投稿者 JAXVN 日時 2010 年 3 月 11 日 05:24:08: fSuEJ1ZfVg3Og
「大久保容疑者の第2回公判で何が起きたか(EJ第2768号)
2月21日の長崎県知事選の民主党大敗は、今回の小沢事務所
をめぐる政治とカネの問題が、いかに選挙に強い影響を与えるも
のかということを如実に示しています。すっかり「小沢=巨悪」
という構図が国民の間に根付いてしまっているようです。
確かに2年連続で、小沢の秘書(現職国会議員を含む)3人を
逮捕・拘留・起訴し、マスコミがあれだけ書き立てれば、小沢自
身がたとえ不起訴でも、こういう結果になるのは当然であると思
います。自民党と官僚組織と大企業と大マスコミの連合軍の勝利
といえるでしょう。何が何でも小沢を潰すというのが彼らの戦略
なのですから・・・。
現在の世の中は、大別すると、次の2通りの人たちがいます。
―――――――――――――――――――――――――――――
1.新聞・雑誌・TVは見るが、ネットはほとんど見ない
2.新聞・雑誌・TVに加えて、ネットもていねいに見る
―――――――――――――――――――――――――――――
1の人たちについては完全に「小沢=巨悪」と考えているのに
対し、2のネットもていねいに見る人たちは今回の小沢捜査は、
ちょっとおかしいのではないかと感じている人が多いのです。
『週刊新潮』3/4日号の関連記事では、「政治デスク」なる
人物が次のようにコメントしています。
―――――――――――――――――――――――――――――
これまで、幹事長辞任は5月の訪米後かといわれていましたが
この敗北で時期が早まるのではないかという声が党内の反小沢
系議員の間から出ている。昨年の西松事件で起訴された大久保
秘書の公判が間もなく結審し、判決は4月頃になる予定。有罪
は確実とみられ、そのタイミングでの辞任がベストというわけ
です。 ──『週刊新潮』3/4日号より
―――――――――――――――――――――――――――――
勝手に小沢は辞任すると決め付け、大久保秘書の有罪は確実と
書いているところから見て、この政治デスクはネットの情報を信
用しないか、まったく見ていないなと思わざるを得ません。
私がEJのテーマとして「小沢一郎論」を書いているのは、別
に小沢擁護派だからではなく、この一連の小沢をめぐる逮捕劇に
何かしら異様なものを感じているからです。
私が不思議に思うのは、私のような部外者でも当然に感ずる疑
問を(小沢から距離を置く)民主党の一部の大臣たちが、ことあ
るごとに小沢に対して「もっと説明責任が必要だ」などと発言す
るのは、どうかと思うのです。彼らは、本当に「小沢=巨悪」と
信じているのでしょうか。それともこれを機会に小沢追い落とし
を狙って発言しているのでしょうか。
そういうことをいっさい口にしない岡田外相は「小沢氏が必死
で戦っておられるときに説明責任をなんていえない」と発言して
いますが、これが民主党の大臣として当然の発言ではないかと思
うのです。ここまでの展開はあまりにも異常だからです。
ところで、先ほどの政治デスク氏のコメントの中で気になるの
は、「昨年の西松事件で起訴された大久保秘書の公判が間もなく
結審し判決は4月頃になる予定。有罪は確実」という部分です。
なぜ、そんなことがわかるのでしょうか。この人物は現在大久保
裁判がどうなっているのか取材していないのでしょうか。
実は、この大久保裁判にはある変化が起こっているのです。そ
れは、1月22日の次の新聞記事を見ればわかることです。
―――――――――――――――――――――――――――――
政治資金規正法違反事件で逮捕された小沢一郎氏の公設第一秘
書、大久保隆規容疑者(48)について東京地裁(登石郁朗裁
判長)は22日、今月26日から2月26日まで指定していた
西松建設の違法献金事件の期日4回をすべて取り消した。次回
は未定。大久保容疑者に対する西松建設事件の公判は2月にも
結審する見込みだった。しかし、大久保容疑者に対する捜査が
続いているため、検察、弁護側、地裁の3者が期日を取り消す
ことで合意した。 ――2010.1.22付/産経新聞
―――――――――――――――――――――――――――――
つまり、検察が大久保裁判の延期を申し入れたのです。その表
向きの理由は、検察が大久保容疑者を逮捕(再逮捕にあらず)し
たからです。
推測ですが、検察は石川問題で本当は大久保氏まで逮捕するつ
もりではなかったと思われるのです。しかし、今年の1月13日
に行われた大久保容疑者の第2回公判で検察側がショックを受け
る思わぬことが起こったため、急遽大久保氏まで含めて逮捕した
のです。そうすれば、1月26日に予定されていた第3回公判を
「拘留中」という合法的な理由で延期できるからです。
それでは、1月13日に行われた大久保裁判の第2回公判で何
が起こったのでしょうか。
これについては次の記事と≪画像および関連情報≫をご覧くだ
さい。これについての解説は明日のEJで行います。
―――――――――――――――――――――――――――――
13日、「政治資金規正法違反」に問われた小沢一郎の公設秘
書第一秘書、大久保隆規(48)の第2回公判が開かれ、「検
察側」の証人として出廷した西松建設の岡崎彰文・元取締役総
