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プラザ合意が日本のバブル経済を招いた。今後日本が対処する国際的な罠は何か? http://www.asyura2.com/10/senkyo81/msg/878.html
大変長いので要約をつけます。:日本の財政破綻が目前だ。それは、極端な金持ち優遇減税が実施されたためだ。日本はバブル期を境に階層化社会になってしまった。階層化され、トップの座に座った連中は一種のパペットであり、彼らを通じて日本は金持ち国家だから多少の赤字は大丈夫という情報操作がされ、増税はされず、市民は税金の使い道に無関心のままに置かれた。その状態で国際貢献という名の対米経済協力が行われたのだ。プラザ合意やBIS規制、そして、オペレーショナルリスクの自己資本比率への参入、国際会計基準での時価会計の採用など、日本が地震大国であることや米国債や日本国債の大量保有国であることを念頭に置いた国際的な罠が仕掛けられている可能性がある。まず、これらの現実をきちんと認識するところから、問題解決の道が開ける。 以下、本文です。 週刊朝日2010年3・5号の記事「日本経済は一年で破綻」は、一年という期間が妥当かどうかは別にして、日本の財政破綻が目前に迫っていると言う意味で事実だ。 そして、日本は、財政破綻と言うよりも、もっとずっと大規模で根が深い社会全体の破壊が進んでいる。それに対し、アメリカは一般市民の犠牲の上に特権階級の富の蓄積が格段に進んでいて、アメリカと言う国全体としてはその国力は増している。そのもっともいい例がサブプライムローン組込証券で、アメリカの投資銀行は、それを高値で世界中の国々へ売ったのだ。サブプライムローンが破たんしたと大騒ぎをしているが、世界各国が持っているサブプライムローン組込証券が無価値になった分だけ、アメリカ、または、アメリカの資本家たちが大儲けをしたと言っていい。 以下、日本が財政破綻にまっしぐらに突き進んでいる理由を述べる。
週刊エコノミスト2/23号で「日本国債暴落」と言う特集をやっている。その36ページに国債発行額の1984年からの推移を示した表が載っている。(ほぼ同じ表がhttp://www.jiji.com/jc/v?p=ve_pol_kokusai091215j-02-w300にも載っている)それによると、1992年までは毎年の国債発行額が10兆円を越えることはあまりないのだが、1993年からは20兆円規模になり、1998年からは30兆円を超えるようになり、2009年からは50兆円を超えるようになるのだ。つまり、まったくと言っていいほど赤字体質から抜け出すことができず毎年毎年新たに数十兆円規模で新たな借金が積み上がっているのだ。こんな状態が持続可能であるはずがない。 2.税収が1990年から一貫して減少を続けてること 3.富裕層を極端に優遇にする減税により日本社会の階層化が進んでいること なぜ新規財源の開拓が行われず、公的部門の無駄遣い見直しもあまり進まないのか?それは日本を全体としてどんどん階層化するという政策がとられているからだ。日本社会の階層化は組織的に行われていて、そのもっともわかりやすい例は所得税の税率の推移だ。1974年から1983年までの最高税率は8000万円以上の所得階層に対し75%であったのに、1989年には2000万円以上が50%になり、2007年には1800万円以上が40%になっている。最高税率が適用される所得階層が8000万円以上から1800万円以上へと大きく引き下げられているし、税率も75%から40%へほぼ半分になったのだ。以前は17に分けられていた所得階層が今では6段階でしかない。 更に現在は原則的に一律10%になっている住民税も1987年までは18%あった。だから所得税・住民税を合わせると1983年までの税率は93%だった。 日本のバブル期真っ只中の1987年、88年、89年には毎年所得税改定が行われた。1987年以前には12段階に分かれていた所得階層が1989年にはたったの5段階になってしまう。