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対米追従勢力の狙いは、政権転覆ではなく、政権の変質と取り込みである http://www.asyura2.com/10/senkyo83/msg/256.html
菅家利和氏の完全無罪判決は当然として、この冤罪事件をめぐって県警や検察の捜査のあり方を各紙は厳しく批判している。ところが、現在進行中の西松建設事件、陸山会事件、北教組事件などはもとより、大阪地検の大失態が明々白々になりつつある郵政不正事件でさえも、一連の国策(政権交代後は反国策というべきか)捜査については何の批判も検証もしていない。 検察に代表される官僚やマスコミの基本スタンスは対米追従だ。かつて外務省の小役人は日本外交の基本は「対米追従」だと公言して憚らなかった。米国の利益を擁護しながら買弁的な利権を漁ってきた連中である。この対米追従勢力は果たして、民主党政権の転覆を企んでいるのか。そうではあるまい。現政権を倒したところで、最早新たに米国の利益を巧妙かつ確固として実現しうる政治勢力が存在しないのだ。ねずみに見限られた難破船さながらの自民党はすでに崩壊過程にある。みんなの党、そのたの新興保守諸雑派など論外だろう。また郵政民営化反対勢力ののような「非米」保守の台頭も回避しなくてはならない。こうした現状から対米追従勢力の戦略は政権転覆ではなく、取り込み路線となる。 いっとき生方の後任の副幹事長に名前のあがった辻恵氏は、この間の検察の策動について、選挙で政党に成立した政権をクーデター的に倒そうとするものと述べている。辻氏の見識にはかねがね敬意を表しているし、この表現も比喩的なものではあるが、人々の現状認識をミスリードする懸念もある。対米従属勢力の目的は政権を倒すことではなく、取り込むことである。ただ民主党政権が続いていれば良いわけではなく、政権の変質を阻止することが重要なのだ。 追従勢力の狙いは大きくふたつ。小沢の影響力を殺ぐことと、労組とりわけ官公労との間に楔を打ち込むことだ。良くも悪しくも、またいかに不十分であれ、このふたつが小泉・竹中路線を乗り越え、対米追従政策を転換させる牽引力となっているからである。このふたつに攻撃を集中し、党内のネオリベ、旧民社、マスコミ崩れなどの相対的な位置を浮上させ、政権の取り込みにかかろうという寸法である。 民主党は変質という以前に、自らのマニフェストさえもまともに推進できない未熟さを内包している。60年以上にわたって自民党を中心とした対米追従勢力が築いてきた反動の橋頭堡を、一朝一夕に突き崩せるものではないというのは確かにそのとおりだが、あまりにも雑多な勢力の寄せ集めである民主党は、いまだにその基本的な性格さえ確定しがたいところがある。その意味では、小沢攻撃や労組批判がなかったとしてさえ、常に追従勢力に取り込まれる危険性を有しているのである。 政権獲得後の一連の施策に、既にその危険が伺われる。あの事業仕分けにおいては、仕分け人に小泉・竹中に近い人物が何人も入っていたし、財務省の影響力を全く排除できなかった。年末に明らかにされた「新成長戦略」も従来の完了の作文の羅列であり、全く期待を裏切るものでしかなかった。「新成長戦略」については金子勝氏(竹本俊彦氏とともに)が「世界」の3月号に批判を寄せている。 一番肝心な、税制、財政の改革による所得の公正な再分配と生活の安定についても、鳩山首相の発言はブレまくっている。去る3月12日、首相は参院予算委員会で舛添前構成労働大臣の質問に「法人税は減税の方向に導いていくのが筋だ。国際的に見て日本の法人税が高いのは事実だと思う。税率を世界の流れにふさわしいものにしていく」と答えている。首相にこんなトンチンカンなことを言われては、税調専門家委員会の神野氏も立つ瀬がない。税財政のあり方については、稿を改めて詳述したいと思うが、新自由主義化の法人税、所得税の引き下げ競争が、先進各国の財政を窮乏化させた反省から、特に欧州では(金融不況下ですぐには取り掛かれないにせよ)税制の見直し機運にあるという「世界の流れ」を首相はご存知ないのだろうか。 これはもう、取り込まれる前に自滅してしまいそうだ。しっかりした指導力とブレーンと活動組織を早急に作り上げて、「変質」と「取り込み」の策略に対抗しなくてはいけない。当面は小沢氏と労働組合の踏ん張りに期待するほかないのだが。
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