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2010年03月17日(水) 06時34分15秒
【転載開始】
鳩山政権の支持率はなぜ下がったか
私はマスコミが発表している世論調査を、まったく評価していない。
ある程度、マーケティングの仕事にかかわった人ならすぐわかると思うが、
調査方法や、バイアスのかかりやすい質問内容や、有効回答数かして、
かなりいいかげんであるし、
そもそもマスコミの連中のやることときたら、
結局、表彰であろうが、ランキングであろが、
彼らが権威づけして発表するものというのは、かなり嘘っぱちというか、
思惑が入って、操作されているものであることを知っているし、
それが、ここまで世論誘導に使いやすい、「世論調査」というものを、
マスコミがほおっておくはずもなく、確実に数字は操作しているだろうと、
かなり確信をもってみている。
(もちろん、全部が全部のマスコミがそうではないとは思うが・・)
というわけで、政権の支持率云々については極論、気にはしないし、
むしろ、「世論調査」をもとに、鳩山政権の運営がマスコミに揺さぶられることや、
また、大事な国政が、
目の前の経済対策や、過去の負の遺産の処理ではなく、
「参議院選挙はどうなるか?」と、与党も、野党もひきずられることが、
国益に反していることだと思う。
こういうムードをあおっているのもマスコミである。
「政治家は選挙ばかりで、国政をちゃんとやってほしいものです」
とかいいながら、そのムードを煽っているのは、
当の無責任なマスコミの自作自演であったりする。
さて、
そこを前置きしておいたうえで、
それでも、
週末の朝日新聞の世論調査は興味深かったので、触れておきたい。
この調査の中に、国民の今の本音が入っていると思ったからだ。
以下、引用
-----
◆昨年の衆議院選挙の結果、民主党を中心とする政権に交代しました。政権交代が起きたのは、よかったと思いますか。よくなかったと思いますか。（カッコ内は２００９年１２月１９、２０日の調査結果）
よかった ６７（７２）
よくなかった １７（１６）
◆政権交代で政治はよくなったと思いますか。悪くなったと思いますか。変わらないと思いますか。
よくなった １６
悪くなった １２
変わらない ６３
◆鳩山内閣のこれまでの仕事ぶりをみて、どの程度評価しますか。（択一。カッコ内は０９年１２月１９、２０日の調査結果）
大いに評価する ２（３）
ある程度評価する ４０（５１）
あまり評価しない ４５（３７）
まったく評価しない １２（７）
----
つまりだ。
国民の多数は、「政権交代」が実現できたことは良かった、と。
自民党の賞味期限は過ぎており、
ここで日本が新時代に向かうためには必要な政権交代だと感じているわけだ。
だが、その結果、政治は良くなったのかというと、これまでと変わらないと。
政権の仕事ぶりについては、まあ、半々の評価ということで。
要するに、
国民は「政権交代」の結果、マニフェストや、または民主党の議員たちの発言をきいていて、
これで何か劇的に変えようとしているのかと、選挙前、国民はおおいに期待をした。
しかし、いざ政権交代をして、ふたをあけてみると、
実はそうではなかったということ。
そこに対して、「がっかり」しているということだろう。
前回のブログ記事でも書いたが、
結局、経済については具体的な成長戦力も打ち出せていないし、
また、あれだけ国策捜査批判がありながら、そこの事実解明もできなければ、
野党時代にさんざん提出してきた「取調べ可視化法案」もひっこめた。
官僚の人件費を20%削減するといいながら、うやむやになっている。
消えた年金の問題も、そのまま進捗が見られない。
外交問題も、中国や韓国との関係は進展しているとは思うが、
北方領土問題や、北朝鮮の拉致問題も、いまいち進展がないと。
で、そんなこんなのまま、
もちろん、この先は、マスコミが意図的に、鳩山政権のイメージダウンを
はかっているということもあろうが、それにしても、
菅財務大臣が、消費税増税の検討をしているだとか、
小沢幹事長が、外国人参政権にこだわっているだとか。
国民が期待した改革とは、別のところの流れがズルズルと起きているのに対して、
では、いったい民主党は、
国民のために、政治改革をやるとかいいながら、どこを見て彼らは進んでいるのかと。
そこに対してのフラストレーションはずいぶんあると考えている。
おそらく、参議院選挙では、民主党は大敗するだろう。
それは、民主党を政権の座から引きずりおろしたいというのではなく、
現状の鳩山政権に対しての「批判票」である。
それは参議院の独特な立場ゆえにおこることだ。
マスコミは、とにかく小沢幹事長が怖いので、
「政治とカネ」の問題だとかいって煽るわけだが、
しかし、
根本的に国民が感じている空気感というのは、
こういう、
「変えるといっていたのに、たいして何も変わらないじゃないか」
というところのストレスなんだろうなと思うわけである。
もちろん、鳩山政権の当事者たちからすれば、
戦後60年以上、日本を支配したきた既得権の力は大きく、
アメリカしかり、官僚しかり、検察しかり、マスコミしかり、裁判所しかりで。
そういった連中から、権力を引き剥がすということに、
パワーをとられているという大変さはあるのだろうが、
国民は、とはいえ、ちゃんと見るべきは見ているので、
そろそろ、思い切った改革を断行してはどうか。
あれでもかなり手ぬるかったが、
岡田外務大臣による、日米密約の部分公開は効果があったとおもう。
次にやるべきは、CIAと癒着した政治家の問題についてだ。
アメリカでは、CIA文書が公開されているのだから、この件についても、
国民の前に明らかにするべきではないか。
どうも、今の鳩山政権には、時代の「改革者」としての気概が足りない。
廃藩置県を断行し、それまでの封建制度を破壊した西郷隆盛のような気概。
明治新政府の気概を、なぜ彼らは、ここで見せないのだろうか。
あの明治新政府の人材たちの決意たるや、
それまで「封建制度」、「士農工商」、「鎖国」という時代に生きてきながら、
それらの既成概念をぶち壊したわけだから、とんでもない決意が必要だったわけである。
結局、西郷にしても、大久保にしても、龍馬にしても、非業の死を遂げるが、
歴史に名前は残したわけだ。
日本は、少子高齢化が進み、
国際競争力も目に見えて、落ちてきており、
まさに時代感覚としては、明治新政府ができたころのように、
ここで、大きく変わらなければ、落ちぶれていくだけなわけである。
そこを強い意志をもって、命を賭して、「変えよう」という、
政治家が、そうはいっても少数であることが、残念である。
【転載終了】
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