投稿者 加藤 日時 2010 年 3 月 30 日 17:43:01: ZcB0xpcLKA8ZE
3月30日の朝日新聞と共同通信の記事を読むと、岡田外相がクリントン国務長官及びゲーツ国防長官と会談している。その会談で岡田外相は「独立国の外相」として相応しい交渉をしている。
記事を要約すると、事実は次の三点になる。
1)辺野古沿岸部は実現困難(岡田)
クリントン米国務長官と会談した岡田外相は、「米側の考え方は、日米合意案が最善ということを承知している。しかしながら、現行計画の実現は難しい。我々が検討しているより実現可能性のある案を検討してもらいたい」と求めた。
2)移設には地元の同意が重要(ゲーツ)
ゲーツ国防長官は「米軍普天間飛行場移設問題に関し、駐留が運用面や政治的に安定した形で続けられるよう日本政府の協力に期待する」と述べ、移設には地元同意が重要との考えを強調した。
3)思いやり予算の見直しに着手(岡田)
あわせて、岡田外相は、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の見直しについて「包括的な作業を早急に行いたい」と述べた。ゲーツ氏は「対日防衛義務を誠実に果たしていく」と応じた。
このような踏み込んだ主張を公式外交で行ったのは初めてではないか、少なくとも公表された外交では。岡田外相は首相記者会見にきちんと沿った外交交渉を行っている。
朝日記事の「岡田外相が意見を変えた」は、国民から見れば、余計なお世話である。
NHKは9時のニュースを変更して、昨日から一切の解説をやめた。事実たけを淡々と流しており、視聴者の評判が良い。「判断は視聴者に任せろ」が実現してTwitterではお祭り騒ぎであった。
新聞も事実をもれなく脚色せずに報道して欲しい。報道と解説は別物である。解説は支持する立場を明記した上で行って欲しい。
ともかく、従来の新聞報道とは異なり、鳩山内閣の独立国としての外交を評価し、期待したい。
普天間問題はアメリカから見れば、取るに足らない問題に過ぎない。(むしろ、思いやり予算見直しのほうが問題であろう。) 思い切った主張をして、厳しい交渉してもかまわないを思う。
アメリカに日本国民がどのような意見を持っているのか知ってもらうことが大切。そのほうが、将来の日米関係の発展に結び付く。また、東アジア共同体構想の実現過程に於いても、アメリカの理解が得やすくなる。案ずるよりは産むが易しである。
最後に、気になる関連記事があった。共同通信の報じる「東アジア戦略概観2010」(防衛研究所)の公表である。その主張は政府の理念を真っ向から否定している。
@鳩山首相「常時駐留なき安全保障」‥平時と有事の中間的軍事危機が増加しているので疑問
A岡田外相「核の先制不使用論」‥‥‥東アジアの情勢は楽観できないので、時期尚早
政権交代時に研究員の入れ替えを行っておくべきであった。今からでも遅くない。健全な憲法思想とバランス感覚を持った研究員に交代させるべきである。今の日米交渉に対しても、今後の東アジア共同体構想に対しても、大いなる阻害要因となりかねない。放置すると、国を危めることになる。
朝日新聞と共同通信の記事を貼付けます。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(貼付けはじめ)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
普天間、岡田氏「5月決着変わらぬ」 米国防長官に表明(朝日)2010年3月30日1時10分
http://www.asahi.com/politics/update/0330/TKY201003290437.html?ref=reca
【ワシントン=鶴岡正寛、村山祐介】岡田克也外相は29日午前(日本時間同日夜)、ゲーツ米国防長官と国防総省で会談した。外務省によると、岡田氏は米海兵隊の普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設先について政府内で検討を進めていると説明し、「5月末までに決着したいとの鳩山由紀夫首相の考えに変わりはない」と伝えた。
ゲーツ氏は「在沖海兵隊は日米同盟にとって重要だ。米国として引き続き日本と協議し、早期に解決したい」と応じた。また、「同盟深化を建設的に進めるためにも普天間問題の解決は重要だ」と述べ、深化のために日米の外務・防衛閣僚級会合(2プラス2)などの場を活用していくべきだとの考えを示した。
鳩山政権は、普天間基地の機能をキャンプ・シュワブ(同県名護市など)陸上部、徳之島(鹿児島県)に暫定的に分散移設し、その後、勝連半島(沖縄県うるま市)沖合に移す案を検討。岡田氏は、こうした検討状況を26日にルース駐日米大使に伝えたことをゲーツ氏に説明したが、詳細には踏み込まなかった。
在日米軍を統括する太平洋軍のウィラード司令官は25日の記者会見で、シュワブ沿岸部に移す現行計画を「最善」とする考えを改めて示しており、ゲーツ氏もこの立場に変わりはないと見られる。
岡田氏は、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の見直しについて「包括的な作業を早急に行いたい」と述べた。ゲーツ氏は「対日防衛義務を誠実に果たしていく」とした上で、「核を含む抑止力を維持する」とした。アフガニスタン情勢なども協議した。
岡田氏は29日夜にはクリントン国務長官との外相会談も予定している。
外相「辺野古への移転は実現困難」 米国務長官に伝達(朝日)2010年3月30日13時33分
http://www.asahi.com/politics/update/0330/TKY201003300267.html
