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思うままに 梅原猛/奇人は芸術家にかぎる 首相が宇宙人では困る(中日新聞) http://www.asyura2.com/10/senkyo84/msg/318.html
以下は2010年4月12日付中日新聞夕刊6面から。 ======================================== 思うままに 梅原猛/奇人は芸術家にかぎる 首相が宇宙人では困る(中日新聞) 私は一つの偏見といわれても仕方がない確信をもっている。それは芸術家の奇人はよいが政治家の奇人は困るということである。たとえば、私が親しかった作家の川端康成、画家の岡本太郎、陶芸家の八木一夫などは、それぞれ奇人ぶりは異なるが正真正銘の奇人であり、またすぐれた芸術家でもあった。 しかし政治家の奇人は困る。鳩山内閣が成立し、鳩山首相が温室効果ガス25%削減宣言を行うや、私は久しぶりに理想を語ることのできる首相が出現したと思い、この欄でも鳩山首相に対する期待を語った。ところがその後の彼の言動をみていると、鳩山首相という人間がまったく分からなくなった。 鳩山首相は宇宙人とよばれているという。宇宙人といえば私は、子どものときに漫画などで見た、頭から多くの足が生えている火星人を思い出す。その姿はクラゲのようでもあった。鳩山首相は、もっとも重要な外交問題である普天間基地移設問題などに関しても、何の信念も何の誇りももたず、政治の風の吹くままにふらふら漂っているクラゲのように思われる。 それに対して、最高実力者の小沢一郎氏はクラゲとはまるで違う。彼は確固たる人生観をもっている。それは、権力こそ最高の価値であるという人生観である。小沢氏は、権力の匂いを嗅ぎつけてはその権力の中枢に近づいて、権力を握り続けてきた。 しかしその権力欲の背後には凄まじい金銭欲のあることが最近発覚した。彼はまさに田中角栄や金丸信の直弟子であるが、賢さにおいては田中角栄や金丸信よりはるかに上である。小沢氏は彼らより深く法律に通じ、不正ではないかと疑われる彼の蓄財を巧みに法に触れないように装うことができた。そして田中や金丸には人をホロリとさせるような人情味があったが、小沢氏にはまったくない。 このような人間に比すべきものは、お宮に失恋して金銭欲の権化となった間貫一であろう。尾崎紅葉はその間貫一を「金色夜叉」すなわち金色に光る鬼とよんだが、小沢氏は金色というより灰色に光る夜叉であろう。このようは灰色夜叉によって支配される火星人を首相にもつ日本は、確実に亡国への道を歩んでいるように思われる。 政治家の奇人といえば、忘れられない人がある。それは細川護煕元首相である。細川氏は献金疑惑問題で苦境に立たされると、「もうやめた」といってあっさり首相の座を降りてしまった。それから約半年後、私は京都へ来た細川氏と一時間ほど歓談したが、政治の話はまったく出なかった。その後、細川氏がどうするかと思っていたが、彼はみごとに陶芸家に変身した。おそらく彼は、芸術大名として名高い細川幽斎の血を引く天性の芸術家であったのだろう。彼は今、政治家であった日のことを思い出したくないと考えているにちがいない。 やはり奇人は芸術家にかぎるのである。(哲学者)
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