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政治は「参議院選挙」のためにあるのではない。 (Aobadai Life) http://www.asyura2.com/10/senkyo82/msg/402.html
昨日、久しぶりに劇団四季の「エビータ」を見た。
それが善なのか、悪なのかもわからず、 さらには、進行役で革命の理想主義者であるゲバラが登場し、 彼の価値観と、エビータの価値観のぶつかりあいというのは、 ますます、いったい何が善で何が悪か、わからなくするものである。 ただ、エビータという人は、どこか小泉改革に似ているところもあって、 大衆を熱狂させ、メディアを操り、そして既得権益を徹底的にたたいて、 結果的に国を滅ぼす。したたかに私腹も肥やしている。 だが、違うところは、小泉改革は既得権益をつぶしているようで、 それは国民に対してのパフォーマンスで、国民を騙していて、 実は根っこのところの既得権益は、むしろ、がっちりと保護していた。 エビータの場合は、徹底的に、既得権益と対決している。そこが違いだろう。 さて、私はエビータという作品を見ながら、 1944年の混迷したアルゼンチンの様子が今の日本そっくりではないか、 というような思いでみていた。 アルゼンチンは、第二次世界大戦で中立を維持して、 双方に食料を高値で売りつけることによって、富を蓄積していた。 だがそれは、貴族や財界など、一部の既得権益層で、国民は貧困にあえいでいた。 国民の不満の根底には、イギリスに間接統治をされているという不満もあった。 だが、この流れというのは2005年から2010年における日本の政治状況とよく似ていて、 結局、日本も世界中の好景気の恩恵にあずかって、 2004-2006年あたりは、企業も対外輸出で大きく業績を伸ばし、 空前の営業利益をあげたわけだが。 しかし、それが社員、つまり国民に還元されることはなく、 派遣や、契約などの雇用形態の変化も進み、 むしろ、「格差社会」が流行になるなど、貧富の差は進んだわけである。 そして、なんとなく、冷戦が終了しても、いつまでアメリカに間接統治をされているのか、また、財界や、官僚、マスコミなどの既得権益がのさばっているのか、という不満がある。 つまり、こうした状況を受けて、実現したのが、 先の衆議院選挙における民主党の圧勝。鳩山政権の誕生なわけである。 戦後、はじめての民主的な政権交代というわけだ。 日本が、このあたりの物騒な国と違うのは、 軍隊がクーデターを起こして、権力が変わるのではなく、 民主的なプロセスを経て、権力交代が起きることである。 しかし、そこから先の違いというのは、 われわれは、教科書で、日本は「三権分立」で統治されている民主主義国家、 という建前というか、理想を教えられているが、 実際は、それは違っていて、 戦後60年以上が経過する中で、まず司法権は、 事実上、行政権を独占してきた自民党の強い影響下にるわけだし、 国会は行政といったいに動いてきたという経緯がある。 なにより、憲法では、その権力の存在を見せないマスコミや、検察、警察などの 強い権力をもった存在もあるわけである。 あくまで憲法に書かれていることは、法律上の「建前」であって、 実際に、法律をどのような理屈をつけて強制執行するかは、その運用者にゆだねられる。 街を歩いていたら、人の家の敷地に足が踏み入れたとかで、住居侵入違反にもできるし、 ちょっとした納税上の手続きのミスがあれば、すぐにでも「脱税」にできる。 そして、このような既得権が意思をもった国策逮捕というか、強制執行が、 戦後はいくらでも行われてきたわけだ。 マスコミ自体も、記者クラブやさまざまな特権に浴しているから、 権力の暴走を批判するどころか、むしろ迎合するわけである。 そして法の執行や、マスコミの報道に強い影響をもっているのが、アメリカである。 アメリカは、「冷戦省」との異名をとるCIAにこうした活動を行わせてきたわけである。 だが、一連のこうした不正義も、冷戦時代は、 「過激な学生運動を取り締まる」「赤軍を取り締まる」といったような 大義名分で黙認されてきたわけだ。 そして、日本人も平和ボケをしているから、 権力の行使にあたっては、もっと敏感でなければないが、そこを黙認しつづけてきた。 それが2010年まで、放置されていて、執行する側のモラルもますます腐敗して、 いまのような、日本の奇妙な権力構造になったわけであるが。 