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田原総一朗の「功」と「罪」 (永田町異聞) http://www.asyura2.com/10/senkyo83/msg/363.html
http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10494209303.html 【転載開始】
テレ朝のサンデープロジェクトが21年間の放送を終えた。 朝日新聞のインタビューで、田原総一朗は番組終了について「こういう時こそサンプロが大事なんです。やめるのはまったく残念」と語っている。 テレビ朝日の番組打ち切りには、いまだ納得がいかないようだ。 「視聴率も悪くない。ただ、いやだという人たちはいた。政治家からも批判はありました。局にとっても面倒くさい番組になっちゃったんですね、きっと」
制作費カットのため、高額ギャラの田原を切りたかったという説について、田原は自身のブログで「私が降板となった理由は、私のギャラとは無縁である」と断言している。 もう一つ考えられるのは拉致被害者に対する発言問題だ。 09年4月25日未明放送の「朝まで生テレビ」で、拉致被害者の横田めぐみさんと有本恵子さんについて「外務省も生きていないことは分かっている」などと発言した。 これに対し、家族会などが「重大な人権侵害」と抗議し、放送人権委に救済を申し立てた。 放送人権委は、「配慮に欠ける発言」と判断。テレ朝の謝罪が20日後になったことについて、「スピード感覚の欠如」と指摘した経緯がある。「局にとって面倒くさい」ことであったには違いない。 さて、田原総一朗というテレビ言論界のドンを、どう評価するか。大物にはつきものだが、「功」と「罪」の両面あるだろう。 「功」は、テレビの討論番組を活性化したことだ。政治家の言質を取られまいとするタテマエ発言に噛みつき、挑発して本音を引き出そうとした。NHKの番組とは違う戦闘的な緊張感がスタジオにみなぎった。 「罪」は、そのために、政治家が他の出演者との討論よりも、田原とのやり取りにエネルギーを費やし、田原との戦いに敗れたものは手痛い政治的打撃をこうむったことだ。 たとえば、宮沢喜一は総理時代の1993年、田原から政治改革法案に関して「今の国会でやるのか」と詰め寄られ、「私はやるんです。何としても成立させたいんです」と気色ばんで答えた。 まさに挑発に乗って言質を取られた格好だ。実は、当時の党内はそんなことが簡単にできる状況ではなかった。 単純小選挙区制導入を柱とする政治改革関連法案は野党の反発が強く、与党にしても梶山静六幹事長はじめほとんどの議員は本音では反対だった。 サンプロでの宮沢発言がきっかけとなって自民党内が混乱し、野党が提出した不信任案に小沢グループが賛成票を投じて、自民党分裂、政界再編につながった。 もうひとつ印象に残っているのが、1998年、橋本龍太郎首相がサンプロに出演したときのことだ。その場面を田原はこう振り返る。 「当時、大幅恒久減税が問題になっていた。橋本さんは税制改革をやるという。私が『財源はどうします?』と質問したら、はぐらかされた。さらに聞くと、絶句して答えられない。しどろもどろになって、顔に汗をびっしょりかいている映像が全国に流れた。自民党は参院選で惨敗し、橋本さんは辞任。テレビの怖さをあらためて知りました」 国会でも、内閣でもなく、テレビ番組の一人の司会者が政治を変えうるという怖さを知っていながら、日曜午前としては高いといえる視聴率に支えられ、同じ手法を続けてきたといえるだろう。 田原総一朗氏はディレクターのつもりで、サンデープロジェクトの討論を仕切っていたとも言う。つまり、ジャーナリストではなく、番組を面白くする演出家なのだと公言する。 だとすれば、最終日の昨日は、まずまずの出来だったのではないか。亀井静香と菅直人という、連立を組んだ二閣僚が、郵貯の預金限度額を巡って険悪な言い合いをするなど、滅多に見られない光景だ。 これも、田原がねらうように、二人のタテマエでなく本音が出ているわけで、番組的には納得だろう。 演出家田原が、小沢周辺への検察捜査に批判的だった郷原信郎弁護士(元検事)を出演させ、どんどん発言させたのも記憶に新しい。他の民放番組では見られなかったことだ。 ところで、サンデープロジェクトの終焉によって、討論を中心とした硬派の番組は民放キー局から姿を消すのではないかと筆者は懸念している。 新報道2001は、いちおう討論形式だが、出演者の人選、司会者のレベルからいって、娯楽色の強いニュースワイドショーの域を出ない。 田原が続投する「朝まで生テレビ」は真夜中番組だけに、視聴する人は限られる。ケーブルテレビや衛星放送の討論番組も然りだ。 テレビの過剰な政治支配を生んだサンプロの「罪」の部分はともかく、その打ち切りによって、生の討論番組が衰退し、恣意的に映像を編集し大げさなナレーションをつけた単眼情報ばかりが電波を占拠する恐れがないとはいえない。 テレビ朝日の後継ニュース番組は、期待にこたえられるものとなるのだろうか。
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