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市場構造を直視できず、バブル(と崩壊)を深刻化させた大蔵・日銀官僚 (日本を守るのに右も左もない) http://www.asyura2.com/10/senkyo83/msg/137.html
植草一秀の『知られざる真実』「最近のトラックバック」より http://blog.trend-review.net/blog/2010/03/001583.html
このように日銀の金融政策の歴史は、失敗の歴史である。戦前でも日銀総裁であった井上準之介が大蔵大臣になり、金解禁を強引に行い、昭和恐慌を招いている。 ─────────────────────────────────── 大蔵省・日銀の失策といえば、その代表格は’80年代バブルとその崩壊である。
バブルの発生と崩壊 86年1月30日に日銀は公定歩合を5%から4.5%へ引き下げた。理由は円高により景況感が悪化した為その対策である。しかし結果的にここからの日銀の金融政策こそ、バブル発生の源泉と言ってよいものである。日銀は3月10日に4.0%、4月21日には3.5%とわずか3か月余りで3回も公定歩合を引き下げたのである。これにより金余り現象を創出し、86年8月20日には、当時の日経平均の最高値1万8936円を付けるのである。
ここの背景にあったものは、NTT株の収入で財政赤字を少しでも減らしたいとする大蔵省理財局の意向であった。しかしバブル崩壊後の不況の中、約650兆円と言う巨額の国家・地方の長期債務を抱えた今にして思えば、この時の先見性の無い大蔵省の判断は失政を越えて、殆ど犯罪的行為だったと今では見られても仕方のないものである。目先の利益は見えても、長期的視野で物事を考えることの出来ない、ビジョン無き官僚たちによる国家的失策であった。 87年10月19日ニューヨーク市場が508ドル暴落するというブラックマンデーが発生した。この時の事後対策がバブルの助長に拍車を掛けた。皮肉にもこの日は中曽根首相が竹下登氏を後継に指名した日であった。本来それまでの株式相場の過熱や地価高騰を考慮し金融引締めに動くべき日銀が、このブラックマンデーに金縛りにされてしまったのである。 つまり、一方で内需拡大という国際公約のある中、「世界恐慌の引き金を引くわけにはいかない」ということで利上げのタイミングを見失ってしまった。結局89年5月31日に3.25%へと利上げするまでの間、当時の最低水準だった公定歩合2.5%を維持し続けたのである。宮沢蔵相・澄田日銀総裁という組合せで行なわれた言い訳無用の失政である。 この低水準の金利による金余り現象が株価そして地価の高騰に拍車を掛けた。ところが一般の物価は余り上がることが無かった。このことが金融当局者の判断を更に誤らせることになった。特に問題で有ったのは日本という土地本位主義の国でもたらす土地高騰の意味を金融当局者が理解していなかった事である。不動産が高騰し担保価値が増えたので借金を増やす。新たに手に入れた資金でまた土地を買うことで更に土地高騰が続く。所謂地上げ的行為であるが、こうしたネズミ講的手法が何時までも続かないことは子供でも判る。しかし現実には金融政策担当者はこの事の意味を十分に理解することなく、本来行なうべきマクロ的経済対策は行なわなかった。 東証の日経平均株価は89年末の大納会で最高値3万8915円を付けた。地価については90年に入ってもまだ上昇を続け90年4月1日に大蔵省による総量規制が導入された。公定歩合は89年12月25日に3.75%から4.25%、90年3月20日に4.25%から5.25%、90年8月30日には5.25%から6.0%へと矢継ぎ早に上げられた。この90年8月には景気は戦後最長のいざなぎ景気に並ぶのでは議論されていたが、議論すべきは発生させたバブルをソフトランディングさせずに崩壊させた時の経済に及ぼす影響の度合いであった。しかし金融政策者にそうしたマクロ的視野は全く無かったのである。 バブルの崩壊については当時の日銀三重野総裁が主役であった。彼はネズミ講的に築かれた土地価格を反転急落させた時に、それが日本経済全体にどういう効果をもたらすのか理解出来ていなかったのであろう。それどころか平成の鬼平として高騰した土地の価格を下げてバブル潰しをすることが日本経済にとって良いことであり、自分の評価を高めるものと勘違いをしていたのである。本来望まれていたのは経済の軟着陸が可能な土地価格の下落であり、金融不況に陥らせるトリガーとなるような土地価格の下落ではなかったはずである。しかし彼の政策は結果的に日本の90年代を台無しにし、21世紀の展望すら見通せない状況に陥れてしまったのである ─────────────────────────────────── 「ジャーナリスト同盟」通信〜本澤二郎の「日本の風景」(353)(http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51554045.html)によると、この官僚たちの金融経済政策の失敗→バブル崩壊によって実に1500兆円もの日本の資産が消滅したという。
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