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2010⁄04⁄04(日) 08:00
【転載開始】
4/1付・法務省人事約８００人の大異動と今後の特捜部人事
4月1日付で法務省の人事が発表された。
797人という大型人事異動である。
中でも東京地検では125から130人が入れ替わっていて、検察・法務省から裁判官になったものが40人いる。
検察人事について月刊テーミスが興味深いことを書いている。
大鶴基成検事の東京地検次席検事になった2月末の人事は既定路線人事であり、佐久間特捜部長が6月に当初から言われていた通りの甲府地検検事正へ転出見込みだとのこと。
本ブログ4/1エントリー≪ 「谷川恒太検事は小沢氏の事件で精神的に参ってしまい、次席を続けられなくなった」・検察人事は既定路線！≫（ http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-387.html ）で、谷川検事は参ってしまったとのことだったが、このテーミスの記事では大鶴氏はまだまだ諦めてはいないようだ。
「なんともいえぬ重苦しい空気が検察庁を包んでいる」という書き出しで始まる記事は「小沢一郎VS特捜部のマル秘戦争が始まった」と題し、この記事の中で目にとまった、検察人事を中心に要約しながら抜き出してみる。
≪昨年の西松事件から一貫して捜査をリードし、小沢氏をターゲットにし続けてきた最高検検事・大鶴基成氏と特捜部長・佐久間達哉氏の人事は、検察庁のみならず、永田町、霞ヶ関が目を凝らして注目し続けていた。だが、2月末に行われた人事では大鶴氏が予定通り粛々と東京地検次席検事となった。6月に行われる予定の佐久間氏の人事も、大鶴氏同様に当初からいわれていた通り甲府地検検事正へ転出する見込みだという。（中略）小沢捜査では樋渡利秋・検事総長は今年8月までで退官するので「われ関せず」と決め込み、大林宏・東京高検検事長は次期検事総長候補として民主党最高実力者の捜査には積極的に関与しなかった。結局、樋渡、大林両氏の意を汲んだ伊藤鉄男・最高検次長検事が法務官僚の秩序を守るという大義、つまり大林氏を検事総長に内部昇格させる、と掲げて捜査を終結に導いたのが実態である。
しかし、このまま検察が黙っているわけがない。間もなく特捜部の人事が行われる。特殊１班の副部長には過去、水谷建設脱税事件、福島県ダム談合事件を手がけ小沢捜査を財政経済副部長として担った山上秀明氏が就任する予定だ。
同じく2班にはライブドア、村上ファンド事件をそれぞれ手がけた齋藤隆博氏が就任、小沢捜査では途中から１班を指揮した畝本毅氏が財政経済班を担当する見通しだ。
3人が3人ともに特捜部の将来を担うエースと呼ばれる面々である。法務・検察が歴史始まって以来の重要課題と位置づけていた裁判員制度に割かれていたの人材を、特捜部に戻し始めたのは事実であり、いずれも将来の特捜部を担う人材を全面的に出したのも、検察の強い意思の表れと受け止められる。・・・≫
この後、明石事故の検察審査会による2回の「起訴相当」で風か吹いてきた、とのことで、脱税を睨んで手を緩めていないとしている。
今まで法務・検察は現場派の検事と"赤レンガ"と言われる法務官僚とのせめぎあいの歴史だった。（参照：本ブログ2/22エントリー≪「法務・検察人事」と「法務官僚派」VS「検察現場派」≫）（http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-311.html ）微妙なバランスをとりながら一枚岩を保ってきたが、今回の小沢捜査では、当初から上層部と現場では決定的な温度差があり、はっきりとした亀裂を抱えたままでだった。
特に現場派検事のなかで、検察を奈落の底に突き落とした、小沢一郎への"怨念"は消えていないということで、上層部が現場を押さえ込んだカタチで決着したため、その修復に人事と今後の捜査に対する布陣を整えた、ということだ。
検察が小沢氏に対する怨念など、チャンチャラおかしい（日刊ゲンダイ風）ことであり、自作自演、自業自得ではないのか？
この記事の中でもう一つ気になったのが、金丸氏の政治資金規正法違反で20万円で済ませ世間の批判をあび、その後、脱税というウルトラCで逮捕して、検察の威信を救ったとされている五十嵐紀男・特捜部長が、当時の政権より人事介入を受けた、ということだ。それで、小沢氏の報復に検察庁が息を殺して身構え、大鶴氏の処遇に神経を尖らせていた。その大鶴氏の人事が予定通り行われたことで、検察庁内には安堵の声も漏れ始めている。それ以上に小沢捜査に区切りをつけて、人心を一新したいという思いが強い、ということだ。
冒頭の書き出しの検察の中に"重苦しい空気"というのは、推察すると、①検察リークへの批判がある中でもリークが止まなかったことに対する、マスコミと検察対する国民の不信が大きくなっていること、②強引な捜査手法に対する疑問が一部検察OBやジャーナリスト、国民の間で議論され出したこと、③また、一連の強引な民主党・小沢氏を狙い撃ちした捜査のために、政権与党からの報復があるのではないか、など。
特に③が重苦しい空気の要因ではないかと思われるが、これが何もなかったことが、大鶴検事の人事で証明され、反転攻勢に出てきた、という見立てもできる。
（参照：本ブログ1/29ｴﾝﾄﾘｰ「大鶴基成という人はどんな検事なのか？」）（http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-240.html ）
大鶴検事にしても佐久間検事にしても強引な自白中心のコジツケ捜査のプロであり、その実績は惨憺たる冤罪被害者を増やしたともいえる事件ばかりである。
特に佐久間が主任検事として担当した「長銀粉飾決算事件」は最高裁判所で被疑者全員に無罪判決が下され、冤罪だったことが確定。特捜副部長として指揮をとった「福島県知事汚職事件」では収賄の容疑自体が裁判では認められず、ほとんど冤罪だった。「この人が捜査すると自殺増える」（参照：週刊ポストに因んで「独断！赤っ恥ランキング」ー検察編ー）（http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-299.html ）
こんな実績で特捜部長になり、かなりあせって手柄を持とう、それにはやはり政治家が手っ取り早い、とターゲットを絞ったことは想像に難くない。
政権交代の大きな変革期を後退させ、政治を停滞させ、日本経済にも影響を与えたものが、一握りの検事の地位名誉のためであった、なんて冗談にもならない。
画像
http://blog-imgs-29.fc2.com/e/t/c/etc8/sakuma.jpeg
※同ブログより転載
これ以上冤罪事件を増やさないためにも、これ以上自殺者を増やさないためにも、佐久間達哉特捜部長の既定人事に民主党は人事介入すべきである。
【転載終了】
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