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４日間座り込みに
のべ千百人が参加
四月六日〜四月九日（午前10時半から午後５時）首相官邸前・国会前で、「普天間基地閉鎖、県内移設反対、基地はどこにもいらない」の座り込みが行われた。沖縄の金城実さん（彫刻家）、知花盛康さん（読谷村農業）、知花昌一さん（読谷村議）、安里英子さん（地域研究家）、安次富浩さん（名護市、反対協）、真喜志好一さん（建築家）が呼びかけ、金城さんら四人が沖縄から上京した。
最終日の九日は二百人が参加し、四日間を通じて延べ千百人が座り込んだ。伊波宜野湾市長が激励に訪れた。そして、参加した多くの人々からアピールが行われた。伊達判決を生かす会の方は「安保条約に基づく米軍の存在は違憲であるとする伊達判決を覆すために、当時のマッカーサー大使が日本政府に圧力をかけ、高裁を飛ばして最高裁で逆転判決を出した。この圧力の内容がアメリカの公文書の公開によって明らかにされた。日本の外務省は否定したので、砂川闘争の元被告たちが裁判所に公開を求めて訴えた。その結果三月三十一日、外務省は当時の課長のメモを提出した。沖縄の基地問題は、日米安保が違憲かどうかに行き着く」と提起した。
「沖縄密約」開示
裁判で勝利判決
厚木基地爆音訴訟原告の和知さんは「私の家は基地から九キロメートルだ。それでも空母艦載機が飛ぶと家の中で会話もできなくなるほどひどい。沖縄の基地のひどさを同じだ」と基地被害を明らかにした。さらに、「厚木基地の爆音被害を軽減するために、厚木基地の艦載機を岩国にもっていくとされているが、実は岩国に移転しても、整備工場は厚木しかないので、行ったりきたりすることになる。米軍にとっては空母艦載機の訓練基地を二つ持つことになる。これは佐世保が空母の準母港化され、横須賀と合わせて二つの母港を持つようにしようとしている。アメリカの都合のいいように、自由に基地を使うということがあることを見て取ることが必要だ。沖縄の普天間基地移設もまったく同じで基地の米軍は基地の強化をねらっている」と指摘した。
この日二時から元毎日新聞記者の西山太吉さんが起こした沖縄密約に対する東京地裁の判決があった。傍聴した知花昌一さんが「密約があったことを認め、内容の開示を命令し、原告らにひとり十万円を払え」とする勝利判決の内容を紹介した。「ＯＮＥ ＳＨＯＴ ＯＮＥ ＫＩＬＬ―兵士になるということ―」や「アメリカ―戦争する国の人びと―」の映画監督の藤本幸久さんが「イラクのファルージャで数千人を殺した米兵と沖縄にいる若い兵士とが結びつかなかった。そこで、海兵隊の兵士がどのようにつくられていくのか、サウスカロライナキャンプに取材に行った。十八〜十九歳の貧乏な若者が三カ月の訓練を受けて沖縄に来る。そこでの教育は『考えるな、命令に従え。敵と分かればすぐに殺せ』だ。沖縄にいる若い兵士は屈託がない。それは殺せるようになっているがまだ殺してはいないからだ。辺野古で座り込みをしているおじいやおばあは新基地になぜ反対なのかというと、日本の若者が戦争に行かせたくないからだ」と話した。
沖縄のどこにも
基地はできない
呼びかけ人の安里英子さんが「基地の移設先を探し、そのひとつにサイパンが挙げられた。サイパンには戦前二万人が移民し、その多くは沖縄出身者だ。そして、戦争でたくさんの人が亡くなった。基地を弱いところに押しつけようとする。こんな状況にいたたまれないと同時に悲しい。基地を押しつけるアメリカの批判がほとんど出てこない。アメリカこそが問題だ」と提起した。
