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高野論説:核密約で露呈した日米安保の"闇" ─ 外交にも「官僚主導体制の打破」が必要だ!【The Journal】 http://www.asyura2.com/10/senkyo82/msg/194.html
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2010/03/post_514.html takanoron.png 日米安保体制の裏側に、核の持ち込みをはじめいくつもの密約が隠されていることは、天下周知のことで、驚くにはあたらない。有識者委員会の努力で多少ともその実態が明らかになって改めて驚くのは、外務官僚がいかに情報を占有し歪曲し隠蔽までして、内閣と国会と国民を操ってきたかという、外交における「官僚主導体制」の有害性である。 ●抑止力のまやかし 事は、単に「官」が「政」を操って国民に嘘をつかせたのがけしからんというに止まらない。少なくとも80年代までは、核弾頭を搭載した米艦船が自由に横須賀や佐世保に寄港したり、あるいはジョージ・パッカード米日財団理事長(元ライシャワー駐日大使特別補佐官)が明らかにしたように、1966年に在沖縄海兵隊が戦術核兵器を密かに山口県岩国基地に運び込んだり、好き放題にやってきた。ということは、国民は長い間、日本政府からそうと知らされないまま、いつどこで核爆発事故に遭うか分からない状態に置かれてきたということである。 元外務官僚などがあちこちに登場して、「日本が米国の核の傘に依存している以上、核持ち込みを拒絶することは出来ず、しかしそれを明らかにすれば日本の反核世論の手前、政府がもたなくなるという中で、苦悩の選択だった」などといったことを言っているのは噴飯ものである。米国は別に、日本を他国による核攻撃から防衛してくれるために日本に核兵器を持ち込んできた訳ではない。グローバルな核戦略バランスの中で、ロシア極東、朝鮮半島、中国、台湾海峡に直面するこの国土を"浮沈空母"として確保し前進拠点としてフル活用しようという、むき出しの国益に立ってそうしているだけのことであって、本当のところ日本に米国の「核の傘」が差し掛けられているのかどうかは疑わしい。 米国の核の傘がなければ、たちまち北朝鮮や中国の核ミサイルが雨霰と降ってくるかのようなことをいう人もいるが、それは外交や経済の関係を捨象して抽象的な軍事の世界だけに立てこもって物事を単純に割り切ろうとするオタク的な見方である。現に北朝鮮は、2回にわたって日本の上空を飛び越してミサイルを発射して、米の核の傘など働いていないことをすでに確認しているかもしれず、であれば日本にいつミサイル攻撃があってもおかしくはないが、今のところそういうことは起きていないし、起きそうにない。付け加えれば、私が昔から言っているように、北がもし日本を核攻撃する意図があれば、核弾頭の開発などする必要はなく、通常弾頭のミサイルを日本の原発集中地域に降らせればよいのだが、今のところそのようなことは起きていないし、起きそうにない。起きそうにないのは、北が単純な軍事基準だけで自らの行動を決めていないからである。 結局、外務官僚とそれに追随した政治家たちは、核の傘とは何であるかということを自らの頭で考えることも、米国に問いただすこともしないまま、その言いなりになって、つまりは米国の国益の側に寄って、日本国民を潜在的な核事故の脅威に晒してきたことになる。日本にとって核の脅威はまず米国から来ていたのだが、そのことを国民は知らなかった。 これが核に限らず「抑止力」一般を論じる場合のポイントで、例えば沖縄の海兵隊は不可欠の抑止力だと米国側は言うけれども、どこからのどういう脅威に対する抑止力なのかはいっこうに具体的に語られることなく、「日本が攻められたらどうするんだ」というような恫喝的な話になってそれが神話化されてきた。沖縄県では08年の1年間に、航空事故27件、廃油による水質汚染事件6件、大規模な地表火災18件、強盗・強姦事件70件が起きていて、日本を守るためにいるはずの米軍が、まずもって日本国民を殺したり犯したりしているのであって、日本にとっての侵略の脅威はまず第一には米国によってもたらされているのである。 日本を守って貰うためには、核持ち込みも航空事故も少女暴行も、国民が堪え忍ばなければならない防衛のコストなのだというのが、外務省と歴代自民党政権の論理であったのだけれども、それをそのまま受け継ぐべきなのかどうかが鳩山政権に問われていて、この密約問題も普天間問題もその議論の恰好の入り口となるに違いない。 ●鳩山政権にもっと時間を 前出のパッカードは、近着の『フォリン・アフェアズ』3・4月号に「米日安保条約の50年」と題した論文を寄せ、「ワシントンは鳩山新政権に普天間基地の問題を解決するために[5月末などと言わずに]もっと多くの時間を与えるべきである」と論じている。 「そもそもなぜ海兵隊が沖縄にいるのか、彼らは何の脅威に対抗しようとしているのか、と問う人もいる。しかしそのような問いにも鳩山の懸念表明にも応えようともせずに、ゲーツ国防長官は昨年10月に東京に来てただ06年合意を実行するように迫った」 この後に上の「もっと時間を」という文が続く。そしてさらに彼は言う。 「より一般的に言えば、米国政府は日本の強力な第二党が選挙を通じて政権を得たことを、米国自身が種を蒔くのを手伝った民主主義が日本に根付き始めた証拠として祝賀すべきである。そうすることは、日本がペンタゴンの命令におめおめと従うことを今後は期待できないということを意味するだろう。そうすることはまた、日本の諸政党が安全保障の問題について自分なりの意見を持つ権利を認めることを意味するだろう。......ペンタゴンにとって愚かなことは、政権について1カ月しか経っていない鳩山を[ゲーツ国防長官を送り込んで]怒鳴りつけるような真似をすることである」 「ワシントンは"低姿勢"をとって、東京との間で安保をめぐるあらゆる問題を思慮深く再検討すべきである。......米国政府は、日本国内の米軍プレゼンスを削減したいという日本の切望を尊重すべきである。ドイツ、韓国、フィリピンのそのような切望に対してそうしてきたのだから。在日米軍のプレゼンスは、19世紀的な治外法権の考え方を思い起こさせるようなもので、それを取り決めている[日米地位]協定については再交渉すべきである」 鳩山は、岡本行夫のような安保の"闇"の一部であるような人物のアドバイスに耳を傾けるのでなく、こういう真の知日派をこそ海を越えて内閣の顧問に迎えるべきではないか。 投稿者: 《THE JOURNAL》編集部 日時: 2010年3月10日 14:55 |
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