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選挙:「衆参同日選」論 「消費増税」「普天間」打開へ、リセットの誘惑 (毎日新聞) http://www.asyura2.com/10/senkyo84/msg/593.html
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100418ddm002010094000c.html <分析> 与野党通して衆参同日選を巡る憶測がかまびすしくなっている。背景には米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題と、財政危機の深刻化で先送りが困難な消費税論議がある。政権中枢の仙谷由人国家戦略担当相が同日選の可能性に言及したのも、鳩山政権で越せそうにないハードルを一挙に越える起死回生策への誘惑にかられているためだ。【須藤孝】
菅直人副総理兼財務相も「増税しても使い道を間違わなければ景気はよくなる」と消費税の税率上げには理解を示す。6月中に政府が策定する「中期財政フレーム」でも明確な方向性は打ち出せず、年末の予算編成というハードルを越える見通しは立たないからだ。 ただ、小沢一郎民主党幹事長は「半年で基本が変わるのは国民に理解されない」(12日)と述べ、鳩山首相も「私が政権を担っている間は(消費税増税を)しない」(3月13日)とし、現政権では消費税増税の封印は解けていない。そんな中、仙谷氏が消費税を軸に同日選を掲げたのは、こうした政策実行の制約を取り除きたいとの思いからとみられる。 仙谷氏の狙いはそれだけではない。衆参同日選後に、民主、自民両党内の財政再建派が結集し、民主党のバラマキ政策を攻撃する与謝野馨元財務相ら新党グループも巻き込む政界再編を視野に入れているとの見方も取りざたされている。 仙谷氏は持論の2大政党制について「1度の政権交代で定着するものではない」と漏らしたこともある。仙谷氏と距離があるとされる小沢氏は選挙前の消費税率引き上げ論議を封印しているが、小沢氏周辺は「小沢氏が最終的に目指しているのは憲法改正と消費税だ」と指摘し、仙谷氏と考えを共有する複雑な関係を説明する。 一方、普天間問題は5月末に政府側が「決着」を演出したとしても、米国の同意も含めた「解決」は困難で、政権の求心力低下は避けられない。「顔」を代えて局面を転換し普天間問題をリセットするという誘惑も強まる。 菅氏に近い民主党のベテラン参院議員は「民主党は自民党の民意を問わない政権たらい回しを批判してきた。首相を代えるなら同日選で信を問うべきだ」と語った。
民主党議員の間では「ダブルでやっても昨年の衆院選のような勝ち方はできないから、やるわけがない」(若手衆院議員)という見方が大勢。衆院の圧倒的多数をみすみす放棄するようなことを小沢氏は考えないというわけだ。 しかし、自民党の大島理森幹事長は「局面打開のためには、小沢さんは何をするかわからない」と同日選への警戒感をあらわにした。大島氏は、海部政権の官房副長官として自民党幹事長だった小沢氏との連絡にあたった経験を持ち、民主党議員よりも与党幹事長としての小沢氏の手法をつぶさに知っている。政権の支持率低迷など意に介さない強気の姿勢に出てくると判断しているようだ。 実際、自民党にとっては衆参同日選は最悪のシナリオ。300小選挙区のほとんどで、衆院選公認候補となる支部長が決まっている民主党に対し、自民党は187人しか決まっておらず、昨年の衆院選惨敗、野党転落の衝撃が癒えていない。しかも、自民党の「台所」事情は深刻だ。夏には所属議員に「氷代」という資金を配る習わしが続いてきたが、若手衆院議員は「資金が枯渇しているから、今年の夏は配られないのではないか」と不安を語る。自民党壊滅が悲願の小沢氏が同日選を狙う動機には事欠かない。
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