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【福島社民党の「県外国外論」を嗤う】(れんだいこのカンテラ時評680) http://www.asyura2.com/10/senkyo81/msg/873.html
れんだいこのカンテラ時評680 れんだいこ 2010/03/06 11:05 2010.3.5日、鳩山政権は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移転先を協議する沖縄基地問題検討委員会(委員長・平野官房長官)を8日に開き、移設先候補地の絞り込み方針を決めた。既に5月末までの期限で候補地を確定する旨約束しており待ったなしの局面を迎えつつある。鳩山政権がどのように対応するのかの興味はさておき、ここでは、この問題に対する社民党の政治能力を問いたい。 福島社民党は「県外国外論」を主張している。米軍キャンプ・シュワブ(同県名護市)陸上部への移設案(以下、「名護陸上案」と云う)が急浮上しつつある現在どう折り合いをつけるのだろうか。「名護陸上案」への移設が決まった場合、連立から去るのだろうか。それとも、正義の弁明をすることで役目を果たしたとするアリバイ闘争にしけ込む形で連立にとどまるのだろうか。こういうところに関心が向かうように思われる。 れんだいこには社民党の対応について解せないことがある。それは、社民党が移設問題に不必要にのめり込み過ぎていることである。社民党がなぜ、移転先にまで世話を焼き首を突っ込まなければならないのだろう。「県外国外論」は福島執行部の責任問題にまで発展するべきミステークであると見立てる。社民党内が違和感を唱えていない現状は能力の貧相を示している。党内の反福島系の動きが伝えられているが、これを右から批判しているのか左からしているのか定かではない。仮に「名護陸上案」又は自公政権時の「名護海上案」に同調せんとしているとしたら論外の動きと云えよう。こういう連中は社会党の運命同様に早くくたばってしまうが良い。 れんだいこは逆向きに批判しようとしている。れんだいこは、米軍基地の撤去一本槍を主張したい。特に沖縄要塞化の動きを批判したい。普天間基地の度重なる不祥事の責任を徹底追及するのがお仕事であり、どこそこへの移転なぞは米軍が考えれば良い、そういう問題に社民党が関わる必要は一切ない。社民党が説くべきは、現代世界の世界趨勢である反戦平和の観点からの軍拡競争、軍事紛争批判であり、国際協調と平和外交の称揚であるべきである。これを空理空論と云うのは云う方が空理空論であると切り返せばよい。 世界の歩みは戦争を次第に不要なものにしつつあるように思える。人類文明がそこまで熟しつつあるように見える。翻って考えて見れば、近代以降の国際紛争は人造的に作為されたものばかりである。そこには常に暗躍する国際金融資本とこれに合体する武器商人の跋扈があった。この勢力が今でも世界のあちこちに戦争を生起させんとして画策し続けている。人類の英知は次第にこのことを客観化させつつある。我々は、産業の発展、科学技術の進歩にも拘わらず、彼らによってそれを奇形化させられ恩恵を少なく受けさせられている。産業の発展、科学技術の進歩の果実を真っ当に享受せしめれば、飢餓、貧困、これらに基づく紛争は解決される。人類の生産力はそこまで来ている。 歴史はそのように歩んでいるように見受けられる。この流れを頑迷に阻止し、世界に緊張を走らせ、断続的に戦争を呼び水しているのは、一握りの国際金融資本とこれに合体する武器商人とこれに列なるエージェントグループ政財官学報司六者機関の協力によってである。彼らは戦争商売、戦争経済を繰り広げている広域好戦ネットワークを形成している。各国はその費用調達として国債、消費税を導入させられ、経済の歯車を大きく狂わせられている。加えて現在、自衛隊の米軍との合同演習が頻繁化しつつある。自衛隊が米軍傭兵の形で世界の紛争地域に投入されようとしている。青年の失業に伴い自衛隊員化の道が敷かれつつある。これは極めて危険な亡国化の動きである。社民党は今こそ反戦平和の立場から、こういうことを明らかにして警鐘乱打すべきである。これが為すべきお仕事であり、「県外国外論」を主張するなどはどうでも良いことである。 