は確かにあった。だからそれを真っ向から否定する疑惑が持ち上がったときには、人々は驚き、呆然として「立ち位置」の見直しを急いだのだ。 重要なのは、このクライメートゲート事件にもかかわらず、しばしば環境を無視した人類の経済活動、それよりも破壊活動が人間の住環境や健康を崩す、害する危険性があるという認識は共有されていると言うことだ。経済は人間が快適に暮らすためにある。その経済や不必要な破壊行為が、人類の生存環境を壊すのでは本末転倒だ。今年の春は中国から飛来した黄砂が日本列島に大きな被害をもたらした。環境改善で人類が取り組むべき課題は多い。世界では河川の汚染も進んでいるし、大気の汚染もひどいところがある。こうした事態への懸念は、CO2など温室効果ガスの地球温暖化効果に疑念を抱いているヒトにも共有されている。これは重要なことだ。 “クライメートゲート”はある意味、環境保護運動、温暖化防止への取り組みの純化を促す可能性がある。「温暖化防止」を売り物にして、不必要に公的資金を使うのは世界的な財政危機の折に正当化されることではない。「環境」を売りに善意の人からお金を集めて、それを関係のない事業に使うのも許されない。科学者は常にデータを検証し、公表して、議論を正しい方向に導かねばならない。経済や政治に携わっている人間は、科学の立証するところによって、人間環境の改善に努めなければならない。そういうことだろう。今回の疑惑は、むしろ議論と政策の純化に役立つと筆者は考える。 参考URL
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