63. 2010年4月08日 15:45:55: r4p9jEkOeM 植草一秀氏はブログで深い内容をわかりやすい言葉で書いており、昨年夏の衆院選では政権交代に無視できない貢献をされたと思う。しかし鳩山政権発足以降の植草氏は、文章がやや作為的に過ぎると思われることが多くなった。 おそらくは民主党と鳩山政権の支持を確固たるものにせんとする計算が後ろにあるのだろう。その思いはよく理解できるが、だからといって植草氏は、国民に対する目に余る背信行為については、意図的に鳩山批判を封印すべきではない。参院選勝利に向けあらゆる層に支持を大きく広げるためにも、物事には是々非々でまっすぐ真実を語るべきだ。 この半年間、鳩山とその身内が歴史的勝利に浮かれてやりたい放題やった結果、発足時高かった支持率を自ら激減させ続けた事実を直視しなければならない。これぐらいならバレないだろうと脱官僚の公約に背き国民の生活をないがしろにした施策を次々と滑り込ませ、事業仕分けのような子供だましで有権者をうまく煙に巻いた気でいる。これは、母親からの政治献金に絡んだ巨額脱税問題で検察に首根っこを押さえられた鳩山の、政治家というよりは人間としての限界ではないのか。 結果、現実の霞が関改革は大幅に後退し、もはや政治主導の体をなしていない。官僚にとっては自民党時代よりやりやすい思いがけない春到来である。 植草氏がこれまで命がけで取り組んできた「かんぽの宿」疑獄の深い闇は政権交代後もまったくの手つかずである。外資と結託した国内首謀者たちの逮捕のメドはもうついたのか?そもそも鳩山ミッション(笑)による捜査は一体どこまで進んでいるのか? さらに選挙公約でもあった取調べ完全可視化法案の先送りを早々に決定。脱官僚の一丁目一番地である国家公務員法改正案など、肝心の検察・警察・宮内庁・人事院・会計検査院・内閣法制局の人事権を、なんと政治家に対して神聖不可侵と明文化してしまい、さらに公務員給与の削減を完全に白紙撤回した。官僚の権限をこれ以上になく強固なものにしてしまった挙句、どうやって政治主導で霞が関のムダを削ると言うのか? さらに茂木議員のような18もの天下り先で役員をする整理される側の当事者に、天下り根絶の目玉である「事業仕分け第二弾」を仕切らせる。枝野のような「国民の生活が第一」など鼻から屁とも思わない親マスコミ・親官僚の大臣にすべて仕切らせる。こんなもの蓮舫だけが喜ぶ財務省主導のテレビカメラの前のパフォーマンス、まったくの詐欺である。 今の鳩山は検察に脅迫され財務省に命じられるがまま、国民の目をごまかしながら官僚の既得権益強化と影響力拡大のため日々下働きをしているようなものだ。 植草氏は、小沢一郎の影響力を計画的に排除して旧知の親友と官僚出身者・労組幹部出身者で閣内を固めた鳩山政権の真実の姿を、そろそろ読者にも正直に伝えるべきだ。地元住民の民意を無視した原発の強力推進・普天間基地の沖縄県内移設案など、八方美人に周りに流されたあげく、脱官僚・国民への主権奪還を今にも完全放棄しようとしている鳩山の現在の危険な政治姿勢をしっかり直視すべきだ。 そのうえで、それでも国民主権実現のために鳩山を支持しなければならない理由があるなら、誠心誠意筋道立てて国民に説得すべきではないだろうか。もはや敵は外の「悪徳ペンタゴン」だけではない。民主党内にいる反小沢派議員だけではない。今こそ民主党に衆院選の歴史的圧勝をもたらした「国民の生活が第一」の初心に帰り、当の鳩山自身が一番大きく変わらなければならないのではないか。 |