【オタワ=鶴岡正寛、伊藤宏】主要国(G8)外相会合のためカナダを訪れた岡田克也外相は29日夜(日本時間30日午前)、クリントン米国務長官とオタワ近郊で会談した。岡田氏は、沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題で、前政権で日米合意した同県名護市辺野古沿岸に移す現行計画について「実現に移すことに様々な困難がある」と述べ、新たな移設先選びに協力を求めた。
岡田氏は会談で、「米側の考え方はよくわかっている。日米合意案が最善ということは承知している」と指摘。それでも現行計画の実現は難しいとして、「我々が検討している考え方について検討してもらいたい」「より実現可能性のある案をきちんと議論すべきだ」と求めた。岡田氏はこれまで、現行計画も排除しない考えを示していた。
岡田氏はまた、「5月末までに決着したいと鳩山由紀夫首相も決意している」と表明した。
鳩山政権は、普天間飛行場の機能をキャンプ・シュワブ(同県名護市など)陸上部、徳之島(鹿児島県)に暫定的に分散移設し、その後、勝連半島(沖縄県うるま市)沖合に移す案を検討している。米側は現行計画を「最善」としており、岡田氏は会談後、こうした米側の立場は「あまり(変わったとは)感じられない」と記者団に語った。
このほか岡田、クリントン両氏は、軍事秘密の漏出防止のための「情報保全」について協議機関を新設することで合意。北朝鮮が無条件で6者協議に復帰するよう促していく考えでも一致した。
イランの核問題については、クリントン氏が「最も優先順位の高い問題だ。イランが核保有の道をたどると世界に大きな不安定をもたらす」と表明。両氏は、ミャンマー(ビルマ)で年内に予定される総選挙に関連し、民主化が進んでいないことに懸念を示した。
ゲーツ氏、地元同意求める 岡田氏、5月決着の決意伝達(共同)
【ガティノー(カナダ東部)共同】岡田克也外相は29日午前(日本時間同日夜)、米ワシントン郊外の国防総省でゲーツ米国防長官と会談した。ゲーツ氏は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題に関し「駐留が運用面や政治的に安定した形で続けられるよう日本政府の協力に期待する」と述べ、移設には地元同意が重要との考えを強調した。また「早期に問題を解決したい」と表明、両氏は移設案の検証作業を早急に終えるべきだとの考えで一致した。
引き続いて岡田氏は29日午後(同30日午前)、カナダ・ガティノーでクリントン米国務長官と会談し「5月末までに決着したいと鳩山由紀夫首相も決意している」と伝えた。長官は協議していくと応じた。ただ移設案をめぐる具体的な論議には踏み込まなかった。
両氏は、北朝鮮に対して無条件で6カ国協議に復帰するよう協力していく方針を確認。イランの核開発問題について国際社会で連携して対応することが重要だとの認識で一致した。
岡田氏は29日午後、主要国(G8)外相会合に出席のためカナダ入りした。
2010/03/30 05:02 【共同通信】
岡田・ゲーツ会談要旨
【ワシントン共同】岡田克也外相とゲーツ米国防長官の会談要旨は次の通り。
▽普天間移設
岡田氏 米軍普天間飛行場の移設問題は、5月末までに決着する考えに変わりはない。
ゲーツ氏 在沖縄海兵隊は日米同盟にとって極めて重要だ。駐留が運用面や政治的に安定した形で続けられるよう日本政府の協力に期待する。米政府として引き続き協議し早期に問題を解決したい。同盟深化協議を建設的に進めるためにも普天間問題の解決が必要だ。
両氏 現行計画の代替案について検証作業を早急に終えることが重要との考えで合意。
▽アフガン支援
ゲーツ氏 日本の貢献は極めて重要で、高く評価している。
両氏 アフガニスタン政府の汚職対策の重要性で一致。
▽同盟深化
ゲーツ氏 日米双方にとって死活的に重要だ。米国は日本防衛の義務を果たすため、
核を含む抑止力を維持する。
岡田氏 今年前半に日米安全保障協議委員会(2プラス2)を開きたい。
ゲーツ氏 同盟深化のためにも活用したい。
▽思いやり予算
岡田氏 来年春、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の特別協定が期限を迎える。包括的な見直しを早急に行いたい。
ゲーツ氏 戦略的に重要だ。日本は国内総生産(GDP)の1%の防衛費で安全を確保できている。効率的、効果的にしていくため協議したい。
2010/03/30 11:24 【共同通信】
防衛研、首相の有事駐留に懐疑論 2010年の東ア戦略分析
防衛省のシンクタンク「防衛研究所」は29日、日本周辺の安全保障環境を分析した「東アジア戦略概観2010」を公表した。在日米軍の前方展開に関し「平時とも有事とも言い切れない中間領域における軍事力の活動の重要性が増大してきている。平時には施設の維持にとどめ、有事の際のみ米軍が展開するという図式そのものが成立しにくくなっていると言える」と有用性を強調。鳩山由紀夫首相が唱えてきた在日米軍の「常時駐留なき安全保障」構想に懐疑的な見方を示した。
同時に、核兵器をめぐる東アジアの情勢は楽観できないと指摘。抑止力の観点から米国の核兵器による「核の傘」の必要性に触れ、岡田克也外相が言及した核の先制不使用論について「時期尚早の感がある」と明記した。防衛省は「防衛研の研究者がそれぞれの立場から分析した内容で、政府や防衛省の見解を示すものではない」としているが、相反する主張は論議を呼びそうだ。
2010/03/30 05:02 【共同通信】
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(貼付けおわり)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
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