1000万円以下の所得階層への税率がほとんど変わらなかったのに対し、100万以上の所得階層に対しては、1987年以前の1000万、1200万、1500万、2000万、3000万、4000万、6000万、8000万以上と言うような8段階から、1989年には1000万と2000万以上というたったの2階層にまとめられてしまうのだ。なお現在の最高税率は、2007年の税制改定で1800万円以上一律40%となっている。 具体例を考えよう。控除などを無視して単純化する。一億円の年収があったとすると、1983年以前は9300万円は税金で持っていかれ700万円しか手元に残らない。その代わり、年収300万円の人は所得税住民税合わせて33%ほどの課税がされ約100万円の税金がかり、手元には200万円が残った。課税前は1億円と300万円という33倍もの差があったものが課税後は700万円と200万円という3倍にいかない差に収まっていたのだ。これが、高度成長期、一億総中流と言う格差のない日本社会を作っていた仕組みだ。今、年収1億円の人は住民税を入れても税率50%なので5000万円が手元に残る。年収300万円の人は所得税住民税とも10%なので20%の税金がかかり手元に240万円残る。5000万円と240万円、この差は20倍以上にもなる。これが現在の格差社会を作っている原動力であり、現在の税制は明らかに金持ち優遇税制だ。そして、そのために、国民金融資産の総額は増えているのに、税収は一貫して減り続けている。 注目すべきは2000万円以上の税率を50%にするという改定がバブル経済真っ只中の1989年に行われたことだ。投機によってぼろ儲けする人たちから税金でそのほとんどをとってしまえばぼろ儲けをしようという意欲がなくなる。つまり、1985年のプラザ合意により始まった日本の金融緩和が日本国内経済をバブル化し、投機によってぼろ儲けをした人たちにぼろ儲けの味を覚えさせるために所得税の税率引き下げが行われたということだ。 そして、1990年代以降日本社会は急激に階層化していくことになる。いわゆる長者番付の公表取りやめや各種の教育格差を広げる政策(私立中学の受験ブーム、中学校現場での業者テスト禁止、中学校への絶対評価導入、公立高校への推薦入試大幅導入、小学校での英語教育など)が行われ、そして、1999年の一般事務職への派遣労働解禁および2004年の製造業への派遣労働解禁が決定的な階層化への道を開いてしまった。 もう一つ巧妙なのは、減税が急激に始まったのがバブル経済真っ只中の1987年、88年、89年で、減税による税収減よりもバブル経済による増税効果が大きく、税収不足による財政破綻という心配をさせなかったことだ。 なお、法人税が最も高かったのが1984年で43.3%であり、こちらはバブル崩壊後も一貫して減り続け、1999年以降は30%になっている。 4.階層化の意味は世論コントロール そして、こういった日本社会の階層化がなぜされるかと言ったら、日本社会の植民地化を目指してのものだ。1960年代から既にあからさまな植民地化世界中でできなくなっている。アフリカ諸国の大部分が独立したのが1960年代であり、「ブラック イズ ビューティフル」というスローガンの元、黒人選手がオリンピックの表彰台で拳を突き上げたのが1968年のメキシコオリンピックだった。 日本が満州国を作った時にやったように傀儡政権を樹立して植民地化する手法も既に過去のもので、官僚から政治家、マスコミ関係者などに組織的に食い込み、彼らを使って情報操作をすることで現代の植民地化は行われている。つまり、本来実力のない人に権力を持たせていい暮らしを保証し、その代わりに、一般市民に本来は行渡るはずの富を巻き上げようというわけだ。 現代、明らかに植民地化されていることがわかる国は、フィリピンだろう。太平洋戦争で日本軍により破壊される前は、東洋の真珠と言われ、東南アジアでもっとも豊かな国の一つだった。大学進学率も、1960年代から1970年代初期までは日本よりも高かったのだ。しかし、次第に隠れた植民地化が進み、格差社会化が徹底されていく。古から居た大地主と言われる人々がどんどんとその富を拡大し、数十家族が国土の半分以上を所有しているとされる。このことは、「この地主は全国に数十人おり、彼らの家族が国土の半分以上の土地を所有している」という、ウィキペディアの「フィリピン」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%94%E3%83%B3の項の説明からも確実だ。