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西山太吉が密約の土壌と言う核抑止力幻想 (永田町異聞) http://www.asyura2.com/10/senkyo84/msg/304.html
http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10506452581.html 【転載開始】
今月9日、テレビ画像の元毎日新聞記者、西山太吉は喜びと興奮で声を弾ませていた。 「壁は厚いと思ったが、政治環境が変わった。情報革命が起こった」 25人の原告団の一人として、沖縄返還時の日米密約文書を開示するよう東京地裁に求めていた裁判は、9日の判決で全面勝訴となった。 西山が言うように、政権交代により、岡田外相、菅財務相が密約の存在を認める調査結果を公表するなど、政治環境ががらりと変わったのだ。 この訴訟より前に、西山が損害賠償を求めた裁判では、東京地裁は密約問題に触れず、2007年3月に請求を棄却していた。今回の情報開示訴訟で初めて司法が密約の存在を認定したことになる。 その前日、世界の核兵器の95%を持つ米ロ両国がプラハで新核軍縮条約(新START)に調印した。 メディアは二つの視点を示した。ひとつは停滞していた核軍縮に本格的に乗り出した歴史的意義。 いまひとつは、両国議会での批准を経て新条約発効後、戦略核弾頭配備数を7年以内にそれぞれ1550に制限するという中身についての疑念である。 現在、配備している核弾頭数は米国が約2200、ロシアは約2800とされる。 「1550に制限する」といっても、配備されていない、すなわち保管状態にある核弾頭は数えないというのだ。 しかも、爆撃機には最大20発の核弾頭を搭載できるが、爆撃機1機を核弾頭1発にカウントするという。 きっちり両国で談合して、「抜け道」をつくっているのである。 へそ曲がりの筆者の目には、核保有大国の示威セレモニーにも映る。核軍縮という美名のもとに、核の恐怖の存在をアピールするステージとして、約1年前のオバマ演説があった春のプラハは格好の場所であった。 圧倒的な核の力を持つ国にとって、核の脅威こそが、その外交的、軍事的存在価値を高める側面があることは冷厳なる事実である。 北朝鮮、中国の核の脅威を煽り立てることは、日本をいつまでも米国に従属させるのに大いに寄与している。 さて西山太吉はこの米ロ新核軍縮条約をどう受け止めたであろうか。 彼は日米密約を生んだ土壌が、米国の核抑止力に依存せざるを得ないという日本人の固定観念にあると指摘してきた。 核抑止力神話が、常に米側に交渉のイニシアティブを握らせ、日本側の譲歩を引き出してきた源泉だという。 西山の著書「沖縄密約」にこういうくだりがある。 「ベトナム戦争やイラク戦争に見られるように、核抑止力なるものがもはや一種の幻影と化しつつある現代においても、依然、核保有超大国としての既得権を維持し続けるためには、米国にとって核の恐怖は鳴り物入りで宣伝しなければならないテーマであり、核拡散防止に向けての激しい攻勢も、ある意味では国家エゴの形を変えた表現ともいえる」 西山は沖縄返還にからむ国家のウソを暴こうとし、機密資料を持ち出した外務省の女性事務官とともに逮捕、起訴された。 男女の不倫問題にすり替えるという佐藤政権のもくろみ通り、世間の関心は捜査側の「情を通じ」という表現に誘導され、しだいに国家間の密約という本質から外れていった。 振り返ってみれば、日本人はいつもスキャンダラスな報道に目を奪われ、何が主権者である国民にとって大切なことなのかを、しっかりと考える習慣を身につけてこなかった。 主権者として政権を代えた今も、いぜんとして、誰かが何とかするだろう、しなければそいつが悪いと、メディアを通じて罵詈雑言を浴びせる無定見な識者も多い。 新政権を選んだのは、この国の国民であり、ほかの何者でもない。罵詈雑言で政権運営がうまくいくのなら、苦労はない。 普天間基地の移設先が5月末までに決まるかどうかばかり心配する前に、唯一の被爆国日本のあるべき姿を考えてみるがいい。 「日本は本来なら世界の圧倒的多数の非核保有国家群の盟主的存在となって核軍縮に全力をあげるべきだ」という西山太吉の言葉を待つまでもなく、日本のメディアには、非核世界への大きなうねりを起こす責任がある。
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