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普天間は「嘉手納弾薬庫」へ http://www.asyura2.com/10/senkyo83/msg/239.html
神浦元彰 軍事ジャーナリスト 沖縄の米軍再編では、2014年までに海兵隊はグアムに移転し、嘉手納基地の空軍部隊も本国に撤退していきます。 そしてその軍事的な空白を埋めるように、那覇基地の海自P3C部隊と空自のF15戦闘機部隊が嘉手納基地に移転してきます。 それを守るように、キャンプ・ハンセンに陸自の第15旅団(新設)が移転してきます。 これはアメリカが沖縄を見捨てた訳ではなく、嘉手納基地を日米共同使用して、東アジアでの米軍のプレゼンス(存在感)を上げる効果を持たせる考えです。それが”米軍再編”なのです。 そのため、定期的に嘉手納基地には米軍機が飛来して空自と共同訓練を行い、空自の戦闘機部隊がグアムやアラスカで共同訓練を行います。何かあれば、グアムの米空軍のF22戦闘機部隊が嘉手納に飛来します。 グアムの軍港には米空母や強襲揚陸艦、武器や弾薬を搭載した事前集積船が接岸でき、待機できる港湾施設が整備されます。普天間飛行場の航空機部隊、佐世保の艦船部隊、岩国の航空機部隊も、海兵隊の部隊はグアムにすべて移転します。グアムに司令部を置く米海兵隊(第3海兵遠征軍)を一体運用するためです。 以上のことは、アメリカのロードマップ(再編スケジュール)によって決まっていることなのです。 そこでアメリカが沖縄に普天間飛行場の代替施設を求めているのは、グアムの基地が使えなくなった場合の第2グアム基地の機能です。グアムの基地が使えなくなる理由は、台風の接近で一時的に使えない場合とか、外国のミサイル攻撃を受けて使えなくなった場合が考えられます。 それでアメリカは辺野古沿岸(キャンプ・シュワブ沿岸)基地にこだわっています。 先日も書きましたが、辺野古沿岸にV字滑走路を持つ飛行場と、埋め立ててで空母(強襲揚陸艦)が接岸できる軍港ができ、横には辺野古弾薬庫があり、海兵隊部隊が宿営地や訓練に使えるキャンプ・シュワブと北部訓練場があるからです。(キャンプ・ハンセンは陸自の第15旅団が移駐します) ですから私は、それでは沖縄の基地負担が軽減されたことにならないと思うのです。 アメリカには第2グアム基地を沖縄に作ることをやめて、沖縄(南西諸島)の防衛の主体は自衛隊に任せて欲しいと思います。南西諸島とは鹿児島以南から与那国島に至る島嶼海域の領土です。 であれば、嘉手納基地は空自、海自、米空軍の固定翼機が使い、海兵隊のヘリ部隊やMV22オスプレイ用の滑走路を、今の嘉手納弾薬庫の一部に1600メートル滑走路を造るというのが私の案です。 米軍の弾薬庫は精密誘導兵器の普及と、弾薬を搭載した事前集積船の活用で、弾薬庫の貯蔵弾薬量が激減しています。現在の嘉手納基地より広い嘉手納弾薬庫に、1600メートル滑走路を造ることは無理ではありません。 またそこを陸自のヘリ部隊(島嶼防衛の空中機動部隊)が、日常的に使うことが可能になります。無論、この基地の防衛(警備)はキャンプ・ハンセンの陸自部隊が担います。 そうすれば、キャンプ・シュワブと北部訓練場が地元に返還可能になります。また、嘉手納以南の米軍基地も計画通りに返還されます。 これが私の嘉手納統合案(弾薬庫を含む)です。そのかわりキャンプ・シュワブ、辺野古弾薬庫、北部訓練場を返還してもらう案です。 地元の人は、これ以上、嘉手納基地の負担増には応じられないと言われると思います。しかし米空軍が嘉手納から撤退すれば、今までのような基地公害は自衛隊との間では起きないと思います。 自衛隊は日米地位協定で守られていません。 また嘉手納基地の米軍撤退で軍務の雇用解雇も少なくて済みます。 米政府、地元、日本政府が、それぞれ「3方1両損」の気持ちでなければこの問題が解決できないというのは、この案のことです。 しかし、ここまで普天間問題が混乱すれば、だれもが冷静な思考が出来なくなっています。平野官房長官が提示した2案は混乱の極みの産物です。 本当の軍事のプロフェショナルなら、この嘉手納弾薬庫案が現状を打開できる案だと気がつくと思います。今は、そのような人が一人でも多く増えることを待つだけです。 同時に、日本がアメリカ軍に依存せずに、対等の同盟関係を築くという意味からすれば、沖縄に米軍の都合だけで巨大な海兵隊基地を建設することはやめさせなければいけません。
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