大手マスコミの報道、またそこで報道される国民の反応とやらは実に滑稽だ。鯨、クロマグロ、それが食文化というナショナリズムに結び付けられる。常識的に考えたらいい。どこの漁業関係者でも、このまま創業を続けたら特定の漁業資源が絶滅してしまうと考えれば、その特定資源を保護する方法を考え、漁獲量を制限するなど実際にそうしている。鯨にしても、クロマグロにしても同じことだ。

ただ、問題は事実としてそうなのかどうか、である。絶滅するとなれば、国民も食文化とやらではなく、保護するのが当たり前と考えるだろう。しかし、どういうわけか食文化という前にもっと重要なことである事実の報道がない。事実報道の前にシーシェパードとかのアホ行動が大々的に報道される。シーシェパードには、ぜひとも辺野古にいるジュゴンの保護活動に参加して欲しいものだ。

俺は「ナショナリズム」を２つの意味で使っている。どういうわけか、日本では一方の意味がスッポリ捨てられている。Encartaで「nationalism」を引いてみよう。次の３つの意味を挙げている。

1. desire for political independence: the desire to achieve political independence, especially by a country under foreign control or by a people with a separate identity and culture but no state of their own
2. patriotism: proud loyalty and devotion to a nation
3. excessive devotion to nation: excessive or fanatical devotion to a nation and its interests, often associated with a belief that one country is superior to all others
http://encarta.msn.com/dictionary_1861632464/nationalism.html

日本では、定義の最初にある「政治的独立の希求」がスッポリ抜けているのだ。もっぱら、大戦中に植民地主義で共食いしあった欧米日各国の偏狭なナショナリズム、偏狭な国への忠誠心・愛国心、民族優越主義の意味で使われている。

確かに戦前日本は偏狭なナショナリズムの固まりであったかもしれない。しかし、現在はまるで違う。米軍が大規模に駐留するという独立国とは言えない状態にあるのだ。にもかかわらず、ナショナリズムの最大の意味である「政治的独立の希求」がスッポリ抜け落ち、鯨やクロマグロなどという、恐らく一般の国民にはほとんど関係ないことに「ナショナリズム」が結び付けられる。また、もっぱら反朝鮮・反中国の親米右翼のアホ活動が「ナショナリズム」に結び付けられる。

戦中に戦争を賛美し、ナショナリズムを煽りながら、敗戦になると手のひらを返してアメリカ万歳、民主主義を称え、ナショナリズムを矮小化し、歪めてきた大手マスコミ。大手マスコミが戦中から戦後へとほとんど改革もなしに引き継がれたことを認識すべきだ。事実として、米国公文書で明らかにされているように、読売社主の正力松太郎は岸信介と同じく戦犯でありながら釈放され、「PODAM」というコード名を持つCIAのスパイだった。

官僚・マスコミをはじめとして、政権交代後に執拗に現政権の攻撃を繰り返す抵抗勢力がどのような連中なのか。一般の日本国民からすれば、まさに、やたら無駄死にを増やした戦争の責任を負うべき連中を中心にした組織そのものではないだろうか。