広島県福山市からかけつけた牧師の女性は「どこにも基地はいらない」と訴えた。また、参加者のひとりは「二〇〇七年のアメリカの情報公開によって、ＯＳＳ（後のＣＩＡ）は日本の再軍備に消極的だった吉田茂を暗殺して、宇垣一成を首班とする計画をねっていたとする資料が出てきた、さらに今後六〇年安保から五十年ということで、アメリカで文書が公開されるので資料がたくさん出てくる、安保問題に光が当てられる」と語った。志葉玲さんは百人の国会議員がイラク戦争の検証をやるべきだと政府に申し入れたことを報告した。
全国で沖縄と
結ぶたたかいを
この後、首相官邸前に移動して抗議・申し入れ行動を続けた。知花昌一さんが三線を引き、沖縄の歌を披露した。知花盛康さんが「沖縄返還闘争の時、アメリカに向けたコザ暴動・蜂起があった。今沖縄の怒りが積み重なり、日本国政府に向けられようとしている。再びコザ暴動の起こらないように、普天間基地そしてすべての基地をなくせ」と訴えた。
続いて知花昌一さんが次のように包括的に提起した。
「アメリカ軍によって、沖縄の基本的人権は奪われ、殺され、レイプされ、めちゃくちゃにされた。復帰すればこうしたことはなくなると期待した。しかし、復帰して三十八年になるが平和な暮らしを取り戻したか。いや、そうなっていない。一九九六年、少女レイプ事件があり、怒りの八万五千人の県民大会を開いた。そこからＳＡＣＯ合意が出され、負担軽減のために普天間基地の閉鎖・移転が決まった。象のオリは三年前に返還されたが、キャンプシュワブに四十五億円かけて機能を移転した。何も縮小になっていない。凶悪犯罪も百件以上もありレイプ事件も続いている」。
「普天間基地の移転先が辺野古への新基地建設とされた。基地をつくらせないために二十四時間必死になって闘い、杭一本も打ち込ませなかった。もう沖縄のどこにも新基地はできない。勝連沖に三千メートルの滑走路の持つ基地をつくろうとしているができるはずがない。何としても阻止する闘争をつくる。そういうことを誰もが言うようになった」。
「鳩山首相は選挙で沖縄を訪れた時、最低でも県外移設だと発言した。これは沖縄に対する公約だ。徳之島や勝連半島に移すなんてとんでもない。県内となれば島ぐるみの闘いだ。コザ暴動のようになるだろう。四・二五・十万人県民大会で沖縄に新基地はつくれないことを示したい。普天間を無条件に閉鎖しろ」。
琉球朝日放送の記者は「県民大会を一時間半の生中継で放送する。沖縄の問題は沖縄問題ではない。全国大会にしたい。全国の知事がすべて基地はいらないと言ったら、海外に移すしかない。仲井真知事がそのように呼びかけるべきだ」と発言した。社大党新垣沖縄県議が「他の県で新基地を受け入れないのなら、なぜ沖縄ならいいというのか。がまんにがまんしてきた。基地を沖縄に押しつけるなら爆発しかない。日米安保が本当に必要かどうか論議すべきだ」と訴えた。午後五時で、四日間の行動を終えた。
全国で沖縄と
結ぶたたかいを
午後六時半から首相官邸前で、辺野古への基地建設を許さない実行委の毎週行動が知花さんら沖縄上京団も参加し八十三人が参加した。参加者からは沖縄の十万県民大会に呼応して、国会・首相官邸を包囲する十万人の決起を作り出そうと訴えがあった。四月十九日正午から、沖縄出身者を中心に七十二時間のハンスト闘争に入るので、ともに闘うと呼びかけがあった。さらに、二十五日午後三時からの社会文化会館での集会・デモの後、明治公園で、沖縄連帯のキャンドル行動があり、それへも参加しようと呼びかけられた。沖縄闘争は政治の中心の所にも闘いの火の手を拡大しつつある。全国各地そして首都圏の闘いを強めよう。（Ｍ）
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