務部長(68)の尋問が行なわれた。岡崎元部長は、西松建設
OBを代表とした2つの政治団体について「西松建設のダミー
だとは思っていない」と、検察側の主張を完全否定。さらに、
裁判官の尋問に対しても「2つの政治団体は事務所も会社とは
別で、家賃や職員への給料も団体側が払っていた」と、実体が
あったと証言。大慌てした検察側が「あなた自身が訴訟を起こ
されることが心配で、本当のことを話せないのでは」と聞いて
も、「なぜそんなことを言われるのか分からない。もともとダ
ミーだとは思っていなかった」と話した。
http://octhan.blog62.fc2.com/blog-entry-1176.html
―――――――――――――――――――――――――――――
―――[小沢一郎論/44]
≪関連情報≫
●第2回公判の模様を告げる読売新聞記事
―――――――――――――――――――――――――――
準大手ゼネコン「西松建設」から小沢一郎・民主党幹事長の
資金管理団体「陸山会」などへの違法献金事件で、政治資金
規正法違反(虚偽記入など)に問われた小沢氏の公設第1秘
書で同会の元会計責任者・大久保隆規被告(48)の第2回
公判は、13日午後も、岡崎彰文・元同社取締役総務部長の
証人尋問が行われた。岡崎元部長は、同社OBを代表とした
二つの政治団体について、「西松建設のダミーだとは思って
いなかった」と証言した。公判では、大久保被告が両団体を
同社のダミーと認識していたかどうかが争点で、審理に影響
が出そうだ。岡崎元部長は、裁判官の尋問に対し、「二つの
団体については、対外的に『西松建設の友好団体』と言って
いた。事務所も会社とは別で、家賃や職員への給料も団体側
が支払っていた」と説明。前任者に引き継ぎを受けた際にも
「ちゃんとした団体で、問題はないと言われていた」と答え
た。昨年12月の初公判で、検察側は、同社が信用できる社
員を政治団体の会員に選び、会員から集めた会費を献金の原
資にしていたと指摘したが、岡崎元部長は「入会は自分の意
志だと思う。私自身は、社員に入会を強要したことはない」
と述べた。 ――2010.1.13付、読売新聞
―――――――――――――――――――――――――――」
http://electronic-journal.seesaa.net/archives/20100308-1.html
無罪の可能性のある大久保容疑者(EJ第2769号)
小沢氏の公設第一秘書の大久保隆規氏が東京地検特捜部に逮捕
されたのは、2009年3月3日のことです。逮捕された容疑は
西松建設から献金を受けたにもかかわらず、別の政治団体から献
金を受けたようにして、収支報告書にウソの記載をした疑いがあ
るというのです。その政治団体とは次の2つです。
―――――――――――――――――――――――――――――
1.「新政治問題研究会」(95年設立、06年解散)
2. 「未来産業研究会」(98年設立、06年解散)
―――――――――――――――――――――――――――――
これら2つの政治団体は、西松建設のOBが代表を務めていた
政治団体ですが、団体としての実体はなく、西松建設のダミーの
団体だというのです。大久保秘書はその団体が西松建設であるこ
とを知りながら、献金を受けたとして逮捕されたのです。
ところが、2010年1月13日の第2回公判で、検察側の証
人として出廷した西松建設の岡崎彰文・元取締役総務部長は「2
つの政治団体は事務所も会社とは別で、家賃や職員への給料も団
体側が払っていた」と、実体があったと証言したのです。
実は、この部分がこの裁判の核心部分なのです。もし、これら
2つの団体がダミーではなく、本当に実体があったとすると、大
久保容疑者を逮捕する理由がなくなってしまうからです。
大久保容疑者としては検察の取り調べに対し、一貫して西松と
は知らなかったといい切っているのですから、それに加えて検察
側の証人から団体は西松ではなく、実体があったといわれてしま
うと検察はきわめて苦しくなります。
この事態に慌てた検察側は「あなた自身が訴訟を起こされるこ
とが心配で、本当のことを話せないのでしょう」と証言の撤回を
求めたが果たせず、裁判官もその点を岡崎彰文氏に確認していま
すが、岡崎氏の答弁は一貫していたのです。
実は岡崎彰文氏も逮捕されており、調書はとられているのです
が、裁判では証言を翻しているのです。なぜ、こうなるのかとい
うと、検察側は勝手にストーリーを組み立てていて、その流れに
乗って容疑者を自白させようとしているからです。そしていった
ん調書を取ると、後から絶対に訂正に応じないので、容疑者は裁
判で供述を翻すことになるのです。
これによって不利になったのは検察側です。このままいくと、
大久保容疑者は無罪になり兼ねないとして、16日に大久保氏を
逮捕しています。本当は15日に石川容疑者たちと一緒に逮捕し
たかったのでしょうが、所在がわからなかったので、一日遅れて
16日に逮捕したのです。一般的に逮捕するときは、事前に所在
をチェックしておくものなのですが、それをしていなかったとこ
ろに検察のあせりが見られます。
東京地検特捜部が国民からの批判を覚悟の上で、再び陸山会に
家宅捜査に入ったのは、おそらく国民の目を大久保公判からそら
