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米海兵隊は「北朝鮮核」の奪取が使命? ─ 馬鹿馬鹿しいにもほどがある http://www.asyura2.com/10/senkyo84/msg/336.html
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2010/04/post_546.html 4月1日付毎日1面トップの「なぜ沖縄に/米軍高官の本音/海兵隊の狙い、北朝鮮核/崩壊時確保」という記事には笑った。言うに事欠いてとはこのことで、結局、沖縄に海兵隊を駐留させなければならない理由など何もないことを、米高官自身が認めたに等しい。同記事のリードはこうである。 「オキナワになぜ米海兵隊が必要なのか----米軍高官が『抑止力』以上の『主たる理由』を日本側に伝えてきていることが関係者らの証言で明らかになった。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題の迷走は結果として米軍の『本音』を引き出し、鳩山政権の掲げる『対等な日米関係』を築く一歩になるのだろうか」 この記事によると、2月17日に、来日中の米太平洋海兵隊司令部(ハワイ)のキース・スタルダー司令官の呼びかけで防衛省幹部らとの非公式会合が開かれ、席上、同司令官は現行計画が望ましいとの「公式見解」を1時間にわたって述べたが、苛立った日本側出席者が「そんな話は私たち安保専門家はわかっています。そういう説明ばかりだから、海兵隊は沖縄に必要ないと言われるのです」と反論した。 すると司令官はこう言った。「実は沖縄の海兵隊の対象は北朝鮮だ。もはや南北の衝突より金正日体制の崩壊の可能性の方が高い。その時、北朝鮮の核兵器を速やかに除去するのが最重要任務だ」 ●迷走しているのは米国だ 日本のマスコミでは、普天間移設問題をめぐって鳩山政権が「迷走」していて「5月末結着は難し」く、そうなれば鳩山由紀夫首相は「辞任必至」だとの論調が盛んだが、実は沖縄に海兵隊を存続させる正当な理由を見つけられないで迷走しているのは米国側である。 本論説が繰り返し述べてきたように、これまで、「何のための海兵隊か」と問われれば、答えは一言で「抑止力」。「何に対する抑止力か」と踏み込めば、「北朝鮮の脅威」と「中国の軍拡」。しかし、北朝鮮の脅威とは具体的には何なのか、中国の軍拡が日本にとってどういう危険要因なのかについては、一度たりとも日米間で真面目に議論されたことがなかった。 日本にとっての「北朝鮮の(潜在的)脅威」とは、理論的には、第1に対日核攻撃、第2に対日直接侵攻、第3に第2次朝鮮戦争=大規模陸上戦闘に伴う北の核を含む対在日米軍基地攻撃、第4に北の内部崩壊に伴う武装勢力を含む難民の押し寄せなどが挙げ得るだろう。 第1の或る日突然の対日核攻撃は、外交的・政治的・経済的に合理的な理由はなく、金正日が気でも狂わない限り100%ありえない。逆に、北が仮に日本を核攻撃しようとすれば、別に核弾頭を開発する必要はなく、敦賀あたりの原発に通常弾頭のミサイルを雨霰と降らせれば十分で、実戦配備に足る核弾頭を持っていない現在でもやろうと思えばいつでも出来るが、これまでのところそのような挙に出る兆しは見られない。 第2の対日直接侵攻は、そうする合理的理由がないだけでなく、そもそも北には大規模な陸軍を渡洋上陸侵攻させる海上輸送手段がないので、不可能である。 第3の対南大規模侵攻は全くないとは言えないけれども、そうする合理的な理由は何もなく、また仮に起こったとしても、米韓両軍の圧倒的な航空優勢による制空権確保の下では、38度線を踏み越えて殺到する北の100万歩兵の大部分は無駄死にすることになろう。それは本質的には朝鮮半島内部の「内戦」であり、直接的には日本の安全保障とは関係がないが、しかし在沖海兵隊が第一線の在韓米陸軍第8軍をバックアップする第2線を形成するために出撃し、また在日米海空戦力が佐世保や横須賀や三沢が発って出撃すれば、北とすればそれら後背基地を叩こうとするに違いない。 第4の北の内部崩壊による混乱は、直接には日本への脅威ではない。それに伴って武装勢力を含む大量の難民が西日本に押し寄せるという想定は、昔から防衛省などが口にしているが、北で難民が発生すれば、まずは北方へ、すなわち鴨緑江・豆満江を歩いて渡って朝鮮族100万が住む中国東北方面へ逃げるのであって、わざわざ舟を探して"敵性国家"である日本に大量に押し寄せてくることはあり得ない。 さてそこで海兵隊だが、第1の核・非核のミサイル攻撃に対する抑止にはなり得ないし、第2の対日大規模侵攻はそもそもありえないので抑止の必要がない。このいずれも海兵隊が沖縄に駐留を続けなければならない理由とはならない。