普天間基地の移転問題は、移設部隊の役割と米軍事戦略の再編に、注目すべきだ。第31海兵遠征隊（31ＭＥＵ）の想定される任務は、朝鮮半島危機、台湾海峡への抑止と初動対応、対テロ作戦の実施、災害救助、民間人救出作戦などだ（2009/11/26衆議院第二議員会館「 普天間基地のグアム移転の可能性について」伊波洋一宜野湾市長）。

まず朝鮮半島危機の抑止と初動対応に、普天間基地の移転部隊が役立つだろうか。オバマは、東京演説で、北朝鮮の対決的姿勢と挑発行動を、国連安保理の制裁決議などで批判した。一方で、米国はパートナー諸国との協力、（米朝の）直接外交で、北朝鮮に孤立の代わりに国際社会への統合、貧困の代わりに貿易と投資、観光を提起し、６カ国協議復帰、ＮＰＴ復帰、過去の約束の遵守、朝鮮半島の非核化、拉致被害者の説明を求めている。

だが朝鮮戦争でマッカーサーは、核の使用を提案し解任された。その後の戦争でも、核は使われていない。また米ソの強大な軍事力は、ベトナム・アフガン・イラクでも負の役割しか果たさなかった。核抑止力を始め、制裁を含む力の政策は機能せず、冷戦体制の残した神話ではないだろうか。

日本は、北朝鮮との対話を復活させ、日朝関係の正常化を進めてはどうだろう。普天間問題は、北朝鮮問題でもあるのだ。また台湾海峡への抑止と初動対応は、近年の中台・米中関係の進展から、現実味を失っている。

対テロ作戦の実施も、アフガン・イラクの現実から、その機能は限定されるだろう。そして日本は、六ヶ国協議で、東アジアにおける核兵器の先制不使用条約交渉を提起できないだろうか。また北欧諸国と連携して、地域主導のアフガン・中東和平外交に貢献できないだろうか。

残る災害救助、民間人救出作戦などの役割は、日本が海上保安庁を軸に、自衛隊が補完して代替できないだろうか。佐世保を拠点に、米海軍揚陸艦との日米共同行動も考えられる。
　

コメント
01. 2010年3月06日 09:49:04 軍隊と警察は違うと思う。
02. 2010年3月06日 16:42:34 　日朝関係の改善を阻止したのがアメリカとの噂を聞いた覚えが有る。 　日朝が緊張した状態に有る事がアメリカ軍が日本に居座る口実になる。 　アメリカのポチ日本は何も出来ない。
03. 2010年3月06日 23:44:27 >>02 そのとおり。普天間はポチを卒業できるかどうかの試金石。落第したら「アメリカの意向が第一」がつづく。自民・マスコミ・官僚は言うに及ばず、前原、長島、北沢、下地のような利権がらみ（？）が、ポチ願望を公言している。 果たして鳩山は宇宙人か、はたまた只のウスノロか？

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