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イランの核開発と米国の《イスラエル離れ》の進行 (ヤマボウシのオリジナル投稿) http://www.asyura2.com/10/senkyo81/msg/910.html
この1月下旬から米軍部隊がアラビア湾に大規模な展開を示し、先年来イスラエルが虎視眈々とねらっている軍事力によるイランの核開発つぶしに、オバマ米大統領が前言を翻して支援に着手したかとハラハラしたのですが、これが実は必ずしもそういったイスラエルに同調する性質の軍事行動ではないことが判りました。 1月31日付の英保守系紙「ガーディアン」社説(http://www.guardian.co.uk/world/2010/jan/31/iran-nuclear-us-missiles-gulf)によれば、空爆では核開発阻止の効果が確認できないうえ、地上戦は予算などで困難な一方、唯一効果的なのはイスラエルの核攻撃だが、それをやるとイスラエルは米も含め世界中から相手にされなくなる、だからこのままイランの核開発黙認の方向へ推移するだろうと観測しています。この記事はその後編集されたようで、観測部分は削除されていますが、以下の通り、現実の情勢はこの観測に近くなりつつあると言えます。 では、米軍のアラビア湾展開は何の目的があるかというと、米国の言い分としては、イランとの核開発をめぐる外交交渉が行き詰まったので、イランの暴走に備える一方、イスラエルに先制攻撃の口実を与えない意味合いもあるのだそうです。 もっとも、そのドサクサに米国製兵器を湾岸諸国へ売り込んでいるようにも見えます。後述するペトレイアス将軍によれば、湾岸4カ国の小さな国の1つだけでも、もうすでにイラン全体に匹敵する空軍力を保有しているとのことです。そこにまた今回、迎撃ミサイルの更新分や戦闘機の追加分が売り込まれました。 それでも、2月1日付「ガーディアン」の社説(http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2010/feb/01/iran-nuclear-weapons-missiles-sanctions)によれば、昨年12月にゲイツ米国防長官はイランを今攻撃しても核開発は2、3年遅れさせるだけだと語っています。 米国右派の現役トップとされるペトレイアス米中央軍司令官も、攻撃はイラン国民の愛国心を増すだけだと言っているそうです(画像:http://updatedfrequently.com/u-s-general-petraeus-and-others-warn-against-striking-iran)。このペトレイアス将軍はイラクやアフガニスタンにおける「サージ」と呼ぶ軍事力の一時的急速増派作戦の考案者であり、共和党の次期大統領候補とも言われる人物なので意外でした。 その一方、ペイリン前共和党副大統領候補は、TV番組のコメントで「オバマ大統領がイスラエルを支援してイランを爆撃すれば選挙で再選されるだろう」と述べて、多くのメディアが報じました(http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/135903)。 しかし、いずれにせよ、オバマ大統領はイランへの制裁強化を発表しました。これはロシアが制裁に同意したためである一方、もしも制裁に軍事攻撃が含まれていればロシアは同意していなかったと考えられます(http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/8507168.stm)。 イスラエルの保守系有力紙「ハアレツ」でさえも《イスラエルはイランを攻撃するなというオバマの警告を聞き入れるべき》という社説を掲載しました(http://www.haaretz.com/hasen/spages/1150136.html)。イスラエルは米国の支援なしにはイランを攻撃できないのだから、米国が望まなければ攻撃すべきではないという論調です。 中東でのこれ以上の戦火拡大は米国の利益にはならず、したがって米国とイスラエルの利益も一致しなくなったということのようです。 2月初めには、オバマ大統領がイスラエル向けの攻撃型ヘリコプターの輸出を阻止したそうで、イスラエルの憤激を買っているようですが、これでますます米国のイスラエル離れが鮮明になってきました。これは正確には昨年1月のガザ攻撃に使用したヘリコプターの更新の阻止だそうで、今のところ3機のみです(http://www.worldtribune.com/worldtribune/WTARC/2010/ss_israel0074_02_01.asp)。 が、それに先立つ1月下旬には、米国はイスラエルから発注されていた25機のF-35多目的戦闘機に対して禁輸措置を取っています(http://www.jpost.com/Israel/Article.aspx?id=166184)。昨年までイスラエルは日本同様、より高性能なF-22戦闘機の購入を希望していましたが、この戦闘機は禁輸とされたうえに最終的には生産中止となりました。 では、何のことで叩いたかというと、イスラエルが西岸地区にある2つの寺院を国家遺産に指定しようとしたため、これがパレスティナとの和平交渉に悪影響を及ぼすからだというのです。かなり象徴的な意味合いもあるようです。1月19日にハマースの幹部がドバイでイスラエルのモサドと思しき集団に暗殺された事件では米国は「静観」という報道もありましたが、1月下旬の米国によるF-35戦闘機のイスラエル向け禁輸措置は無関係ではなかったと考えます。そして、今回の件は米国がイスラエルに対して明示的に毅然とした態度を取る始まりである可能性があります。 ロイターの最新報道では、イスラエルはやがてイランを「封じ込める」戦略に出るとともに、濃縮ウランが軍事向けであることを否定するという分析を紹介しています(http://www.reuters.com/article/idUSTRE6271YE20100308)。
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