そして、スラム地区では一日100円に満たない生活費で暮らさなければならい人々があふれ居ている。 日本では、階層化がかなり進んでしまった結果、本来社会全体に責任を持つべきエリート層が一種のパペットになってしまった。彼らを通じて、日本は金持ち国家であり財政破綻の心配はないとの宣伝がされた。また、税収不足を補うために課税強化をしなければいけないが、それは、税金の使い道に市民が関心を持つことを招くため、課税強化をせずに市民を無関心な状態に置いたままにした。その一方、国債や地方債を発行することで経済を回し、米国債の購入やアフガニスタンへの経済協力などの対米協力を続けてきているのだ。 5.大規模な県立高校入試不正が見逃されている背景 自分が告発している入試不正は一般入試の入学定員の3割から4割程度に事前に合格確約がされていたというもので、それが何年間にもわたって続けられていたというものだ。入試不正の証拠として、教員70名ほどが出席していた選抜会議の録音テープを提出してある。しかし、埼玉県は一切そのテープについて事実確認をしようとしない。その一方で、中学校現場での校外模試の禁止や、中学校への絶対評価導入、公立高校への推薦入試大幅導入、公立・私立大学を通じたAO入試の導入、指導要録の成績の部の保存期間が20年から5年に短くされるなど、成績のつけ方や入試についての不透明化がどんどんと進んでいるのだ。国立大学にしても、独立行政法人化がされ、教授会から理事会への学校の経営権移転がされてしまっている。国立大学や国立病院の独立行政法人化は公務員の削減と言いながら、現実にはその運営経費は国立の時と同じく国から支出されているわけで実質的には全く経費削減になっていない。つまり、教授会から経営権を理事会へ移すことが大きな目的であったと見るべきだ。そして、国立病院については、それを隠すためのカモフラージュとして使われたと言うべきだろう。 そして、これら大規模に行われている入試不正の結果、毎年毎年何万人もの若い人が本来持っている良心をひも付きにされて、一定の行動をするように強制されていっているのだ。彼らのうちあるものは高校卒業後社会に出、あるものは大学を経て中央官僚や地方公務員、マスコミ関係者など社会のあらゆる層に入り込んで行っている。彼らの影響は、今後彼らの人数がどんどんと増えることもあり、非常に大きなものになっていくはずだ。 自分の良心に従った判断ができない人が増えるだけでなく、別の悪影響もある。それは教育機関の教育の質の低下だ。自分が入試不正の現場を体験した県立高校では、ほぼ確実に定期試験の問題の売買が行われていた。進学クラスの授業を担当した時、常に試験で9割以上の得点を取っていた生徒に英語の進行形の文型を応えさせようとしたらそれができなかったのだ。そのため、定期試験の問題を事前に作ることをやめ、試験当日の早朝自宅で作って始業時間前に印刷をして試験を行ったところ、彼を含め、優秀な成績を取っていた生徒が何人も30点台に沈んでしまったのだ。多分、同じようなことが全国的に行われていて、だからこそ、東大や早稲田、慶応といった超一流校を含んだ東京六大学の学生が6×3−4÷2=( )というような小学校でやる算数の問題をやって、14%もの誤答率になってしまうのだ。間違えた学生の中には東大の理系の学生もいる。これらの学生に大学教育としての力がついているとは思えず、これらの基礎学力の不足は企業に入っても様々な問題を引き起こし、最終的には日本社会全体の弱体化につながっているはずだ。(*上の算数の問題は週刊朝日2010年2/12号の記事「東大生VSサピックスの中学生」より)