正統ナショナリズムの復権を！
http://ootw-corner.asablo.jp/blog/2010/03/14/4947569 　

コメント
01. 2010年3月20日 08:56:10 「アバター」見ました。とてもいい作品でした。 「海兵隊」が平和に暮らす「ナヴィ」を攻撃し、大勢のヒューマノイドを殺傷する話です。 海兵隊は平和に暮らす「ナヴィ」を野蛮人、人間ではないといって平気で攻撃します。 現実の世界では、あふがにすたんやいらくでも一般人が殺傷されました。 （沖縄の「海兵隊」は日本人を野蛮人と思っているのでしょうか、 あまりにもひき逃げ事件やレイプ事件が多すぎます。） このあたりが、アカデミーの作品賞や監督賞に選ばれなかった理由ではないでしょうか。
02. 2010年3月20日 08:56:56 マスコミの批判を肥やしに、雄雄しく立ち上がるナショナリスト政治家がいないんだからしょうがないじゃないか。グロバーリストや上記のナショナリストはいるけれども。
03. 2010年3月20日 09:04:49 なかなか、いい事を書くね。アメリカが、駐留している事自体、日本は監視されていること。第２次世界大戦を、アメリカは、忘れていない。ここが、アメリカの洞察力。過去アメリカとロシア、中国は、戦争までは、していない。 小国の日本が、また、アメリカに復讐するかもしれないと、考えているから。 飛行機、核ミサイルは、絶対に作らせないでしょうね。飛行機はアメリカのライセンス供与のみとはね。
04. 2010年3月20日 09:24:12 いつも明瞭な投稿に感心しています。 読めば読むほど、味がありますね。 国外と、国内を組み合わせた分析での事実の積み重ねが、そうさせるのでしょうね。 やっと、どういう方か見えてきました。 そして、ネトウヨが近づけない理由も分かってきました。 ブログも行ってきましたので、後でゆっくりコメントさせていただきます。 これからも、ご奮闘下さい。 これから、老人の会合に行ってきます。 午後にでもコメントさせて下さい。 今後とも宜しくお願いします。 爺さん
05. 2010年3月20日 10:23:11 環境団体と右翼、更にそれを支援する企業やメディア、テキサス親父こと プロパガンダメーカーはグルか。一見それぞれは関係ないようだが、叩き役、 叩かれ役を演じてるだけだったりして。
06. 2010年3月20日 15:01:01 ナショナリズムを語る時、戦後の占領政策を見逃す事は出来ません。 メディア論もやはり同様でしょう。 プロバガンダとしての、左右勢力は勿論、市民運動を装った環境保護団体にも異臭がします。 ０５さんの指摘は、強ち中っているような気がします。 第二次世界大戦も、メディアによる執拗なプロバガンダで敗戦を迎えました。 私も、この国を真の独立国家にしたいです。 学校教育とメディアに、ずっと独立国のように信じ込まされ続けた一人ですから。 今、ネットがそれを変えてくれる気がします。 老人の会合だったのですが、半数の老人がパソコンをオンラインで使用している事を確認しました。 ６５〜８０歳位の会合です。 楽しみですね、大きな変化の予感がします。 さて、今回の投稿は、短文ですが見事に政治的・歴史的側面を捉えていると思います。 最近の若い世代の投稿は、歴史的視点が欠落していて、論考のブレが心配になってしまいます。 ですから、はらはらドキドキしながら読んでるのが多いのです。 真夏の海の家さんのは、安心して読めるのがありがたいです。 爺さん
07. 2010年3月20日 16:37:33 日米安保やめよう、とゆう国民の声が大きくならない現実がある。 安保やめる、と言うと嫌米のような響きがあるからかな。 そこで、憲法改正して、外国の軍隊は常駐させない、としたらどうでしょうか。 あまり、常識的すぎて、憲法の条文のなかに入っていなかった。 入れている国もあるかもしれませんが、 そうゆう憲法の国だと、米軍も居られなくなる。
08. 2010年3月20日 19:00:34 皆さん、コメント有り難うございます。やはり他国軍隊が占領する属国はいやですいわゆる右翼や左翼も、この属国化に両面から貢献してきたことをイヤというほど感じています。やはり、自分の生の肉体が感じ、思うことから発信していくしかない。この間、ナショナリズムを追ってきての実感です。 From 真夏の海の家（masa）
09. 2010年3月20日 20:55:32 From 真夏の海の家様 　毎回読んでますよ。大きな反響コメントは必要ありません。お日様西町
10. 2010年3月21日 01:48:58 especially by a country under foreign control 特に強調

11. 2010年3月21日 02:34:07 desire for political independenceは個人の独立があってこそ成り立つ。 年功序列雇用形態は世界に例がない、強固な組織維持機能を有する利点を有する反面と個人を軽視できる矛盾を内包している。個人の独立をなし得るためには、この国に生まれた者、この国の国民に与えられるフリンジベネフィットがハイエスと・プライオリティーで求められるのではないか。　お日様西町
12. 2010年3月21日 08:00:40 ０１）（沖縄の「海兵隊」は日本人を野蛮人と思っているのでしょうか、 あまりにもひき逃げ事件やレイプ事件が多すぎます。） 違うでしょう。アメリカは場所によって犯罪率も環境も違う。軍隊に入る黒人の率は高いはずだし、アメリカ国内でも黒人の犯罪率は今でも非常に高い。　ですから、我々でもアメリカの町を歩く際には「通りの名前」も意識して歩きます。一本通りが違っただけで、危険な地区になる可能せいもある。 「アバター」が選ばれなかったのは、アカデミー会員の方々の思想なり趣向にあわなかったからであり、元夫人の初の女性監督が、もっとも収益の少ない作品で勝ったところに、このアカデミーの面白さがあるように思います。　でも、確かに、アバター迫力ありましたね。 人を国を語る時、我々はやはり多面的に見るべきだと思う。ちなみに、アメリカでの海兵隊はエリート意識が強いはず。　どの軍隊かによっても人も違うし、文化も変わる。　それを、単一的なものの捕らえ方をすると、更に互いの誤解を招くような気がする。Partnerとしてアメリカと対等になるのであれば、相互のRespectなくしてはありえない。　嫌悪を生む言動が最近多いのは、韓国や中国で日本人を嫌悪している人々を思い出させる。但し、彼らのビジネス界や教育をうけている層には、我々が想像する以上の理解が見られる。どのような情報を各自が消化するかによって、結果が変わるのはどこの国も同じだ。 阿修羅の論説、投稿の中で、正しい選択をしていく自分を磨いてゆくのが良いと思う。どうぞ、陰謀説にはお気をつけ下さい。
13. 2010年3月22日 01:23:27 >>12 きのうアメリカから戻って来ました　さんですかしら？ アメ・湯だ関係のコメントを正しき方向に、との運動ですか？

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