第3の第2次朝鮮戦争の場合に海兵隊が向かうことは予定されているけれども、これは韓国防衛のためであって、日本防衛とは直接関係がない。それにそもそも、スタルダー司令官が言うように「もはや南北の衝突よりも金正日体制の崩壊の可能性の方が高い」というのが米軍部の判断であり、それに従って第1線を担う在韓米陸軍が漸次縮小に向かいつつある中では、第2線となる海兵隊をどうしても沖縄に維持しなければならない理由は薄れつつある。 そうなると、海兵隊の存在意義は別のところに求めなければならず、それで苦し紛れに出てきたのが、北が体制崩壊で混乱状態に陥った時に、恐らくは韓国軍と共同で直ちに乗り込んで核弾頭や核物質が行方不明になったりテロリストの手に渡ったりしないようにこれを確保して持ち帰るというシナリオである。もちろん軍事は、ありとあらゆる可能性を想定してそれに備えるもので、米韓両軍が数多くの可能性の1つとしてそのような作戦を検討対象とするのは理解できないでもないが、これはどちらかと言うと、より練度の高い米陸海軍の特殊部隊の仕事で、海兵隊の役割があるとすれば、突入と脱出に当たって陸上戦闘が避けられない場合にそれを担って特殊部隊を補佐することくらいではないのか。いずれにせよ、それが「最重要任務」と言うなら海兵隊は韓国に駐留すべきであって、沖縄にいなければならない理由とはならない。司令官の発言は、むしろ海兵隊の沖縄駐留にまともな理由など存在しないことを裏付けたものと言える。 ●中国の脅威? 在沖海兵隊が軍拡を続ける中国に対する抑止力として欠かせないという説もある。しかし中国は日本に対し、或る日突然核ミサイル攻撃をかけるとか、大規模陸軍師団で渡洋上陸・占領を試みるとかいったシナリオは持っていない。そうする合理的な理由がないからである。 台湾が「独立」を宣言した場合には、中国は「武力解放」シナリオを発動せざるを得ず、まずは雨霰とミサイルを降らせて制空権を確保した上で、陸軍師団が大挙して台湾海峡を渡って上陸侵攻することになるが、この場合、米第7艦隊の空母機動部隊は直ちに出撃して海空から台湾軍を支援するだろう。それに対抗できるだけの近代的海軍力を育てるのが中国軍拡の主要な目的である(そうでないと「いざという時には武力解放」という国是が絵空事になるので)。しかしその場合も、海兵隊が飛んでいって陸上戦闘に加わるということはあり得ず、せいぜいが台北からの米人救出くらいが役目だろう。これも海兵隊の沖縄駐留の理由付けとしては貧しい。それにそもそも、ごく一部の過激派を除いて、台湾の与野党には「台湾は今がすでに事実上、独立している状態であって、何もわざわざ独立を宣言して中国の武力発動を挑発する必要は全くない」という一種の国民的合意が成り立っているので、台湾海峡危機はほとんど起こり得ない。 毎日4月1日付によると、今年1月15〜16両日、ワシントンで在米日本大使館などの主催で開かれた第16回日米安保セミナーで、日本側出席者の1人である田中均元外務審議官は「沖縄の海兵隊の役割は何か。はっきりした説明がほしい」と米側に迫った。また出席者の1人は毎日に対し「日米の政府以外の人の多くは『沖縄の海兵隊の意義』を『抑止力』という言葉で片づけず、より明確にしなければ、もう日米同盟は持たないと考えている」と語っている。 また毎日4月3日付で森本敏拓殖大学教授と対談した防衛省出身の柳沢協二元内閣官房副長官補は、こう述べている。 ▼(沖縄に駐留を続けることになっている)1個大隊規模の海兵隊が、この地域の抑止力としてどれだけ不可欠なのか非常に疑問だ。 ▼海兵隊は、地域の軍事バランスを維持するというよりは、むしろ緊急派遣部隊だ。初動対応するためどこかになければならないが、なぜそれが沖縄かということをそれだけでは説明できない。 ▼私がこだわっているのは、今までずっと『抑止力のために』と言い続けてきたことだ。抑止力の中身を具体的に説明していないし、同盟協力の文脈、つまりグローバルな意味での米の国際秩序維持について、どう日本が評価して関わっていくか。その議論がなければ、たぶんなかなかこの話は難しい。 その通りで、米国が海兵隊の沖縄駐留を単に既得権益として守ろうとしてしがみつき、北の核奪取が「最重要任務」だなどと戯言のようなことまで言い出していることが、実は日米同盟を危うくしているのである。鳩山政権はそこを正面から切り込むべきで、有力な外務・防衛官僚OBでさえこのように言っているのに、鳩山や岡田が安易に「抑止力」というオマジナイに屈しているかの発言を繰り返しているのではどうしようもない。 参考URL http://octhan.blog62.fc2.com/
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