中学への絶対評価導入などの制度変更のほとんどはソ連崩壊の時期に準備がされ、ソ連崩壊後に一斉に実施されている。 だから、ソ連崩壊によって日本の国際政治上の価値は一変してしまった。それまで日本を優遇したのだから、今度はその貸しを返してもらおうという意志が太平洋戦争の戦勝国側に働いても不思議はない。 6.インターネットは大規模な世論操作の道具 テレビの基本特許はアメリカが持っていて、テレビ放送を日本をはじめ世界各地に広めるときに、Vision of America というアメリカの国益を前提にした政策をとっている。日本ではそれを受けて正力松太郎が日本テレビを設立している。 テレビがそういったアメリカの世界戦略の元に世界に広められていったのなら、それよりも後にできたインターネットが同じような思惑を持って世界に広められたと考えても無理はないのではないだろうか。 事実、インターネットの普及やその大きな推進力となったウィンドウズOSの広まり方にはいくつもの疑問点がある。その最大なものが、IBM製のOSであるOS/2ワープになぜウィンドウズが勝てたのかだ。OS/2は、ウィンドウズ同様、画面と会話して操作することのできるグラフィカルユーザーインターフェイスを持ち、1995年時点では、多くのソフトウェアハウスもOS/2向けの業務プログラムを主に作っていた。それが、ウィンドウズ95の登場が非常に派手にマスコミにより取り上げられ、一年もしないうちに、IBM自体がOS/2のインストールマシンの販売を止めてしまうのだ。ロータスと言う今のオフィイスと同じように表計算とワープロ、プレゼンテーションができるソフトがOS/2用に出来ていて、非常に使いやすいものだった。だから、どう見ても、OS/2にウィンドウズが勝つとは思えないものだった。 そして、ウィンドウズ登場以来、既に20年ほどが経っているが、未だに、その中核プログラム部分はソースプログラムを公開していない。2000年ごろから、ウィンドウズプログラムのソースを公開するという話が出ていたが、メーカーや一般に公開されているものは、未だに、インターフェイス部分であり、OSの中核プログラムのソースプログラムは非公開のままだ。 リナックスと言うオープンソースのOSが一時期かなり話題になっていたが、最近はほとんどマスコミでも取り上げられない。 そもそも、インターネットが全くの無償で世界中に広まっていること自体がある意味非常に不自然だ。アメリカは特許ビジネスに非常に熱心で、例えば、遺伝子関連の特許は強欲とも言えるほどに積極的に取得している。インターネット関連で成功した若い実業家がかなりいるが、パソコン通信の時代から見れば、googleにしてもYahooにしても、そう言ったものが今後必要になると言うことは比較的簡単に予見できるものであったはずだ。 また、インターネット上で使われるハンドルネームと言うシステムも非常におかしなもので、自分の正体を全く明かさずにどんなことでも書いていくことができるというのは、本来、非常に無責任な書きこみを許してしまうだけでなく、第3者の成りすましを可能にするシステムであり、その意味で、世論コントロールの道具として考えられたものではないかと思える。 更に、インターネットは個々のパソコンと個別に通信を行うため、一定の情報を個々のパソコンだけに偽装して流すことが原理的に可能だ。それぞれにパソコンやモデムなど通信機器にも個別の識別番号がMACアドレスとして登録されているから、プログラムさえ作れば、自動的に一定のパソコンに一定の細工をした情報を流すことができてしまう。自分の高校入試不正の告発ホームページに何の反応もないのは、こういった背景があるからではないだろうか。 つまり、現在のインターネットの隆盛は、あらかじめ予定され、様々な形でコントロールされた過程を経て出来上がったもののように思えるのだ。 そこまで考えれば、ビル・ゲイツによるマイクロソフト社の成功も、決して彼の独創的なアイデアによるものではなくて、アメリカをはじめとした幾つかの西側先進国の世界戦略に基づいたものであると考えるのが自然だと感じる。 7.国際的にわなにかけられる日本(プラザ合意) これは、加工貿易立国であった日本の産業、特に輸出産業に大きな痛手を与えた。そのため、内需刺激策がとられ、低利の資金が大規模に供給されて土地投機や株投機に向かっていった。「ふるさと創生事業」と言う題目で全国の各市区町村それぞれに使い道自由な一億円が配られたのもこの時代のことだ。そして、一連の内需刺激策の一環と言う名目で所得税減税も行われた。 日本は昭和40年代の高度成長期から米国債を大量に買ってきた。1960年の後半から1970年代の前半まで、アメリカ政府は太平洋戦争後のベビーブーム世代を大量に社会に受け入れるためやベトナム戦争の戦費調達のため、米国債を多量に発行していて、そのかなりの部分を日本が買っていたはずだ。