したいという気持ちのあらわれであったと考えられます。既に陸
山会には大久保容疑者逮捕のときに徹底的な家宅捜査をやってい
るので、めぼしいものが出ないことはわかっていたのでしょうが
そうせざるを得ない事情があったのです。
そして、1月22日に検察側は大久保公判の日程をすべて取り
消し、延期をしてしまったのです。なぜなら、今までの日程で進
むと、3月後半には判決が出てしまうのです。もし、そこで無罪
ということになると、それまでの小沢捜査は何であったのかとい
う検察に対する国民の批判が巻き起ることになることを検察は何
よりも恐れたからです。
検察の立場で考えると、大久保容疑者は絶対に無罪にはできな
いはずです。選挙前に最大野党の民主党の代表である小沢の公設
第一秘書を逮捕し、代表を辞任に追い込んだからです。もし、大
久保容疑者が無罪になれば、検察による究極の選挙妨害といわれ
かねない。そんなことは何としても避けたい――検察はそう考え
るはずです。
しかも検察は大久保容疑者の判決が出る前に、その大久保容疑
者を含め、2人の秘書まで逮捕・拘留・起訴をしているのです。
それはあくまで大久保容疑者が有罪になるという前提でやったこ
とであるはずです。少なくとも一審では有罪にしないと、検察の
威信と信用は地に落ちます。
ここで心配されるのは、福島県前知事の佐藤栄佐久氏の公判の
ケースです。この裁判にも水谷建設が深くからんでおり、石川議
員のケースと似ているのです。
しかし、既に述べたように、逮捕の原因になった水谷建設元会
長の証言がウソであることが判明しており、本来なら無罪になら
なければならないのですが、なかなかそうならないのです。
これについては、EJ第2767号(3月5日)で木村剛氏の
プログをご紹介しましたが、その核心部分を≪画像および関連情
報≫に引用しておきます。
ところで、『週刊朝日』3/5日号は、障害者向けの郵便割引
制度が悪用された郵便不正事件にからんで、虚偽有印公文書作成
などの罪に問われた村木厚子・元厚生労働局長の公判で、大阪地
方裁判所では、信じられないようなことが起こっていると伝えて
います。検察による冤罪事件がこのところあまりにも多くなって
いるのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
1月27日の初公判以来、村木厚子・元厚生労働省局長の公判
は、ほぼ過2回のペースで続いている。2月8日に、検察側の
証人として出廷した村木被告の元上司、塩田幸雄・元障害保健
福祉部長(58)は「供述内容は事実ではない」と言って、村
木被告の無罪を訴えた。塩田元部長だけでなく、これまで検察
に有利な証言をすると見られた、検察側が申請した証人たちが
次々と「供述調書はウソ」などと法廷で証言を覆し、検察を批
判し始めている。 ――『週刊朝日』3/5日号より
―――――――――――――――――――――――――――――
―――[小沢一郎論/45]
≪関連情報≫
●佐藤栄佐久・福島前知事事件判決の異常さ/木村剛氏プログ
―――――――――――――――――――――――――――
この判決の中身を詳細に見た時に、その内容の異常さに驚か
される人は多いはずだ。判決文からは「無形の賄賂」や「換
金の利益」などの驚くような言葉が次々飛び出してくるから
だ。判決文は、佐藤前知事が一体何の罪で有罪になったのか
が、全くわからないような内容になっているのだ。もっとも
驚かされるのは、二審では一審で佐藤前知事が弟の土地取引
を通じて得ていたと認定されていた賄賂の存在が否定された
にもかかわらず「無形の賄賂」があったとして、裁判所が有
罪判決に踏み切ったことだ。元々その賄賂の根拠というのは
佐藤氏の弟が経営する会社が水谷建設に土地を売却した際、
その売却額が市価よりも1割ほど高かったので、その差額が
佐藤氏に対する賄賂に当たるというものだった。ところが、
その建設会社はその後更に高い値段で土地を売却しているこ
とがわかり、「市価より高い値段による賄賂」の大前提が崩
れてしまったのだ。そこで検察は「換金の利益」つまり、仮
に正当な値段であったとしても土地を買い取ってあげたこと
が「無形の賄賂」の供与にあたると主張し、裁判所もそれを
認めた。つまり、取引が正当な価格でなされていたとしても
土地取引そのものが賄賂にあたると認定されたわけだ。
http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-f78b.html
―――――――――――――――――――――――――――」
http://electronic-journal.seesaa.net/archives/20100309-1.html
公判維持が困難である事を隠蔽するために大久保氏を逮捕したのが事実なら、それこそアムネスティかどこかの国際機関に訴えなければならない話になってしまいます。それから、この週刊新潮の「政治デスク」氏のコメントは本当なのでしょうか?(まあ新潮の紙面からの引用なのだから本当なのでしょうが。)本当なら、この「政治デスク」氏はネットどころか、新聞すらまともに読んでいない、という事になってしまうのですが。
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