社民党は、戦後世界に於いて世界各地に展開された米軍基地の再編が米国経済の重しになっている現状を確認し、米国がとのように基地再編しようとしているのかを分析するのがお仕事である。その上で、米軍が沖縄を戦略上の重要拠点に位置づけ、更なる軍事強化せんとしつつあることが安全どころか危険であることを論証して行くのがお仕事である。沖縄の人民大衆の自治能力を高め、沖縄振興の立場から「米軍出て行け」の太鼓を叩き続けて行けば良い。これが本来のお仕事である。その後は米軍か判断するのであり、当然ながら費用も米軍負担であり、我が国が代替基地斡旋、移転費用負担する必要は一切ない。思いやり予算の上に更なる移転費用負担まで思いやるのはバカげていよう。 社民党は、沖縄の米軍普天間基地移設問題に対してかく原則的に対応するのが良い。というか、そういう社民党の役割が期待されている。その上で鳩山政権に下駄を預けるのが良い。引き続き鳩山政権を左から支えて行くと弁明すれば良い。細川政権時、社会党は政権与党の地位にありながら細川政権を支えるのではなく瓦解の方向を足を引っ張った。その挙句に首相と幾つかのポストを貰って嬉々として自民党と組むという離れ業で政権与党入りした。早速に自衛隊合憲論、日米安保体制是認論を打ち出し、消費税第一次値上げに呼応した。これにより人民大衆から愛想つかされ解党を余儀なくされた歴史を持つ。 こたびはその二の舞を演じることなく云い聞かせているらしく、福島社民党は鳩山政権を扶翼する立場を明確にしている。これはこれで良い。問題はどう連立するかである。社民党らしく扶翼するという立場を確立していなければ何の意味もない。社民党らしく扶翼するとは、社民党が鳩山政権の左バネとして機能することである。米軍普天間基地移設問題で云えば、社民党が社民党らしい反戦平和論を説き続けることで、鳩山政権の対米交渉切り札を増すことができる。かって自民党ハト派が政権を御していた時代、吉田も池田も佐藤も角栄も、国内の左バネ事情を外交カードに使った。まさに頭脳と頭脳の駆け引きが演じられた。ここに政治の醍醐味を嗅ぐのはれんだいこだけだろうか。社民党は、そういうカード的役割を自覚し責任を果たさねばならない。 ここまで説けば自明であろう。福島社民党の「県外国外論」が如何に無能な対応をしているかが分かろう。やれグアム案、国内の自衛隊基地諸案、離島諸案等々に勝手に代替地を構想しては失笑を買い続けている。れんだいこに云わせれば、慣れぬことをせぬが良かろうと云うことになる。それを奇異に思わないほど社民党の右傾化が進行したことを恥ずかしく思う。 社民党の非武装反戦平和政策はこのところ長らく空理空論と云われ続けているが逆で、社民党の非武装反戦平和政策こそ戦後世界の深部の流れを掴んでいる可能性がある。問題は、どう実現するのかの政治責任と能力である。従来のそれは、非武装反戦平和政策を孤立させた形で単独に主張していたところに限界があった。実践的には経済政策と結びつけねばならない。軍事費用を経済政策、社会政策に回すことを指針させ、公共事業振興、経営環境、労働環境の整備に結び付け、軍事費用を転用すればどれだけのことができるのかの青写真を呈示する必要がある。その上で責任政党として与党政治を狙うべきであった。そうすれば、戦後保守本流を形成していた自民党政権ハト派と連携する道筋が見えていた。それは、戦後型日本政治として世界から称賛を浴びるものになっていた可能性がある。 実際にやったことは逆のことばかりで、政治責任は政府自民党に任せ、その上で万年野党式ケチ付け批判による裏取引政治に没頭した。そもそも政権を担う気概も能力もなかった。これは戦後初期の頃からの体質であり、これにより多くの有能の士に愛想つかされ、彼らは政権与党を求めて自民党入りした。こういう経緯がある。福島社民党が、この辺りをどう見ているのか分からないが、深く肝に銘じるべきだろう。鳩山政権下での与党入りは是とすべきである。しかしながら云うべきことを云いつつ政権を支える能力を示して欲しいと思う。これができないのであれば福島社民党の賞味期限切れと云うべきだろう。 2010.03.06日 れんだいこ拝
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