その時代の為替レートは、固定制で1ドル360円だった。1971年、ニクソンショックと呼ばれるドルの金との交換停止があった時に308円になる。1973年には変動相場制に移行し、プラザ合意があった1985年まではおよそ250円から200円ぐらいで推移する。プラザ合意後は急激に円高になり、1ドル160円から120円ほどになってしまうのだ。 そして、日本は数十年にわたって買ってきた米国債をほとんど売っていない様子なのだ。なぜ「様子」という言い方になるかと言うと実態がはっきりしないからだ。日本政府の外国為替特別会計のサイトには何年度にどのくらいの額の米国債を買ったかが公開されている。しかし、それさえも売ったかどうかについては示されていないし、そもそもいくらで買ったのかは示されていない。銀行などの民間企業にいたっては、どのぐらいの額の米国債を保有しているかさえ非公開のままだ。 日本が米国債を売れないのは基本的に円高ドル安が戦後一貫して進行しているからだ。1億ドルの米国債を1ドル360円時代に買うと、360億円かかる。しかし、それを1ドル200円時代に売れば、200億円にしかならないし、ましてや1ドル120円なら120億円、今のように1ドル90円なら90億円にしかならない。 このような状態を国全体で見ると、日本からアメリカへ車やテレビという品物が行き、アメリカから日本へは米国債という紙(証券)が来るということになる。米国債はすでに電子化されていて、紙の現物はないから、紙が来ることさえなく現実には銀行のコンピュータにデータとして数値が現れるだけだ。 更に、1980年代末のバブル経済時代、日本は盛んにアメリカの不動産を買ったが、そのほとんどすべてで巨額の損を出している。典型的な例が、三菱地所によるロックフェラーセンタービルの買収で、2200億円ほどで買ったものを不動産自体の値下がりとドル安が進行したためもあり、1600億円ほどで売却したといわれている。 8.国際的にわなにかけられる日本(BIS規制その1) バーゼル合意のとき、銀行保有の株の含み益を自己資本比率の算定に含めるべきだと主張したのは日本側委員だと言われている。銀行が取引企業の株を保有するという慣行はほぼ日本だけのもので、銀行が企業に融資することで長期的な視点に立ちながら企業を育てていくという日本の産業構造からごく自然に行われるようになったものだ。ただ、アメリカの銀行などは取引先企業の株を保有することはほとんどなく、BIS規制によって銀行が貸しはがしを行わざるを得なくなるという事態は日本特有のことであった。 9.国際的にわなにかけられる日本(BIS規制その2) 自己資本比率は、自社株式や保有する他社の株式が分子に来て、リスクのある取引の総額が分母に来る。日本の金融機関は国債や地方債をほとんど無制限と言っていいぐらいに買っているが、これは、国債や地方債はリスク0とすることができるとBIS規制が認めているからだ。 現在、アメリカ国債の残高が急激に増えているが、日本や中国が米国債の購入をしないと言えば、米国債はすぐにでもリスク資産になってしまう。その結果、新たなBIS規制で国債や地方債をリスクのある資産にするという規則変更がされるだろう。しかし、それは、日本国債や地方債を多量に保有する日本の銀行にそのまま跳ね返ってしまう。リスクが0なので、無制限に国債を買っても分母に来る取引の量としては、買った国債の金額*リスク率0=0となり、自己資本比率に影響がない。リスク率が仮に40%、つまり、買った国債の4割がパアになるとすると、保有している国債の4割分だけ分母にくる数値が増えてしまい、結果的に自己資本比率の値が小さくなってしまうからだ。大手の銀行はみな10兆円以上の国債を保有しているので、大きな影響を受け、またもや貸しはがしが始まって一般企業が黒字倒産する事態が起きかねない。 更に、日本の国債残高の5%程は外国資本が持っている。彼らがそれをある程度まとまって急に売り出せば売り残ることだって考えられる。それを理由に日本国債だけをリスク資産化するように強制することだって可能なのだ。なぜなら、どの程度のリスクを国債に対して設定するかという決定は各国の裁量ということになっているからだ。 また、米国債を米国内の金融機関自体が売りに出すことも可能だ。