さて、 話を戻すが、 私たちは、検察の暴走や、マスコミの横暴、民主党内の権力闘争に 目がいきがちで、歴史的な鳩山政権の役割に対して、 ともすれば、問題意識が遠のきがちである。 結局、それは私自身も含めて、 「マスコミに騙されないぞ」と意識すればするほど、 マスコミの情報操作に腹が立ってしまい、肝心な本質を見失っているのかもしれない。 鳩山政権の支持が下がっているのは事実だろう。 しかし、それは、マスコミが捏造している世論調査の結果ではなく、 これは、今、いろんな人たちと政治の話が会話に出る実感値でそれを思う。 そして、その理由というのも、 自民党とマスコミが意図的につくりだそうとしている「政治とカネ」の問題でもない。 案外、一般の国民というのは、検察や、マスコミが自民党と結びついていて、 民主党の金銭スキャンダルを意図的に、洗い出してフレームアップしている ということもよく見抜いているし、自民党のほうがはるかに汚職にまみれていると思 っている。 結局、今、鳩山政権への支持が下がっている理由というのは、 まず、「経済回復」のための、具体的な戦略や、政策が打ち出せていない、 というこのことが第一である。 国民は15年以上もの間、生活の低迷に苦しんでいて、 いったいこの生活がいつまで続くのか、ということを嘆いていて、 では、鳩山政権に対して、 既得権益のためではない、「国民の生活が第一」ということを、みせてくれるような、 経済振興策というのを期待しているわけであるが、それが出てこない。 次に、この理由が大きいと思うのだが、 結局、「鳩山政権も既得権益にとりこまれた」というように感じている人が多い。 つまり、はじめての政権交代だから、多少の混乱もあるだろうが、 しかし、自民党政権と比べて、既得権益との対決姿勢を打ち出しているのか、 ということである。 官僚の人件費も20%削減するとかいっていたが、 ろくに、官僚機構の改革も進んでいないように思える。地方の改革についてもそうだ。 司法の健全化についても、野党時代に何度も提出していた「取調べ可視化法案」も 本気でやろうとしていない。 国策捜査で逮捕された人々の名誉回復や、当事者の逮捕も行われない。 記者クラブもろくに開放をされない。 「消えた年金」の問題を解決するという公約だったが、 このことも、その後どうなっているのか。「変わったな」というものも見えない。 そもそも、時代錯誤なインターネットでの薬販売も禁止されたままである。 アメリカの間接支配を取り除く動きをしているのであればいいが、 そのほか外交トピックがない。北方領土問題の進展も、北朝鮮の問題も止まったままで ある。 あげだしたらきりがないが、 結局、国民は、鳩山政権に対して、「国民の生活が第一」ということで、 日本を長年、食い物にしてきた既得権益を打破し、 政治主導で、国民のための政治をとりもどす。 そのために、圧倒的な議席数を衆議院で与えたわけである。 しかし、いまだそれがいっこうに変わらないということに、イライラをつのらせてい る。 相変わらず行われている報道は、 「参議院選挙に勝てるかどうか」で、 民主党の議員連中もテレビに出てきて、そんなことばかり言っているいるが、 しかし、はっきりいって、 国民にとっては、参議院選挙で、民主党が勝とうが、負けようが、 「そんなの知ったこっちゃない」という話である。 選挙のことよりも、まず、昨年、あれだけ圧倒的な議席数を、 権力として、国民は民主党に与えたのだから、それに対して、十分にこたえているの か。 そこを国民は不満に思っているのだし、
いずれにしても、参議員選挙で民主党が負ければ、 小沢幹事長としては、公明党と連立を組むというシナリオを描いているのだろう。 そして、四年間は権力を、民主党が握ろうとする算段だ。 しかし、公明党との連立政権は、はたして、国民の生活にとって幸せになるのだろう か。
ひょっとすると、マスコミは、公明党が民主党と連立を組んでくれることを、 望んでいる人がたくさんいて、それで今の政治状況の混迷にリードしているのかもし れない。 ああ、こんなことを考えていれば、 ほんと、日本は、そんなしょうもない権力闘争をやっている余裕もないのに、 ため息がでる思いである。 中国との差はどんどん開いていく一方で、 日本と韓国との一人あたりGDPの差は急速に詰まっており、韓国に追い抜かれる日もそん なに遠くないというのに。
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