米国債は急激に残高が増えているので、将来紙切れになることを見越して早めに空売りを仕掛けるのだ。大量に空売りして、値下がりしたところで買い戻しをやればその差額はかなりのものになる。つまり、証券会社から米国債を100億ドル分借りてきて売りに出す。急に大量に売りが出るので当然値下がりして90億ドルでしか売れなくても、売りが売りを呼んで暴落すれば、借りてきた分を60億ドルで買い戻すことができるかもしれない。そうなれば30億ドルがもうかるのだ。そして、これを契機にして、米国債や日本の国債をリスク資産化してしまえば、最も困るのは日本の金融機関だ。理由は、日本の金融機関が米国債も日本国債もともに多量に保有しているからだ。現実には、この理由があるため、日本の金融機関が米国債のさらなる買い増しに走る可能性が高い。 10.国際的にわなにかけられる日本(BIS規制その3) バーゼルVというものがある。最新のBIS規制でその特色はオペレーショナルリスクをリスク要素として認めるというものだ。銀行が営業(オペレーション)をやっていく上で、行員が不正を働いたり、テロや震災に会う可能性がある。それをリスクとして自己資本比率に反映せよというものだ。 ミュンヘン再保険会社という世界中の保険契約の再保険をやっている会社が世界の各都市の災害リスク指数を発表している。それによると、東京・横浜は710、サンフランシスコ167、ロスアンジェルス100、大阪・神戸・京都92、ニューヨーク42、香港41、ロンドン30、パリ25、シカゴ20という具合だ。東京・横浜はニューヨークよりも17倍近く震災リスクが高いとされている。 今のところBIS規制では各企業が自分の責任でリスク率を見積もることになっているので、ミュンヘン再保険会社が示した災害リスク指数のような大きな影響を自己資本比率へ与えてはいない。ただ、たとえば大阪で大きな地震が起こればその損害は数十兆円になると言われているので、それを契機に日本の会社はミュンヘン再保険会社の災害リスク指数をリスク率として採用せよということになるかも知れない。そうなれば、日本中の金融機関や一般企業が大きな影響を受ける。 11.国際的にわなにかけられる日本(国際会計基準) 国際財務報告基準とも言う。これは、世界的に自由に投資ができるように、世界各国でばらばらだった企業会計のやり方を統一しようというものだ。これの大きな特徴は時価会計を大幅に取り入れることができることにある。時価会計とは持っている資産の査定をその時点で売ればいくらになるかという視点で評価すること。日本では伝統的に原価会計が行われてきた。持っている資産を実際にいくらで仕入れたのかで資産額を評価してきたわけだ。原価会計は、基本的に、過去の現実に行われた取引が反映される。しかし、時価会計は、現在の仮定の取引を反映させるものだ。まだ実際には売っていないのに売ったとして仮定して評価する。原価会計も時価会計も現実には数値の操作がいろいろできるのでどちらも一種のインチキが可能ではある。しかし、上で取り上げたオペレーショナルリスクのことを考えると、日本の場合は時価の幅が他国と比べて広いと言えるだろう。 それだけ評価の幅が大きくなるので、恣意的な操作がより大きくできることになる。2008年に問題になったかんぽの宿の一括売却であったように恣意的に安値で売り飛ばし相手に不当な利益を供与することもよりやりやすくなるはずだ。 または、本来はリスクが高くて誰も買い手がいないものを、恣意的にリスクを低く評価して高く買い取らせることもできやすいはずだ。 *以上、11点に渡り日本が財政破たんに向かっている理由を述べてきた。しかし、これらのことは、僕が気がついた範囲に限ってもまだほんの一部でしかない。少なくとも、CO2排出権取引とCO2の90年比25%削減は、今後日本社会に大きな影響を与える可能性が高い。日本社会は多方面から組織的に痛めつけれていて、さまざまな方法で植民地化されている。財政破綻はそういった植民地化のための方策の一つにすぎない。まず、ほとんど報道されないこういった事態について、なるべく多くの市民が理解していくことが事態打開のための第一歩であるはず。
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